守り人
「なあ石黒…水道直さないのか?」
俺は、石黒、宮川と共に何時ものクルーザーで沖まで来ていた。
「そう、それなんですよ。何だか水絡みの事業が進みません。お二人は何か受け取っていませんか?」
「進まないとは…ああ、なるほどな。今は特に受け取ってはいないが、宮川はどうだ?」
「俺も特に無いね。」
「最初は、中国の工作かとも疑ったんですよ。でも、そもそも、我々の復興を妨げる理由が無い。」
「巫女さんは何て言ってるんだ?白の魔女さんとかにも相談したのか?」
「はい、だからお二人をお呼びしたんです。彼女達は口を揃えて、その役目はあなた達お二人だと言っているんですよ。」
「俺もかよ、巻添えにされたな。」
宮川は横目で俺を見て、「これは一つ貸しだぜ?」と、肩を揺らして笑い出す。
「石黒、以前女神様の事を話しただろ?俺が組織に入る切っ掛けになった話さ。」
「はい、勿論覚えていますとも。名もしれぬ祠の女神様からの御神託を受けたと聞きましたが…。」
「その御神託には続きがあってな。『水を守りなさい…女性を護りなさい…戦いなさい…侍になりなさい…』と言われたんだよ。だが、未だにそれが何を指してるのかは、さっぱりだ。」
「なるほど、そうでしたか。」
石黒は顎に手を当てて、暫く考え込んでいたが、
「今がその時かもしれませんね。明日、その祠に行きましょう。」
やれやれ…どうやら、いよいよ本戦が始まろうとしている様であった。




