第32話 辺境伯の姫さま付き護衛騎士さま再び
男爵領に来て86日目
今日は、夢見庵の開業2日目の朝。
初日は問題発生無く店じまいでした。
想定外1
先立たれた伴侶の夢をご希望の老齢な婦人に涙してお礼を言われた事。
想定外2
先立たれた伴侶の夢をご希望の老齢な紳士に涙してお礼を言われた事。
想定外3
病気で亡くなられた娘の夢をご希望のご夫婦に涙してお礼を言われた事。
想定外4
初体験の前に夢で経験できて安心だと若い女性に感謝された事。←これには本当の想定外で驚き!そんなのを希望するとは、相手は誰?
想定外5
病気で食事制限中、好きな物を腹一杯食べた。本当に満腹感に驚いたと言われた事←満腹中枢まで改ざんするとは、サキュバスちゃん凄すぎです。
4人+夫婦=6人、お客様全員に満足を頂いたようです。
ご褒美に精気をと言ったら、飛びつかれました。先日も提供したはずなのに、吸い過ぎって言ったら、勇者さまの精気は別腹ですって、やっぱりオイラは食材ですか!
今日も、勇者さまの精気頂くぞと朝の掛け声を聞いてたら、スキル-何でも感知に反応、西門へ急ぎます。
オイラのスキル-何でも感知で常に監視していた人物が居ます。
居ました!辺境伯の姫さま付き護衛騎士さま。
有無を言わさず、屋敷へ連行です。
オイラの屋敷に驚いています。
玄関からずっとキョロキョロしてます。
応接へ案内、お茶を飲みながら
『この街への再訪の目的はなんですか?』
オイラを見る目、街の一部の人達と同じだよ
「ご察しと思います、お人好しの神さま、お会いできてよかったです」
やっぱり、街拡張地域の人達と同じ目。
お人好しの神って、何処まで広まってるんだ
『ご察しとは』
「聖女さまの破傷風菌毒浄化と免疫力向上の聖水を届けて頂きありがとう御座います」
オイラって確定かよ
『オイラが届けたとお思いなのですか』
根拠は何。
「他に届けて頂ける宛てが無く」
それだけですか!否定攻撃開始
『いつ届いたのですか』
「わたくしが、薬屋さんを訪問した日の昼前だと」
それが分かってるなら
『昼前って、瞬間移動でも出来ないと無理でしょう』
「認めて頂けると、全てが丸く収まるのです」
嘘は言わずに
『はっきり言える事、オイラ、瞬間移動は出来ないですよ』
困ってる困ってる
「・・・・・」
「薬屋の女主人さんが、ユウさまに目でお嬢さまを助けて欲しいと訴えろ、そうすれば、戻った時には元気なお嬢さまに会えると、数日後には病弱でも無くなるとも」
婆さん、何を言ったの!
『そんな夢物語を信じたのですか』
「雲をも掴む思いでしたが、実際に」
認めたらどうなるか分かってるのじゃない
『もしもですよ、もしも、オイラが聖女さんの聖水を持っていて、困ってる人に配ると認めたら、どうなります』
「辺境伯さまよりお礼を色々と」
違うよ!
『親族に聖女さんの聖水を必要とする人達が聞いたらどうなります』
数秒の沈黙後
「薬屋に殺到・・・・」
気付いてくれたかな
『帰って頂き、オイラは無関係だと辺境伯さまへ報告して下さい、お届けされた方も同じ発想をされていると思いますよ』
「外部には漏れないよう致しますので」
食い下がりますか
『もしも、オイラが届けたとしたら、しつこくすると次は届かないですよ!』
「やはり、お人好しの神なのですね」
もう諦めて!
『屋敷の風呂、自慢の天然温泉に入ってて下さい。その間に昼食をご用意いたしますので』
食事は共にしてお嬢さま自慢を聞いてあげたら、お帰り頂けました。
『お嬢さまにはお幸せにと』
婆さんに見つかると面倒だから、騎士さまにスキル-認識阻害を掛けとき、門の入り口で解除です。
----------
辺境伯さまの屋敷へ戻られた騎士さま
辺境伯さま、お嬢さま、辺境伯屋敷の執事さま、白衣の人へ報告
「お人好しの神と評判のユウさまにお会いしてまいりました」
「わたくしの命の恩人さまでしたか」
「お認め頂けませんでした、無関係だと伝えるよう言われました」
「認めるぐらいなら、黙って帰らないだろう。無関係と、これ以上は触れるなって事ですか」
「辺境伯さま、やはり神の使いと致しましょう、教会にも多額の寄付を致しましたし。何より、男爵領の街からの移動を考えると、その者とは思えませんし」
「移動と言えば、ユウさまに週間移動は出来ないと言われました」
「瞬間移動は、は!と言われたのか」
「はい、間違い無く、瞬間移動は!と」
「ユウと言う若者の身辺調査、盗賊退治、上薬草の採取、教会に出来なかった死霊の浄化、一晩で10頭を超える鹿・猪の駆除、お人好しの神と呼ばれ、生け垣・庭の荒れた屋敷を数日で整えた、人とは思えない数々の所行、瞬間移動は出来ないが、数分での移動はできる」
「辺境伯屋敷の執事、神の使いでは無く、神自身が来てくれたのでは」
「娘、使いを頼まれてくれるか」
「どのような」
「命の恩人さまに、温泉療養を兼て盗賊退治のお礼をです」
「はい、喜んで」
「話しは代わりますが、ユウさまのお屋敷凄かったです、生け垣・庭は綺麗で、屋敷内の調度品は高級な物ばかりで、お風呂も天然温泉で広く、頂いた昼食も凄かったです」
「「「オマエは何しに言ったんだ」」」
3日後、娘だけでは心配だと辺境伯の奥さまも同行して男爵領の街へ向かう一行。
「数ヶ月前までは盗賊の襲撃が心配で、妻に娘を送り出す事が出来なかったが、今は安心して使いを頼めるのも神のお陰だな」
「辺境伯さまは、ユウと言う若者を神と断定なのですね」
「娘を助けてくれた者を神と言ったのは、辺境伯屋敷の執事だろう」
「確かに」
「神の容姿は普通だと言うが、娘は帰ってくるかな」
「なにか仰いましたか」
「なんでも無い」
オイラ、辺境伯さまに神認定されたようです。




