第二十九話 第一接続者を調べ始めたら、昔の管理領域には今と違う観察官がいたようです
朝から続いていた古代記録の調査をいったん切り上げたあと、ノルンと主様は本当に予定通り昼食を取った。
正確には、主様が「一時間後には昼食」と自分で言ったことをノルンがきちんと覚えており、古代記録板を閉じてから四十八分ほど経過したところで、別の管理記録へ目を通していた主様へ声を掛けたのである。
「主様」
「何?」
「あと十二分です」
「何が?」
「昼食です」
主様は一瞬きょとんとしたあと、机の端に浮かんでいる時間表示へ目を向けた。予定した時刻までは、確かに十二分ほどしか残っていない。
「……時計見てたの?」
「はい」
「古代記録を調べながら?」
「はい」
「それ、休憩できてるのかな」
「お茶もいただきました」
「そういう問題じゃないと思うけど」
苦笑する主様へ、ノルンは少しだけ不満そうな顔を返した。それでも約束を破るつもりはどちらにもなく、二人はきちんと調査を止め、管理室から少し離れた休息区画へ移動することにした。
名称接続、第七外在個体、第一接続者、接続喪失後に起きた相互認識の欠損。そして、第一接続者へルークが与えた可能性のある名前――『ノ――ルン』。
どれも放置して食事へ向かうには気になりすぎる内容だった。ノルン自身、椅子から立ち上がってからも何度か古代記録板を振り返りそうになり、そのたびに足を止めないよう意識しなければならなかったほどである。
それでも、戻らなかった。
食事をする。少し休む。それから続きを考える。
少し前までのノルンなら、必要な仕事が残っているのであれば食事など後回しにしてよいと思っていたかもしれない。けれど、高橋美咲と佐倉七海の件を通じて、休まないことが必ずしも真面目さや責任感になるわけではないと知った。
三日間ほとんど眠らず、美咲を守ることだけへ意識を集中させていた七海は、決して悪意から暴走したわけではなかった。ただ、疲れ切った状態で一人きりで考え続けた結果、「守るためなら本人へ黙って予定を変えてもいい」と思い込むところまで追い込まれていたのだ。
だから今のノルンは、休息も判断の一部なのだと考えている。考え続けるためには、考えられる状態の自分を残しておかなければならない。
昼食を終え、食後の温かな飲み物まできちんと飲み、さらに少しだけ何もしない時間を取ってから、二人は管理室へ戻った。
「では」
席へ着いたノルンは手帳を開いたものの、古代記録板へすぐ手を伸ばそうとはしなかった。
「第一接続者のお名前からではなく、所属記録から確認致します」
「うん。それがいいと思う」
「まず、第一接続者が活動していた当時、管理領域にどのような役職が存在していたのか。その中に、現在の『観察官』に相当する役割があったのかを確認したいです」
「今の管理体系ができる前だから、名前も役割の分け方も違う可能性が高いね」
「でしたら、管理領域そのものの変遷から確認した方がよろしいでしょうか」
「かなり広い範囲になるけど」
「覚悟しております」
胸を張って答えたノルンだったが、主様が続けた一言で、その覚悟は早くも少し揺らいだ。
「何年くらい遡ると思ってる?」
「……数百年ほどでしょうか」
「今の管理領域の形が完成したのが、およそ一万二千年前」
ノルンの手が完全に止まった。
「主様」
「うん」
「今、一万二千年と仰いましたか」
「言った」
「私はつい先日まで、二十五年前まで遡ればよいと思っていたのですが」
「あったね、そんな時期」
「それが今では一万年以上?」
「第一接続者がそこまで古いとは限らないよ。分かっているのは、現在の管理体系成立以前に関係していた可能性がある、というところまでだから」
「では、数千年前という可能性も?」
「ある」
ノルンは一度ほっとした顔をしたものの、直後には自分でその反応がおかしいことに気づいたらしい。僅かに眉を寄せ、主様へ視線を戻す。
「……主様」
「何?」
「数千年前で安心している私、少しおかしくなっておりませんか」
「基準はかなり壊れてきてると思う」
「今回の案件のせいです!」
「僕に怒られても困るんだけど」
主様は笑いながら、現在使われているものより遥かに古い管理体系の変遷図を展開した。淡い光で構成された古い組織図が机の上へ広がり、現在なら複数の部署へ細かく分かれている業務が、古い時代にはかなり大雑把にまとめられていたことが分かる。
世界管理、魂路管理、転生調整、世界間干渉監視、観察業務。今なら担当を分けなければ運用できないような内容を、当時は一人の管理担当者が複数抱えていた形跡さえ残っていた。
一部の名称には自動変換が働いたが、現在の管理言語に対応する言葉がないため、古い呼称のまま表示されている項目も多い。
「主様」
「うん」
ノルンが、そのうち一つを指差した。
「この『外縁監視者』とは何でしょう」
「僕も詳しくは知らない。今は存在しない役職だから」
残っている職務内容を開くと、幾つかの項目が順番に表示された。
『世界境界の観測』
『成立世界領域外からの異常反応記録』
『外在個体の発見・分類』
『外在側との不用意な直接接触を避けること』
最後の一文を読んだ瞬間、ノルンと主様の表情が同時に変わった。
「……これ」
「うん」
「名称接続の禁止へ繋がる可能性がありますね」
「かなりありそう」
「第一接続者は、外縁監視者だったのでしょうか」
「管理領域所属で、境界部へ何度も接近できる役職だったなら候補にはなる。ただ、今はまだ条件が合うだけだね」
「はい」
ノルンは手帳へ新しい項目を作ると、推測と事実が混ざらないよう慎重に書き込んでいった。
『第一接続者の所属候補:旧管理領域・外縁監視者』
『根拠:境界部への継続接近が職務上可能/外在個体を監視対象としている』
『未確定』
最後へしっかり「未確定」と書き加えたのを見て、主様が少し笑う。
「ちゃんと書いたね」
「重要です」
「もう癖になってきた?」
「はい。最近、分かったことと推測を分けないまま考えると危険だと学びました」
「いいことだね」
「もっと褒めてくださっても構いません」
「そこまで?」
「成長しましたので」
「よくできました」
「ありがとうございます!」
ノルンは素直に嬉しそうな顔をして胸を張ったものの、すぐに仕事へ意識を戻した。
外縁監視者。
現在の転生者観察官と似ているようで、実際の役割はかなり違う。
ノルン達が世界の内側で生きている転生者を観察し、その生活や周囲への影響、世界規模の異常が発生していないかを確認するのに対し、外縁監視者が見ていたのは世界の外側そのものだった。
「主様」
「うん」
「外縁監視者が世界の外側を見ていたのであれば、ルークを最初に見つけたのは、その方だった可能性がありますね」
「あるいは逆かもしれない」
「逆?」
「ルークが、その監視者を先に見つけた」
ノルンは少し考えた。
第一接続者は、世界の内側から外を見る役割だった。
ルークは、世界の外側から内側を見ていた。
互いに、見る側だった。
「……似ておりますね」
「誰と誰が?」
「第一接続者とルークです。どちらも、自分のいる側から境界の向こうを見ていた」
「ああ。確かに」
「それなら」
ノルンは少し身を乗り出した。
「どちらが先に気づいたのかを調べたいです」
「そこまで記録が残ってればね」
「残っていてください」
「記録にお願いしても」
「一万年前の皆様は、記録をもっと丁寧に残しておくべきだったと思います」
「まだ確認もしてないのに怒らないで」
◇◇◇
結果として、名前ではなく所属記録から追う方針は正しかった。
第一接続者の名前と現在のノルンの名前が似ているという一点だけへ引っ張られず、その人物が実際にどのような立場で、何を担当し、どのような経緯で境界外存在へ接触したのかを少しずつ追うことができる。
ただし、最初の問題はすぐに出た。
「主様」
「何?」
「外縁監視者は何名いらしたのですか」
「記録に残ってるだけで百四十七名」
ノルンの顔から表情が消えた。
「時代全体で、ですけどね」
「一名ずつ確認するのは」
「やめよう」
「まだ何も言っておりません」
「顔に書いてある」
「……一人ずつ見るつもりでした」
「やめよう」
「一万年ですものね」
「そう」
「やめます」
珍しく即座に諦めたノルンへ、主様が少し感心したような顔を向ける。
「成長したね」
「百四十七名はさすがに多すぎます」
「そこが理由か」
代わりに条件を絞ることになった。
名称接続に類似する記録。
境界外存在との異常接触。
境界部への反復接近。
接続喪失後と思われる記録。
現在までに解読できている情報を旧職務記録へ照合すると、百四十七名いた外縁監視者はまず十二名まで減った。
「十二!」
「かなり絞れたね」
「素晴らしいです!」
さらに、名称や呼称に関する特殊記録が存在する者だけを残す。
三名。
「三名!」
「だいぶ近づいた」
「では、第七外在個体との関連で照合を」
検索を掛ける。
反応はなかった。
ノルンが眉を下げる。
「出ません」
「当時は『第七外在個体』という呼称自体がなかったのかもしれない」
「でしたら境界印は?」
「試してみよう」
古代記録板へ残されていた、第七外在個体を示す複雑な印。それは現在ノルンの手帳へ現れている境界印とよく似た形をしている。
その印を旧職務記録へ照合した結果。
一名。
該当した。
ノルンの表情が変わる。
「主様」
「うん」
「一名です」
「開こう」
記録が展開される。
氏名欄は欠損。
役職は『外縁監視者』。
在籍時期を現在換算すると、およそ一万八百年前。
ノルンはしばらく固まった。
「主様」
「何?」
「一万年を切りました」
「よかったね」
「よくありません!」
「さっき一万年より短ければ安心するって」
「訂正致します! 一万八百年前も十分すぎるほど古いです!」
「そうだね」
主様は笑いながら続きを開いた。
性別欄は欠損。
身体構成。
『管理領域由来個体』
ノルンの呼吸が僅かに止まる。
「管理領域で生成された方?」
「そう読める」
「転生者でもなく」
「うん」
「神様でもなく」
「うん」
「……私と同じですね」
その言葉を聞いた主様は、すぐに補足した。
「ただし、それだけでは同一人物にはならない」
「分かっております」
ノルンは頷いた。
以前よりも、こういう時に答えへ飛びつかなくなっている。
とはいえ、胸がざわつかないわけではない。
さらに職務欄を確認する。
『担当:外在反応観測』
『第二外縁区画』
『第七反応群』
「第七」
ノルンが小さく呟いた。
「また出ました」
「うん」
「では、『第七外在個体』の第七は個体番号ではなく」
「第七反応群に分類された外在個体、という意味かもしれない」
「その可能性が高くなりましたね」
ノルンは手帳へ新しい整理項目を書き込む。
『第一接続者候補:旧管理領域・外縁監視者』
『在籍:約一万八百年前』
『管理領域由来個体』
『担当:第二外縁区画/第七反応群』
『現時点で第一接続者として有力。ただし未確定』
主様が横から覗き込む。
「最後」
「未確定です」
「よろしい」
「主様が先生のようになっております」
「ノルンが生徒みたいだから」
「私は観察官です!」
「知ってるよ」
◇◇◇
候補者の職務記録は残っていた。
ただし、現在の観察官が残す報告書とは比べものにならないほど簡潔だった。
『第七反応群・変動なし』
『観測継続』
『境界干渉なし』
『異常なし』
似たような記録が何日も続いている。
十件を越えた辺りで、ノルンは本気で不満そうな顔をした。
「主様」
「何?」
「昔の管理者の方々は、もう少し詳しく記録を残してくださってもよかったのでは」
「本人達にとっては必要十分だったんじゃない?」
「私ならもっと書きます」
「ノルンは書きすぎる側だから」
「必要だからです」
「手帳、今何冊目?」
「三冊目です」
「やっぱり」
「ですが、こういう時に役立ちます!」
「それは確かにね」
主様もそこは否定しなかった。
単調な記録がしばらく続いたあと、ある日を境に内容が変わった。
『第七反応群に識別不能変動』
『外縁監視者一名、応答確認』
「……応答?」
ノルンが姿勢を正した。
「誰が、何へ応答したのでしょう」
「続きを見る」
『外在側より反復信号』
『意味解析不能』
『担当監視者、独自応答を実施』
管理室の空気が変わった。
「外在側」
「ルークの可能性が高い」
「そして、この監視者が返した」
「そう読める」
「直接接触は禁止では?」
「この頃はまだ、後に残されたほど明確な接触禁止規則が成立していなかった可能性がある」
ノルンは次の記録へ目を移した。
『反復信号、周期性あり』
『担当監視者、同周期にて返答』
「言葉ではなかったのですね」
「最初はね」
「ただ、同じ間隔で返した」
「そう」
「それだけでも」
ノルンは少しだけ目を細めた。
「こちらにも誰かがいる、と伝わります」
言葉は分からない。
意味も分からない。
ただ、向こうから一定の間隔で信号が来る。
こちらも同じ周期で返す。
それだけで、一方的な雑音ではなくなる。
相手になる。
「主様」
「何?」
「ルークは、嬉しかったでしょうか」
「分からない」
「はい」
「でも」
主様は少しだけ笑った。
「今のルークなら、たぶん嬉しいと思う」
ノルンも僅かに口元を緩める。
「私もそう思います」
その後の記録では、外在側から送られる信号の回数が増えていた。それに合わせ、担当監視者側の応答回数も増えている。
やがて。
『担当監視者、通常業務時間外に応答継続』
ノルンの視線が止まった。
「業務時間外」
「仕事が終わってからも来てたみたいだね」
「……」
「ノルン?」
「少し」
一度言葉を選び、それから困ったように笑う。
「分かる気がしてしまいました」
「何が?」
「気になる相手がいれば、業務が終わった後でも様子を確認したくなることがございます」
「似てるね」
「褒めておりますか?」
「半分」
「また半分ですか!」
そう言いながらも、ノルンの表情からは先ほどまでの不安だけが少し薄れていた。
第一接続者という名前のない存在が、少しずつ一人の人物として見え始めている。
真面目に観測を続ける。
異常を見つけるのが得意。
けれど、言葉も通じない境界の向こうにいる誰かが気になり、業務時間外にも返事をしに行く。
さらに時が進む。
『外在側、管理音声の模倣を開始』
「音声」
「ルークが言葉を覚え始めたのかもしれない」
「信号だけだったところから?」
「うん」
その次。
『担当監視者、呼称仮設定』
ノルンの呼吸が僅かに止まりかける。
「名前」
「その可能性が高い」
続く文字は欠けている。
ただ、その断片だけは読めた。
『――アウ』
ノルンと主様が同時に黙った。
「主様」
「うん」
「以前出たものと同じです」
「ルークが反応した音の断片」
「この方が付けたのでしょうか」
「かなり可能性は高くなったね」
そして、さらに記録が続く。
『外在側、担当監視者への呼称要求』
「ルーク側から?」
「担当監視者を何て呼べばいいのか、尋ねたのかもしれない」
『担当監視者、自己識別符号提示』
『外在側、発音修正』
「発音修正……」
ノルンの胸が僅かにざわつく。
「元の識別名を、そのまま呼べなかった?」
「あるいは、ルークなりに呼びやすい音へ変えた」
その先。
欠けた文字。
『ノ――ルン』
今度ばかりは、ノルンもすぐに何も言えなかった。
同名の可能性。
ただの偶然。
そう考える余地はまだある。
けれど、これまで積み重なってきた一致が、少しずつ増えていることも確かだった。
「主様」
「うん」
「第一接続者は、最初から『ノルン』という名前だったわけではない可能性があるのですね」
「そう見える」
「ルークが発音を変えた」
「うん」
「その呼び方を、第一接続者が自分の名前として使うようになった」
ノルンは、自分の名前を頭の中で繰り返した。
ノルン。
ずっと、自分のものだと思っていた。
管理領域で生まれた時から、その名で呼ばれてきたのだと、疑うことすらなかった。
「主様」
声が少し低くなる。
「私の名前は、誰が付けたのでしょう」
管理室が静かになった。
主様も、すぐには答えなかった。
「確認しよう」
「はい」
現在のノルンの個体記録を開く。
『個体識別名:ノルン』
『所属:転生者観察課』
『生成:管理領域内』
そこまでは問題ない。
しかし。
命名管理欄。
空白。
「……」
「主様」
「空欄だね」
「普通ですか?」
「確認する」
リベルの記録を開く。
『命名管理:第三生成区画』
別の観察官。
命名記録あり。
さらに一人。
あり。
もう一人。
あり。
ノルンだけ。
ない。
胸の奥へ、冷たいものが落ちた。
「主様」
「うん」
「私が第一接続者である可能性は」
「上がった」
主様は誤魔化さなかった。
「でも、まだ決められない」
「はい」
「同じ名前」
「はい」
「同じ管理領域由来」
「はい」
「命名記録がない」
「はい」
「そして、第一接続者の『ノルン』という呼称がルークから与えられた可能性がある」
「……はい」
「一致は増えた。でも」
主様はノルンを真っ直ぐ見た。
「一万年以上前の存在が、今のノルンになる仕組みが何も分かってない」
「再生成」
「可能性」
「記憶継承」
「可能性」
「魂の循環」
「可能性」
「あるいは、同じ名前を持つ別個体」
「それもある」
ノルンは少し俯いた。
自分の名前が。
急に。
自分のものではないように感じそうになる。
けれど、その感覚へ飲み込まれる前に、主様の声が届いた。
「ノルン」
「はい」
「怖くても、今の自分を昔の誰かへ明け渡さなくていい」
ノルンは顔を上げた。
「私は」
一度、僅かに息を吸う。
「私は、私ですか」
「うん」
主様は迷わなかった。
「第一接続者と何か関係があったとしても、今ここにいるノルンはノルンだよ。昔の誰かと同じ部分があったからって、今まで積み重ねてきたノルンまで消えるわけじゃない」
胸の奥にあった冷たさが、少しだけ薄くなる。
「ありがとうございます」
「うん」
「では」
ノルンはゆっくり姿勢を正した。
「今の私として、続きを調べます」
「それでいい」
◇◇◇
まるで二人の会話を待っていたかのように、古代記録板が淡く光った。
『第一接続者――名称定着後、旧識別符号の使用を停止』
ノルンはゆっくり読んだ。
「ルークから付けられた呼称を、正式な名前として使い始めた」
「そう読める」
続いて、別の記録が浮かぶ。
『外在側も同時期、担当監視者より付与された呼称のみへ応答』
「ルークも」
「うん」
「第一接続者からもらった名前を、自分の名前として受け入れた」
互いに名前を与え、互いにその名で呼ぶ。
名称接続。
最初は何か特殊な管理現象の名前のように思っていたが、少なくとも第一接続者とルークにとっては、それだけではなかったのかもしれない。
「主様」
「何?」
「これ」
ノルンは少しだけ困ったような顔をした。
「友達では?」
主様も、しばらく答えなかった。
「可能性はあるね」
「ですよね」
最初は言葉すら通じなかった。
ただ信号を返すだけ。
やがて声を真似し、言葉を覚える。
名前を付ける。
相手から名前を付けてもらう。
業務時間外にも会いに行く。
そんな関係を、ただの監視者と観測対象だけで説明するのは、少し違うように思えた。
「ルーク」
ノルンは小さくその名前を口にした。
「昔、一人ではなかったのですね」
「たぶん」
「それなのに」
接続は失われた。
第一接続者はルークを識別できなくなった。
ルークも昔の名前をほとんど覚えていない。
それでも、感情だけは残っている可能性がある。
第一接続者は理由も分からず何度も境界へ戻り、ルークは古い名前の断片へ反応した。
「話したい?」
主様が静かに聞いた。
「はい」
「でも、まだ?」
「今この状態で、『昔、友達がいたかもしれません』とルークへお伝えして」
一度、ノルンの声が少し弱くなる。
「また、その記憶が数十秒で抜け落ちてしまったらと思うと」
「怖い?」
「はい」
「じゃあ、まだ記録を固めよう」
「はい」
ルーク側の記憶欠損条件。
再提示の安全性。
そして、第一接続者が本当に誰なのか。
そこを確認してからでも遅くない。
◇◇◇
午後の調査では、名前に関する記録からいったん離れ、第一接続者候補となった外縁監視者の職務記録を中心に追った。
約一万八百年前。
管理領域由来。
外縁監視者。
第二外縁区画。
第七反応群担当。
その人物の勤務評価も残っていた。
『勤務評価:優良』
『観測継続能力:高』
『異常発見率:高』
『規定遵守:――』
最後だけが欠損している。
ノルンの眉が僅かに動いた。
「主様」
「何?」
「嫌な予感が致します」
「僕も」
さらに下へ記録を進める。
『私的境界接近:複数回』
二人は同時に黙った。
「業務時間外にルークへ会いに行っていた」
「可能性は高い」
ノルンはしばらく記録を眺め、それから自分の手帳へ視線を落とした。
「主様」
「何?」
「私、かなり似ておりませんか」
「どの辺が?」
「仕事が終わっても、気になったことを調べます」
「似てる」
「規則よりも、相手の意思や事情を優先しそうになることがあります」
「それも似てる」
「……」
「あと声大きかったかも」
「そこは書かれておりません!」
「冗談だよ」
「今のはかなり重要な場面です!」
ノルンは頬を膨らませたものの、すぐに少し笑った。
怖いだけではない。
第一接続者という人物そのものを。
少しずつ。
知りたいと思い始めている。
「第一接続者」
ノルンは記録を見ながら静かに言った。
「少し、知りたくなりました」
「自分かもしれないから?」
「それもございます」
一度、考える。
「ですが、ルークが以前どのような方とお話をしていたのか。その方が、ルークをどう見ていたのか。それも知りたいです」
「じゃあ、続けよう」
「はい」
◇◇◇
夕方近く、旧職務記録とは別に、短い私的備考が見つかった。
日記というほど詳しいものではない。ただ、担当監視者が正式な職務記録へ残すほどではない細かな変化を、自分用の補助記録として書き留めていたらしい。
『外在個体、今日も同周期応答』
『昨日より音声模倣精度上昇』
『呼称定着を確認』
次の項目。
『外在個体、こちらの笑いを模倣』
ノルンの目が止まった。
「……笑い」
「ルークがかな」
「今も、文字が揺れると何となく笑っているのが分かります」
「うん」
「昔は、笑い声そのものを真似したのでしょうか」
「かもしれない」
その次。
『不完全。本人より再試行要求あり』
ノルンの口元が少し緩む。
「ルークらしいです」
「今とあまり変わらないね」
「褒めて、と仰るところも」
「そうだね」
さらに記録を進める。
『外在個体より質問』
『なぜ応答する』
ノルンの表情が変わった。
その下へ。
第一接続者の返答が残っていた。
『そこにいるから』
管理室が静かになった。
ノルンは、しばらくその一文から視線を動かせなかった。
なぜ返事をするのか。
仕事のためではない。
命令されたわけでもない。
言葉も満足に通じない相手へ。
何度も。
何度も。
返事をする理由。
答えは。
『そこにいるから』
それだけだった。
昨日、フローラが言った。
名前を知れば。
ただの知らない誰かではなく。
『そこにいる人』
になる。
一万年以上前。
第一接続者は。
すでに。
似たような考えを持っていたのかもしれない。
「主様」
「うん」
「私」
一度、少しだけ笑う。
「この方を、少し好きかもしれません」
主様が少し驚いた。
「会ったことないよ」
「存じております」
「しかも自分かもしれない」
「それも未確定です」
「うん」
「ですが」
ノルンは記録へ視線を戻した。
「誰かがそこにいるのであれば、返事をする。それだけでよいと思われた方なのでしょう」
「うん」
「ルークが長い間、一人だったのでしたら」
一度だけ、声を柔らかくする。
「最初に『一人ではない』と伝えた方だったのかもしれません」
主様も少しだけ目を細めた。
「そうかもね」
◇◇◇
だが、その直後から記録の空気が変わった。
日付が少し飛び、新しい項目が表示される。
『管理評議会より警告』
「管理評議会?」
「当時の上位管理組織みたいだね」
続く。
『外在個体への私的応答停止命令』
ノルンの表情から、先ほどまでの柔らかさが消えた。
『担当監視者、異議申請』
「第一接続者が?」
「うん」
『外在個体に敵対性なし』
『応答停止の必要性なし』
さらに。
『管理評議会、異議申請を却下』
『接触継続時、担当解除を警告』
ノルンは長く黙っていた。
「主様」
「うん」
「ここから、何かが起きたのですね」
「たぶん」
当時の管理側が、ルークとの接触を危険と判断し、止めようとした。
第一接続者は、ルークに敵意がないと主張した。
それでも異議は却下された。
さらに記録を進める。
『担当監視者、接触停止命令へ従わず』
ノルンはゆっくり息を吐いた。
「規定違反」
「そうだね」
「ルークを守ろうとしたのでしょうか」
「分からない」
「ただ、お話を続けたかっただけかもしれません」
「それもあり得る」
「まだ決められませんね」
「うん」
そして。
次の一行。
『強制接続遮断を決定』
ノルンの顔から、さっと血の気が引いた。
「主様」
「うん」
「接続が失われた理由」
「死亡や自然消失じゃなかった可能性が高くなった」
「管理側が」
「切った」
その後。
第一接続者は第七外在個体を識別できなくなった。
感情だけが残った可能性がある。
理由を説明できないまま、何度も境界へ戻った。
そしてルークも、昔与えられた名前をほとんど覚えていない。
「……」
ノルンは一度目を閉じた。
胸の中へ。
強い感情が。
一気に湧き上がった。
怒り。
悲しさ。
理不尽だという思い。
けれど。
その感情を、そのまま当時の管理側への断罪には変えない。
少し。
時間を置く。
「怒ってる?」
主様が静かに聞いた。
「はい」
「誰に?」
「まだ、分かりません」
ノルンは目を開いた。
「当時の管理側には、何か危険を把握していた可能性があります」
「うん」
「名称接続そのものに、本当に大きな危険があったのかもしれません」
「うん」
「ですから、今の段階で管理評議会の判断が間違いだったとは言えません」
「そうだね」
「ですが」
一度、ノルンの声が少し硬くなる。
「もし、他の方法を十分に検討せず」
「うん」
「二人へ何が起きるかを分かった上で」
「うん」
「本人達の記憶まで失わせる方法で、ただ強制的に関係を切ったのであれば」
ノルンは僅かに唇を噛んだ。
「私は、とても怒ると思います」
「うん」
「かなり」
「うん」
「大きな声で」
「それはいつも」
「主様!」
思わず声が響き、張り詰めていた空気が少しだけ緩んだ。
主様は笑ったあと、すぐに真面目な表情へ戻る。
「だから全部調べよう」
「はい」
「管理評議会が何を危険視したのか」
「はい」
「強制遮断以外の方法を検討したのか」
「はい」
「遮断によって記憶欠損が起きることを把握していたのか」
「……はい」
「そして」
一度。
「第一接続者が、その後どうなったのか」
ノルンはしっかり頷いた。
「はい」
◇◇◇
その時、机の端へ淡い光が浮かびかけた。
二人が同時に見る。
けれど、光はすぐに文章を出さず、一度こちらの反応を待つように止まった。
そして。
『今いい?』
ノルンの胸が痛んだ。
ルークは、きちんと約束を守っている。
以前なら勝手に覗き、勝手に文字を出した。
でも今は。
聞く。
待つ。
こちらの答えが返るまで、先へ進まない。
「主様」
「どうする?」
ノルンは少しだけ考えた。
古い記録の全てを今すぐルークへ渡すのは怖い。
本人の記憶がどう反応するかも分からない。
けれど。
無視することもしたくない。
「はい」
ノルンは穏やかに答えた。
「今は大丈夫です」
光が少し明るくなる。
『今日、呼ばなかったから』
「はい」
『忙しい?』
「はい」
『そっか』
「ですが」
一度。
「ルークについて調べております」
『僕?』
「はい」
『何かあった?』
ノルンは主様を見る。
主様が小さく頷いた。
「昔」
一度。
「ルークとお話をしていた方がいた可能性が高くなりました」
光が止まる。
『僕と?』
「はい」
『誰?』
「まだ確定しておりません」
『覚えてない』
「……はい」
少し間があった。
そして。
『僕、友達いた?』
ノルンは、すぐに答えられなかった。
先ほど。
自分も。
同じことを考えた。
友達。
だったのかもしれない。
けれど、それを記録だけで決める権利はノルンにはない。
「それも、まだ分かりません」
『そっか』
「ですが」
ノルンは声を少し柔らかくした。
「ルークから何か送られるたび、何度も返事をしていた方です」
光が小さく揺れる。
『返事』
「はい」
『僕、何て言った?』
「最初は、言葉ではなかったようです」
『音?』
「一定の周期で信号を送られていました」
『返してくれた?』
「はい」
しばらく。
何も。
表示されなかった。
そして。
『……嬉しい』
ノルンの胸が強く鳴った。
「覚えておられないのに?」
『分かんない。でも、嬉しい』
記憶はない。
でも。
感情は残る。
第一接続者と。
同じ。
なのかもしれない。
「ルーク」
『何?』
「今日は、そこまでに致しましょう」
『もっと聞きたい』
「私もお話ししたいです」
『じゃあ』
「ですが」
ノルンは慎重に言葉を選んだ。
「確定していない記録を、今のルークへたくさんお伝えすることが、少し怖いのです」
光が止まった。
『僕、忘れるから?』
胸が少し締めつけられる。
「……はい」
『そっか』
「申し訳ありません」
『何で謝る?』
「……」
『ノルン』
「はい」
『調べてくれてる』
「はい」
『じゃあ待つ』
ノルンは少し笑った。
「ありがとうございます」
『でも、一つだけ』
「何でしょう」
『その人。僕に返事してくれた人』
「はい」
『見つけたら、ありがとうって言いたい』
ノルンはすぐに言葉を返せなかった。
第一接続者が誰なのか。
まだ分からない。
自分と関係している可能性は少しずつ高まっている。
けれど、まったく別の存在である可能性も残っている。
そして。
その人は。
もう。
存在しないかもしれない。
「伝えられる状態でしたら、必ず」
『うん』
「そして、ルークご自身から言えるのでしたら」
『僕が言う』
「はい」
『ありがとうって』
「はい」
『分かった』
光が少しずつ薄くなる。
『また呼ばれるまで待つ』
「はい」
消える。
管理室が静かになった。
ノルンはしばらく、先ほどまで文字が浮かんでいた場所を見ていた。
「主様」
「うん」
「第一接続者」
「うん」
「見つけたいです」
「うん」
「私なのかどうかを知るためだけではなく」
一度。
ノルンは少しだけ笑った。
「ルークが、『ありがとう』と言えるように」
主様も少しだけ柔らかく笑った。
「じゃあ、調べよう」
「はい」
◇◇◇
その日の調査は、そこで無理に続きを追わなかった。
強制接続遮断。
管理評議会。
第一接続者の異議。
相互認識の欠損。
それだけでも、十分すぎるほど重い情報だった。
だから今日は。
続きを開くのではなく。
分かったことを整理する。
ノルンは手帳へ、一つずつ記録した。
『第一接続者候補:旧管理領域・外縁監視者』
『在籍:約一万八百年前』
『管理領域由来個体』
『担当:第二外縁区画/第七反応群』
『第七外在個体と反復応答』
『当初は非言語信号による応答』
『業務時間外にも私的応答を継続』
『第一接続者が第七外在個体へ呼称を付与した可能性が高い』
『旧名称断片:――アウ』
『第七外在個体側が第一接続者の識別呼称を修正した記録あり』
『第一接続者名称断片:ノ――ルン』
『名称定着後、双方とも旧識別符号の使用を停止した可能性』
『管理評議会より私的応答停止命令』
『第一接続者、異議申請』
『理由:外在個体に敵対性なし/応答停止の必要性なし』
『異議申請却下』
『接触停止命令に従わず』
『管理評議会、強制接続遮断を決定』
そこまで書いたあと、ノルンの筆が一度止まった。
少しだけ息を整え。
続きを書く。
『遮断後、第一接続者に第七外在個体への対象認識欠損』
『感情残滓あり』
『理由を申告できないまま境界部へ反復接近』
『現ルーク側にも旧名称断片への感情的反応および短時間での想起不能を確認』
最後に。
『管理評議会が強制遮断による記憶欠損を事前把握していたかは未確認』
『強制遮断を決定した具体的危険理由も未確認』
ノルンは筆を置き、胸の奥から長く息を吐いた。
「主様」
「何?」
「本日は、ここまでに致します」
「自分から?」
「はい」
「偉い」
「はい」
「褒め待ち?」
「少しだけ」
「よくできました」
「ありがとうございます!」
満足そうに答え、ノルンは手帳を閉じた。
今日は終わる。
続きは明日。
それでよい。
しかし。
二人が気づかない場所で。
古い管理領域は。
まだ。
完全には。
止まっていなかった。
◇◇◇
現在の管理室よりも遥か奥。
今の管理体系では使用されていない最古層。
第一接続者に関する記録が眠っていた区画で、一つの照合処理が自動的に始まっていた。
『第一接続者・生成記録照合』
『該当個体――現管理系統への継承反応を確認』
長い間、何も変化しない。
やがて、その下に新しい一文が現れた。
『継承先照合中』
第一接続者。
約一万八百年前。
管理領域由来個体。
現在のノルン。
同じく管理領域由来。
よく似た名前。
命名記録の欠損。
そこまでなら。
まだ。
偶然でも。
説明はできる。
けれど。
古い管理系統が比較しているのは、名前だけではなかった。
生成構造。
管理核反応。
個体基礎情報。
現在の管理体系からは直接読み出すことのできない、さらに古い構成情報。
それらを少しずつ、現在のノルンへ照合していく。
やがて。
『照合率――三十一パーセント』
そこで止まった。
三十一パーセント。
同一個体とは到底言えない。
第一接続者が、そのまま現在のノルンとして存在していることを証明する数字でもない。
転生。
再生成。
魂の継承。
記憶の移植。
あるいは。
まったく別の仕組み。
何を意味するのかも。
まだ。
分からない。
ただ。
完全に無関係な個体としては。
処理されなかった。
今の段階で分かるのは。
それだけだった。
◇◇◇
同じ頃。
管理室の灯りを落とし、自室へ戻ろうとしていたノルンは、扉の前で一度だけ振り返った。
「主様」
「何?」
「明日は」
「うん」
「まず、管理評議会が強制接続遮断を決定した理由を調べましょう」
「そうしよう」
「名称接続に、実際どのような危険があったのか」
「うん」
「それから、強制遮断による記憶欠損を、当時の管理側が把握していたのか」
「そこも重要だね」
「はい」
「でも」
主様が少し笑う。
「その前に朝ご飯」
「……分かっております」
「本当に?」
「はい!」
「何で少し不満そうなの」
「私はもう成長しておりますので、毎回言われなくても食べます!」
「今日も記録板見ながら食べようとしたけど」
「それは」
ノルンは僅かに言葉へ詰まり。
「明日から直します」
「成長途中だね」
「リベルさんと同じことを!」
管理室へノルンの声が響き、重かった一日の最後に少しだけいつもの空気が戻った。
「では、おやすみなさいませ」
「おやすみ、ノルン」
扉が閉じる。
今日、一つ大きなことが分かった。
第一接続者とルークは。
ただ偶然。
名称接続を持っただけではなかった。
最初は言葉すら通じなかった。
世界の外から届く、意味の分からない信号。
それへ。
誰かが。
同じ周期で。
返事をした。
そこに、相手がいたから。
ただ、それだけの理由で。
やがてルークは言葉を覚え、笑いを真似し、名前をもらった。
第一接続者も、ルークから名前をもらった可能性が高い。
二人は少しずつ。
ただの観測者と観測対象ではなく。
『そこにいる相手』
になっていった。
そして。
その関係を。
昔の管理側が。
強制的に切った。
もし、その結果として第一接続者とルークが互いを忘れたのだとすれば、古い管理記録へ残された『名称を与えてはならない』という禁止の裏には、単純に外在個体が危険だったから、という理由だけではない何かがある。
一度、誰かと繋がってしまったものを。
無理に切った時。
何かが壊れる。
その前例を。
古い管理側自身が作った可能性さえある。
ただし。
それも。
まだ未確定だった。
だからこそ、次に調べる。
当時の管理評議会は何を見たのか。
ルークへ何を危険と感じたのか。
第一接続者の異議をなぜ退けたのか。
そして。
記憶が失われることを知った上で遮断したのか。
そこまで確認して、初めて過去の判断を評価できる。
同時に、現在のノルンとルークの接続をどう扱うべきなのかも、ようやく考えられるようになる。
けれど。
二人の知らない。
もっと古い区画では。
別の調査も。
すでに動き始めていた。
『第一接続者・生成記録照合』
『現管理系統への継承反応あり』
『照合率――三十一パーセント』
まだ低い。
曖昧な数字。
同一人物とは言えない。
でも。
完全な無関係とも処理されない。
その結果だけが、誰もいない最古層へ淡く残っていた。
そして最後に。
新しい一行が。
ゆっくりと。
浮かび上がった。
『次段階照合――接続残滓比較』
第一接続者が失ったはずの接続。
現在のノルンが。
もう一度。
ルークと結んだ接続。
その二つが。
本当に別のものなのか。
それとも。
一万年以上という時間を越えて。
どこかで。
繋がっているのか。
古い管理領域は。
次に。
そこを。
確かめようとしていた。




