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ただ、君だけをみつめて  作者: 新木 そら
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104/136

104話  まさかの出来事(3)


 先を行いていた長谷川は、コインパーキングの入り口で立ち止まっている遥の方を振り返って声を掛けた。


「どないしたん?行くで」


 彼女は両手を胸の辺りで握りしめ、締め付ける様な不安を抱きながら立ちすくんでいた。


「あいつなら大丈夫やって。俺達に任しとき。ただ前もって片瀬にだけは行くって言ってへんから、今から電話するわ」

 

 シーンと静まり返った閑静な住宅街に長谷川の地声が響き渡り、スマホを片手に、片瀬の家まで彼女を連れて歩きだした。


         

          ***************************


 

 洗濯物を取り込んで部屋に戻ると、突然コタツ用のテーブルに置いていたスマホからスターウォーズに出て来るダースベーダーのテーマのメロディーが着信として流れてきた。


 あっ、長谷川さん。


 このメロディーは長谷川さん用にしていたので、スマホの画面を見なくても直ぐに分かった。


 あれ!?確か相原、仕事が終わった時、長谷川さん用事が有るとかって言ってたけど・・・。


 一抹の不安を感じながら、恐る恐るスマホの応答のボタンを押した。


「お疲れ様です、長谷川さん。どうしたんですか?」


「おぅ、お疲れ。あのなぁ、片瀬。今からそっちに行くから」


「えっ!?、今からですか」


「そや、今からや」


「別に来るのは良いんですけど・・・」


「何やねん、今来たらまずいんかいな」


「いやぁ、まずくはないですけど・・・」


「でもあれやで、もう遅いわ。ノックしようと手を構えてる所やから」


「えっ!?、長谷川さん?」と、声に出した時には時すでに遅く、通話は切られており、玄関のドアを2回ノックし終わるのと同時にドアが開く音がした。


 まさに不安が、現実となった瞬間だ。


「おぅ、片瀬。相変わらず鍵も掛けず物騒だ・・・、あっっっ~~~!!」


 玄関のドアを開けて入って来た長谷川さんと、洗濯物を片手に抱え、もう片方でスマホを持っていた僕との間には、何とも言えない間の悪いタイミングでお風呂の脱衣所(カーテンで仕切っているだけの)から相原までもが姿を現した。








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