第十五話 魔王城ヘ突入
〜魔王城〜
聖都から出たクラリスは、魔王城の門に、辿り着いていた。
「姉さんを私が、説得してみせる…〈武装展開!!〉」
その言葉と同時に、クラリスの身体に多数のブースターと砲身四門が腰辺りに装着され、手には直剣とエストックが握られていた。
「全速力で行く…〈全武装:オーバードライブ!!〉」
ブースターをフル稼働させたクラリスは、赤い光を纏って魔王城へ突入した。
〜ザディア視点〜
「…約束は守るんだよな…」
『…あぁ、お前が違えない限りは…な?』
コイツを信用していいのかは分からねぇ…だが、信用するしかない。それ以外方法がない…
〜クラリス視点〜
「邪魔ッ」
腰に装着されている四門の砲身から撃ち出される砲撃が、こちらへ駆けてくる狼型の魔物を吹き飛ばす。
「貰った!!」
「遅いッ!!」
背後から迫る魔族を、ブースターを左右で逆向きに噴かせて高速で回転、目の前の一体を左手の直剣で横薙ぎに一閃、その後ろにいるもう一体の魔族はエストックによる刺突で仕留め、その魔族を蹴り飛ばすようにしてエストックを引き抜くがすぐさま体制を立て直しノンストップで進んでいく。
暫く進むと、両手に竜の鱗のような拳甲をつけた金髪の女性が見えてくる。一見ただの人族にしか見えないがここは魔王城、人族がいる筈がない。
「退けろーーーッ!!」
クラリスはエストックによる特攻を仕掛けたが、女性は身体を少しだけ横にずらして回避し、エストックを掴んで右肘を背中に叩きつけられて地面に落とされる。
「がは!?」
「誰だ、お前…」
女性の紅の瞳がクラリスに向けられる。
「はっ、っ…」
(息が…できない…)
そこに、ふたつの足音が近づいてくる。
「メギド、その神様、息できてない…」
槍を担いだ深蒼色のショートボブの少女が、メギドと呼んだ女性に注意する。メギドは慌ててクラリスに掛けた“麻痺”を解除する。
「やぁ、そこの小さな女神様…一体何しに来たのかな?」
白と水色の髪の女性は、倒れているクラリスに身を屈めて問いかける。
「えほっえほ…私は…姉さんを、説得しに…」
説得?と女性は少し考え込むような仕草をして、告げた。
〜ガイアス視点〜
「行かせてよかったのですか?」
「ん?あぁ、いいんだよ」
ちょっと気になる事があってねぇ〜
「気に、なる事…?」
「あれ、声に出ちゃってたか…まぁ、気になる事って言うのは、あの破壊の女神様って何かやってる事が中途半端なんだよねぇ」
魔導の女神を襲撃した時、権能を破壊した所までは良かったんだけど、何故か止めを刺さなかったんだよねぇ
「それに、会議に乱入したときだって、その気になれば一人や二人くらい殺せた筈なのに…だから、あの女神様に理由を聞いてきてもらおうかなって…ね?」
「…何で襲撃したとか知って…」
それは…ひ、み、つ♪
赤いカーペットの敷かれた延々と続く長い廊下を経て、クラリスはザディアのもとに辿り着く。
「姉さんッ!!」
「…クラリスっ…何でここに来たッ!!」
少女は、姉のもとに辿り着いた。




