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常國戦線  作者: cowori
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難民

ロシア軍の更なる侵攻を恐れて移動する人々の車が、列をなして国道を埋め尽くしていた。


ロシアによる北海道侵攻から4日目。

ロシア軍は宗谷地方、網走北見紋別地方、釧路根室地方を制圧し、進軍を止めている。無謀な民間人との、戦闘とも呼べないような衝突はあるものの、各自治体の首長を軟禁して実行支配を進めていた。

その勢力圏内では厳しく移動が制限され、もちろん入ることも出ることも叶わなかった。

難民となっているのは、運よく逃げ出せた人々と、更なる侵攻を恐れて移動する人々だ。

一向に進まない渋滞の中で、痺れを切らして車を捨てて移動する人たちが出てくると、放置された車が更に道を塞ぐという悪循環が起こっていた。

それらの人々に、炊き出しや仮の寝床を提供する自治体や個人もいるが、数万人の難民を受け入れることなどは到底無理な話であった。

日本人は災害時のモラルが高い…東日本大震災の時に世界を驚かせた美談は、実は極一部での話でしかない。嘘ではないが、真実でも無い。ただの情報操作だ。

実際には、窃盗、強盗、強姦などの無法者が多くいたのだ。


次第に住民と難民の間で争いが起こり始める。


食べ物がない、暖が取れない、寝床がない、薬がない、水がない…。


この状態が数カ月から数年続く。道外からの支援は無い。来月には最低気温が氷点下になる。


送電網、通信網が破壊されている現状では、自治体同士の連携も満足に取れていない。主要道路も使えない。海路は封鎖されている。勿論、制空権などあるはずがない。


全てが飽和した日常から一転して、無い無い尽くしの厳しい冬が迫って来ていた。



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