震源地
「あの辺りが一番酷いな。」
俺と宮川は、震源となった夕張市上空をヘリコプターで飛んでいた。あちらこちらで地滑りが起こり、土砂で木々が薙ぎ倒されている。
その中でも、一際大きく山の一角が抉れ、地滑りでは無く陥没穴になっている場所があった。この辺りは昔の炭鉱群があり、その崩落による陥没穴の可能性が高い。
「地震発生源との直接的な関係は無いかもな。ガスが噴き出しているような感じでもないが、近付くなら警戒した方が良いぜ。お前のタバコが原因で死ぬなんて馬鹿らしいからな。」
本震から一週間、余震も収ってきているが、油断は出来なかった。この炭鉱が廃鉱にされた原因の一つは、相次いだ炭鉱内でのガス爆発だった。何層もに掘られた坑道がその度に崩落して多くの炭鉱夫が犠牲になったのだ。
「お?宮川、あそこ…なんか変だぞ?」
「…行ってみるか。」
崩れた山肌に、石で作られた人工物らしきものが見える。俺達はヘリを降りて、その場所の調査をすることにした。
慎重に地面を確認しながら山を幾つか越え、巨大な陥没穴に辿り着く。
長く伸びた地割れが、その周囲を囲む様に広がっていて、中には底の見えない程に深いものもある。
「この坑道の見取り図だと、やはり坑道の崩落が原因の穴のようだな。」
「宮川、あそこだ。」
俺達の位置から百メートル程先に、目的の人工物が見えた。
「あれは、何かの入り口か?石を組んであるから、坑道とは思えないが…。」
近付いてみると、先ずその大きさに驚く。それは4メートル程の巨石で組み合された建築物であった。




