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常國とは
「どうだ?何か分かったのか?」
俺は、御神事が終わってから押し黙る二人に、流石に痺れを切らしてしまった。
「どうやら私が思ったよりも、事は深刻なようです。」
石黒は眼鏡を外して、曇ったレンズを拭いた。
「八年前に行われた、神々の國譲りはご存知ですね?」
「勿論だ、天照大御神から國常立尊大神へと代わられたと聞いている。それと共に、連なる神々も全てお役目が代わったのだろう?」
「その通りです。そして、祠の女神様はとても古い神様です。貴方と在った時代は、天孫降臨以前でしょう。」
「そうだな…その辺りは分かるよ。」
「宜しい。それでは、常國の本来の役目もご存知ですね?…常國とは、古き神々の目覚める土地。そして、新しい神々が生まれる土地です。この世は現し世ですから、神世の出来事が反映されるまで時間が必要です。そして、現し世の人間の中には神々の國譲りを受け入れない者達が多くいるのです。北海道の山林や水源地を買い漁っていたのは、中国政府では無く、その國譲りを受け入れない者達でしょう。」
「…それは、不味いな。」
「なあ、太陽の巫女の夢に出た沢に、案内してくれないか?どうもさっきから嫌な感じがするんだ。」
「そうだな…車に乗ってくれ、この山の裏手に回る。」
俺達は目的の沢を目指し、祠から更に奥に続く細い林道を進んで行った。




