第12話 害獣駆除を始めました
男爵領に来て24日目
薬草の採取と煎じ、掃除洗濯とご飯の仕度の日々です。
薬屋にオイラを尋ねて人が来ました。
「"なんでも相談聴きます屋"のユウさんはいらっしゃいますか」
『オイラが"なんでも相談聴きます屋"のユウです』
「わたくし、産業ギルドの使いで、ご相談した案件があり御都合の良い日時をお聞きに参りました」
来ました!来ましたよ!待望のお客さん!
来て貰うなんて!行きます!伺います!あ、冷静にならねば
『来て貰わなくても今で良ければ伺います』
産業ギルド1階の商談室
「ご足労頂きありがとう御座います。わたくし、農作部門担当のジェーエーと申します」
オイラと歳は近そうですが容貌は大違い、イケメン、ちょっと嫉妬、いえ、凄く嫉妬
『"なんでも相談聴きます屋"のユウです』
「早速ですが、東門の守衛隊長さんから鹿を獲ってきたとお聞きしたので、村々の農作物を食い荒らす害獣の駆除をお願い出来ないかと」
『害獣駆除ですか』
害獣って何を駆除するんだろう。
「盗賊退治をされたユウさんには、報酬に魅力を感じないと思いますが、人助けだとお考え頂きたく」
人助けこの言葉に弱いオイラです。
魅力を感じないって言う
『報酬は』
「動物は尻尾を持参で銀貨5枚、他は都度相談になります」
動物以外って、害獣は獣だけ動物だけが対象だろうと思い
『他って何ですか』
「主にカラスに成ります、過去には、鵜が有りました」
「退治したのが鹿・猪など、食肉に成る物はギルドへ持ち込んで頂ければ別途買い取りします」
鳥類なら安心、虫系だったら絶対むり、前に肉屋さんで雄鹿が大銀貨4枚だった
『買い取り金額は』
「大きさで変わりますが、鹿・猪でしたら大銀貨3枚ぐらいには」
ちょっと安いかな、肉屋さんに持ち込んだのは、雄鹿で大きかったから同じかな
『その条件なら引き受ける人が多いのでは』
「鹿や猪、1人では退治が難しく出来ても1日で1頭が精々で」
1日に1頭、移動日を考えると生活出来ないか。
「退治した場所によっては、肉の一部しか持ち帰りが出来ない事も多く、報酬は尻尾の買い取りだけに成ってしまうこともあり」
収納スキルが無いと山の中で退治したら持ち帰れないし、村の近くで退治しても馬でも無ければ街までは運べないか。
『移動に数日掛け銀貨5枚では害獣駆除依頼、引き受けてが無いんですね』
「どうか、人助けだと思ってお受け頂けませんか」
人助けこの言葉に弱いオイラに重ねて来ますか!
収納持ちのオイラなら何処で退治しても持ち帰れるから薄給案件では無いし、お金に困っても無いから害獣駆除報酬は少なくても
『分かりました、害獣駆除依頼を受けさせて頂きます』
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産業ギルドマスターの姉御さんとジェーエーさん、商業ギルドマスターの爺さん3人の会話
「助かったよ爺さん、害獣駆除依頼を引き受けてくれる人材の紹介」
「盗賊退治のユウさんが引き受けてくれるとは、本当に人助けって言葉、覿面でした」
「若造は、生粋のお人好しなんだよ」
「お人好しの神、噂は聞いてたが盗賊のお宝換金で、もう働く必要が無いだろうに」
「若造には街に居続けてもらい、今以上に働いてもらわんと、産業ギルドも若造が街に居続けるよう協力頼むぞ」
「産業ギルドは、どんな手を打ってるんだ」
「嫁の斡旋、受付嬢の2人を引き合わせた」
「商業ギルドの受付嬢2人って、胸デカと黒髪ストレートの娘かい」
「そうだ、2人もその気になってる」
「分かった産業ギルドも何か考えるよ、因みに、わたしってのは」
「胸デカと、黒髪ストレートに勝てるか」
「ごめん」
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翌日
害獣駆除、D村へGoです
折角なので、盗賊退治のお宝に有ったオイラに着れそうで取って置いた軽装騎士の装備に普通の剣を身につけ、オイラ専用のお馬さんに乗って向う事にしました。
東門で守衛隊長さん
「そのかっこ、デートか」
デートって相手は誰だれだと思ってるんだろう?
『違いますよ、産業ギルドの依頼で、D村の害獣駆除に行くんです』
「見慣れないかっこしてるから、牧場の娘か、商業ギルドの受付嬢2人のどちらかとデートかと思った」
まさかの綺麗どころ3人の名前が出たけど、焼き肉以外では接する機会も無いのに
『なに言ってるですか!、オイラでは、牧場の娘さんも受付嬢さんも相手してくれませんよ』
「なに言ってるはこっちのセリフだ、そうそう、領主さまの件、忘れてないよな」
おっと、守衛隊長さん
『忘れて無いですけど・・・』
もう引き延ばし作戦は使えないなか。
「わかったわかった、気が引けてって伝えておくよ」
本当ですか守衛隊長さん、さっきのデート発言勘弁してあげますよ
『ありがとう御座います』
思わず、うれしくて声のトーンが上がっちゃいました。
「その代わり、害獣駆除依頼なら焼き肉か、あの味が忘れられなくてな」
焼き肉の場所提供、オイラから婆さんに頼むと薬草煎じを増やされるから
『薬屋婆さんに、東門の守衛隊長さんが場所提供を頼んでくれるなら』
「任しとけ!」
牧場にて
厩舎でオイラ専用のお馬さんに鞍を付けてると他のお馬さんからの視線が、こっそりニンジンを餌桶に入れて回りました。
ごめん、忘れてた。
半日の道程、昼過ぎ
牧場の柵をちょっと良くした程度で囲われた家々が見えてきました。
入り口でお馬さんから降り、門番の子供に
『ここはD村ですか』
「そうです」
『村長さんの家まで案内してくれますか』
「ここで待ってて、呼んでくる」
可愛らしいです。
待つことしばし
走ると危ないぞって歳の男性が血相を変えてやってきます。
血相を変えて走る事でも有ったのかなと思ったら、オイラの前に来て跪いて。
「騎士さま、お待たせいたしました、わたしが村長のムラオサと申します」
騎士さまってオイラの事
『あの~ムラオサさん、オイラは産業ギルドの依頼で害獣駆除にきた平民です』
顔を上げたムラオサさんに、依頼書を見せました。
馬で来たのが不味かったようで、騎士でも無ければ馬を持つ人は居ないと、平民は移動手段の為に馬を借りることは無いそうで、駆除した獣は解体して良い部位だけを担いで持ち帰るか、街への定期馬車に積んで運ぶそうです。
東門の守衛隊長さん、商業ギルドのジェーエーさん教えてくれよ!
落ち着いた村長のムラオサさんに自宅に招かれ、お茶飲んでます。
さっそく被害状況を聞いたら。
「昼は猿に、夜は鹿・猪に収穫間近の実りを食い荒らされ、猿を追い払おうとして襲われ怪我をする者まで出ています」
怪我って深刻、猿って凶暴なんだ。
『数は』
「猿は20頭ぐらい、群れで行動しています、鹿と猪は、分からないんです」
瞑想するふりをしてスキル-何でも感知を発動、猿の群れを感知、鹿・猪も発見
『まずは、猿を追い払ってきます』
「退治では」
『猿は食べないですよね、無用な殺生は止めときましょう』
殺したのを埋めるの面倒だし。
「追い払っても戻って来ますよ」
普通はそう思いますよね
『お任せ下さい、ちょっと行ってきます』
オイラの威圧は獣にも効くんですよ。
早速、村裏の林に居る猿達を追い払いに。
居ます居ます、全部で32頭、不敵にオイラを睨んでる一回り大きい猿、毛繕いされています。
誰にも見られて無いのでスキル-威圧中を発動、睨み返し、恐怖で失禁して動けないでいます。
人に恐怖を感じた獣は滅多に人里に降りて来る事はありません。
群れ全体に魔法使い直伝魔法寝ちゃってくださいを発動、獣にも効果絶大です。
木の上から、ボトボトと落ちて来ます。
寝てる状態で、失禁した一回り大きい猿以外をスキル-収納の時間経過無しへポイポイと入れてスキル-身体能力小向上を発動、一回り大きい猿を片手に持ち山奥へ。
念のため、結界を張り逃げれないようにしてから寝ちゃって下さいを解き、電撃で起こした後、群れの猿全てにスキル-威圧中を発動、泡を吹く猿、気絶する猿、お漏らしする猿達、そのまま放置。
放置した場所での生存競争に勝てるかは分かりません、他の群れが居ましたのでオイラの手で殺さなかっただけで生き残るのは難しいかな?
ごめんなさい。
感想、評価を頂けると幸いです。




