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常國戦線  作者: cowori
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2035年

時は過ぎて2035年7月。


夕張遺跡の施設をそのまま使い、常國は防衛システムを構築していた。

それは、ミサイルは勿論、敵対する如何なる物も人も侵入する事は出来ない、結界の様なものであった。


運用し始めたのは、遺跡発見後間もなくであったが、それが世界中に知れ渡ったのは、今年の2月であった。

ロシアとの緊張を高めた中国が、ロシア戦の前哨戦として、国防力の低い親ロシア國の常國にミサイル攻撃を仕掛けたのだ。


だがそのミサイルは、ある境界を通過すると急に推進力を失い爆発すること無く落下した。

巡洋艦も戦闘機も、小さなボートでさえも同様であった。


迎撃では無く、無効化である。


これは世界中を震撼させた。核保有國である常國が、相手国の攻撃を無効化するという事は、敵国にとって致命的だからだ。


中国はあらゆる手を尽くして、常國を攻撃しようとしたが、その隙をロシアに突かれる事となる。現在、手痛い負け戦を繰り返している状態だ。


古代の叡智を防衛にのみ使用する。石黒が、遺跡の技術の扱いを熟考した上で出した結論であった。


勿論、この技術は日本にも渡されて、密かに稼働している。戦略核をも無効化するシステムは、世界のパワーバランスを破壊するものであった。


だが、この完璧と思える『防衛結界』も、万能では無い。内戦や戦闘を伴わない内側からの侵略には弱いのだ。


確かに時代は変わったが、愚かな人類は戦術を変えて争い続けて行くのであった。




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