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影たち
混乱が続く中で、驚くほどスムーズに人々を纏めている集団がいる。
彼等は、ただ単に難民を受け入れる訳ではなく、最低限の形を整えると、難民たちにその場を明け渡して次のキャンプを作って行った。
都市部からの物資の流れを作り、人の流れを作って行った。
滞っていた全てが、再び流れ出す。
何もかもが十分ではないが、次第に各自がそのコミュニティでの役割を持ち始めると、不思議と理性的に思考できるようになるようだ。
「さてさて、お節介もこの辺にしておこう。そろそろ札幌も動くだろ。」
「旭川の辺りも、魔女さん達が上手くやってるみたいだな。ここから先は俺達の仕事じゃないよ。」
オフロードバイクに乗る冴えないサラリーマン風のオジサンと、頭にタオルを巻いた作業服のオジサンの二人組。
作業服は、くわえ煙草をふかしながら可笑しそうに
サラリーマンを見て言った。
「なあ…お前、何でこんな時にもスーツ着てるんだ?」
「これが俺の戦闘服なんだよ。ルパンだって次元だってスーツ着てるだろうが。」
「はははっ!んじゃ、禁煙なんかやめちまいな!」
作業服の吹きかける煙草の煙を避けるように、サラリーマンはバイクを走らせた。
暮れかけた国道を、2台のバイクが駆けていく。
北海道侵攻から、既に半月が過ぎようとしていた。




