自称エリート
USAが東アジア撤退を議決した日(…実際には数年前から決定していただろうが…)、日本のマスコミは沈黙していた。ネットでは大きな話題となっているが、今まで国民に流していた嘘の現実と、誠の現実の擦り合せがつかなかったのだ。
当然、株価暴落により経済の大混乱が起こっているし、時差の関係で明日には経済活動の殆どが停止するだろう。
沖縄の米軍基地は、議会の決定を待たずに、既にもぬけの殻になっている。
日本政府は…政治家達は、この事態を誰の責任にするべきなのか頭を悩ませていた。そして、沈黙の中で自分が生き残る道を必死に模索していた。
核の傘という幻想に守られていた人々は、突然現れて牙を剥く現実に混乱し、恐怖し、絶望した。
軍事拡大反対、核保有反対、戦争反対等と声高々に喚いていた人々も、脆弱な自衛隊に日本を守れと、自分を守れと叫んでいた。
大規模な中国艦隊が日本領海内に展開している。この困難な状況を何とか切り抜けようと考える人間は居ないのだろうか。
政府機関が麻痺している状況でさえ、自衛隊は本来独自の判断で動けはしない。しかし、彼等の國を守る使命と覚悟は本物である。決して政治家の為に命を掛けているわけでは無いのだ。
国内戦力では、中国から國を守る事は出来ない。それでも、数少ない戦力を沖縄に集結しようとしていた。
勿論、北海道の自衛隊も、ロシア軍を横目に見ながら、沖縄へと移動するしかなかった。
政府の機能が停止するという、有事の際には致命的な事態に、もぬけの殻になった米軍基地へとドローンが次々と撃ち込まれる。
最初の攻撃からほんの数時間で、日本の命綱であった米軍基地は壊滅した。
その衝撃的な知らせを受けた国会議員達は、その責任を追及すべく、内閣不信任案を纏めようと臨時国会の召集を要求しているところであった。




