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怨嗟
「宮川…殺すのか?」
「…ああ、そうだな。」
「…まだ子供だぞ?」
「ああ…そうだ。」
宮川の目には感情の色が無かった。その人生を通して、命のやり取りをして来た男の目だ。
「俺はな、こいつの話を聞いてみたいんだ。一人で俺達を殺そうとした、その理由が知りたい。殺すのはその後でも良いだろ?」
「…ふん。子供だからと、情でも湧いたか?」
「まあ、それもあるな。」
「…良いだろう。」
宮川は、肩を竦めて構えた短刀を下ろした…そいつの右手首を斬り落としながら。
「ぎゃーー!!」
吹き上がる鮮血と、山々に響き渡る甲高い叫び声。
俺は素早くそいつを抑え込み、取り出したハンカチできつく止血をする。
俺の腕の中で、ぐったりと力を無くした少女は、余りの激痛に失神したようだった。
「お前なぁ…」
「言っておくが、子供だからと情をかけるなど、愚かな事を考えない事だ。その甘さが、お前の大切な人を殺すと思うんだな。今のこいつは十分に人を殺せる能力がある。その事を忘れるな。」
宮川はそう言ったきり、一人焚火に向いて黙り込んでしまった。




