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クレーマーキラー  作者: 大窟凱人


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2/10

針の怪

 もうずっと昔の話だよ。


 近所に古い一軒家があるんだけどさ。今は誰も住んでなくて空き家になってるの。


 ずいぶんと長い間放置されているみたいだから、子供たちの肝試しスポットみたいになってて、私も例に漏れずこっそり友達と4人で忍び込んだ。



 静かでほこりっぽくて、古民家って感じだった。


 ピアノがあったり、何も置かれてない仏壇があったり、みんなで悪いことしてるみたいな興奮と小さな好奇心を満たしてたんだと思う。


「イタっ」


 ユミコが声を上げた。


 「大丈夫?」と駆け寄ると手に赤い点が。針に刺されて血が玉になって出てきたみたいな感じだった。


「どこか触ったの?」


「ううん。触ってない」


 突然、針に刺されたのだという。私たちは一気に怖くなった。


 もう帰ろうと全員が口にし、玄関へ向かった。すると、


「いたい!」「ひゃっ!」「あ!」


 サキ、ミカ、そして私も声を上げた。針に刺されたような痛みを感じたのだ。


 それぞれ、ユミコと同じように、痛みを感じたところ……首、腕、足首に血の玉ができていた。


 私たちは青ざめ、玄関へと走ったの。だけど……


「痛い!!」


 外へ出ようとすればするほど、針はより多く、より深く刺さって、服に血がにじんだ。ミカなんて頭から血が流れてた。


 まるで、見えない針がたくさんあるみたいだった。


「どうしよう! 出れないよ!」


「裏から行ってみよう」


 でも結果は同じ。裏口に近づいても針に刺される。


 私たちは他に出られる場所がないか家の中を探索した。


 すると、まだ見てなかった部屋を発見したの。


 そこのドアを開けると、足で動かすタイプの古いミシンがあった。錆びついてて、埃まみれで、触ると崩れそうだった。


「見てこれ」


 サキが何か見つけた。


 部屋の隅っこに、使い古された針の山があった。大小さまざまで、ミシンと同じように錆びついてた。折れ曲がったりしているのもたくさんあった。


 それを見て、家庭科が得意で普段から縫物をする私たちは、ちょっと悲しくなったんだ。


「この子たちかもね」


 怒られるのを覚悟で、親に電話して一部始終を話した。半信半疑だった両親だけど、私たちは家から出ることができたし、針供養もやってくれることになったの。




 ……でも、あれ以来私、先端恐怖症になっちゃって。


 包丁を持つも怖い。手が震えるの。


 忘れようとしてるんだけど、針が刺さったところがずっと痛む。でも、病院でレントゲン撮っても何も映らないんだ。一緒にいた友達も同じ。ズキッ、ズキッって。そのたびに思い出すの。



 ほんと、勘弁してよね。

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