第十七話 “人魔大戦”
1ヶ月後…結界の消えた魔王城から50キロ程離れた荒野に築かれた巨大な壁の前に多くの人の姿があった。
「もう一度作戦を伝える。殲滅師団は“フラットルテ”の指示に従ってまず前線を維持しつつ、できる限り壁に向かう敵を一匹でも減らせ」
「了解なのだぞ!!」
フラットルテと呼ばれた褐色肌の女性は手を上げて返事をする。
「防衛師団は“レディアス”の指示に従い壁の防衛だ、壁に群がる敵を引き剥がせ」
「了解致しました」
青髪の女性は胸に手を当てて腰を曲げて応える。
「次に、魔導師団と弓廷師団は“レイム”と“リューネ”の指示の下、壁の上からの掃討だ」
「分かったわ」
「了解した」
杖を持った少女と弓を持った女性はお互いを睨みながら応える。
「補給師団と聖歌隊は“レニカ”の指示に従って怪我人などの支援を行なって貰う」
「は、はいなのですっ」
小さな少女は、慌てて立ち上がって応える。
「奇襲師団と偵察部隊は“フェル”の指示に従って他の師団のサポートと敵の情報を報告して貰う」
「りょ」
灰色の髪の少女は机にもたれ掛かりながら応える。
「私も前線に出る為、緊急事態が発生した場合の指揮は戦術師団のカルラに意見を聞くように」
「おう、伝えるときはなるべく簡潔に、そして丁寧に…な?」
その女性はイスを前後に倒して寛ぎながらそう言った。
「最後に…ゲイル達は魔王城へ向かって欲しい」
「うん、そうするよ」
「…おほん、我々の目的は魔王城にいるであろう敵の捕縛もしくは討伐と、魔物の軍勢から聖都を守る最終防衛線だ。いいかッ!!あの壁が防衛線じゃない、我々が防衛線なのだ!!一匹たりとも通すな、墜ちた者共に我らの民を穢させるなッ!!我らは民を守る騎士だ、民なくして騎士道などないとしれ!!」
「「「「「「「オオーーーーッ!!!」」」」」」」」
後ろに控えているそれぞれの師団全員が声を上げ、指揮を高める。
「では諸君、始めよう…人と魔の者の戦い…“人魔大戦”を」




