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ただ、君だけをみつめて  作者: 新木 そら
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37話  恋人宣言!?

彼女は部屋に入るなり、きょろきょろと辺りを見回した。

 

 因みに僕の家は、1LDK。玄関から入って、下はフローリングの15帖のLDK。その奥に7.5帖の洋室とちょっとしたバルコニーがある。

1人暮らしの僕にとっては、少し勿体無いくらいの広さだ。

 冬場は、コタツと絨毯を敷いているが、今は夏なので、こたつ布団を取ってテーブルにし、い草を敷いて寝ころべれる様にしている。


「えっと~、亜季ちゃんはコーヒーが良い?それともオレンジジュース?」


「それじゃあ、氷の入ったとびきり冷えたオレンジジュースで」


 彼女の注文に「オッケー」と、僕は答えた。


「汚い汚いって言ってたから、足場のないくらい畳んでない洗濯物とか食べ物の袋とかが散らかっているのかなって想像してたんですけど、以外と綺麗じゃないですか」


「そう?引っ越しして来た荷物をそのまま段ボールから出さずに、ただ押入れに入れただけだよ」

 

 半分くらい開いている押入れの中を見て、彼女は「本当ね」と、相づちを打った。

 

「あっ、どうぞ座って」と、いつも愛用している2人用の肘着きローソファに彼女を座らせた。


 僕はこたつ用のテーブルの上に、アイスコーヒーと氷の入ったとびきり冷えたオレンジジュースを運び、それから僕も、彼女と向かい合って腰を下ろした。


「良くここが分かったね」


「だって、家に来てお父さんとお姉ちゃんにお線香をあげに来た時、お母さんに連絡場所教えたんでしょ」


「あぁ、なるほどね。でも何で、今日が休みだと思ったの?」

 ふと疑問に思い、彼女に聞いてみた。


「教習所に連絡したら、昨日から4日間夏休みですって言ってたから」


「えっ、教えてくれたの?」と少し驚いて聞くと、彼女はあっけらかんと「うん、そうよ」と答えたので、僕はあぜんとした。


「えっ、だって個人情報をそんな簡単に・・・」


「あっ~、それね。『私、片瀬さんの彼女で~す』って言ったら、直ぐに教えてくれたわ」


「ほ、本当に!?」


僕の問い掛けに対して、彼女は、黙ってオレンジージュース飲んでいる。


ちょっと〜、亜季ちゃん・・・そこ大事。

僕の動揺をよそに、彼女は違う質問をしてきた。


「それにしても、こんなか弱い女の子1人、長い事外で待たせとくなんて、いったいどこに行ってたんですか?」


「えっ、あ、うん、会社の連中とバーベキューに」


「へぇ~、彼女さんと?」

 彼女は笑みを浮かべて、サラッと聞いてきた。


「う~ん」と、僕は曖昧な返事で答えると、「ふ~ん」と、彼女が言ったっきり、目の前に置いていたオレンジジュースのストローに口を着け、その事についてはそれ以上何も聞いてはこなかった。




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