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【GAMEWORLD ONLINE】極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー  作者: Kazu―慶―
第2章【G-1グランプリ予選】編

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第18話④~大人としての責任~

 ――バリィィィィィィン!!!




 不屈を誇った鴨川のメタルウォールが、ガラスの如く粉々に砕け散った!!




 ☆




「あれ? あの人のキャラ、ピヨピヨしてるよ!」




 控え室で仲間と共に観戦しているみのりが可愛く表現したが、正確には『混乱状態』である。ガードを破られた際に発生する特殊エフェクト、【ガードブレイク】だ。




 ――ほら、みのりちゃん。皆に説明するんだからプレイギアの「G-バイブル」を開いて!




「えっ、私が紹介するんですか!?」




 第四の壁が無いこの世界では、語り部である私と登場人物が共同でお仕事をするのである。




 ★【ガードブレイク】★


 ガード中の相手に攻撃を叩き込み続けると、防御の限界を超えて壁が砕け散る。その反動でプレイヤーは一定時間、一切の行動が不可能となる。


 ―G-バイブル『かかってこいや格ゲー上等』より抜粋―




 ☆




「だからなんだ! ガードを破ったくらいで勝てると思うな!!」




 混乱状態で硬直する鴨川は必死に立て直そうとするが――豪樹の追撃は止まらない!!




「この勝負、ワイの勝ちや。――プレイヤースキルも要らん、ピヨってる間の2秒で充分や!!」




 次の瞬間、指先から放たれる連続必殺コマンド!!


 パンチボタン連打の【流星群パンチ】から、レバー1回転+キックの【大車輪ストームキック】へ繋ぎ、そしてラストは――!!




「止めの必殺コマンド、【パワーブラスター】ッッ!!」




 コンボが成立している間、防御は一切不可能。その隙を突いた完璧なノックアウト。豪樹は鴨川を形勢逆転で叩き潰した!!




「豪樹さ~ん! カッコいい~!!」


 控え室から剣たちの声援が飛ぶ。リモートの声は届かずとも、その熱意は画面越しの豪樹に伝わっているはずだ。




「―――おおっと! まだゲームは終わってへんかったな!!」




 鴨川との激戦に目を奪われていたが、まだ100人組手の最中だ。気を引き締め直し、豪樹は残りの敵を掃討しにかかる。




 だが―――!!




「……何が道が開けるだ? 何が精神一到だ! 口先だけで偉そうに……人の気持ちも知らないくせに……!!」




 恨みに燃える鴨川の手には、小型のリモコンが握られていた。


 残り5人。奮闘する豪樹の背後から、あの鉄の高速ドローンが音もなく忍び寄る!!




「大人なんて、大嫌いだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」




 叫びと共に、豪樹の頭上へ無数のドローンが降り注ぐ。




 ―――ヒュンッッ!!




「なぁ……っ!??」




 豪樹はモニターを見つめたまま、背後から迫るドローン群を、鋭い手刀一手ですべて叩き落とした!!




 同時にゲーム画面でも、最後の一人を撃破するフィニッシュ演出が重なる。そして――!!




「バカヤロォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォーーーッッ!!!!!」




 ――バキィィィィィィッッ!!!




 対戦終了直後の刹那。鴨川の顔面に、豪樹の渾身の鉄拳が突き刺さった!!


 これこそが……本当の決着だ。




『――100の鉄拳の頂点に降り立ったのは、高橋豪樹! ㈱ブロックNo.1を勝ち取りました!! その熱がリアルに伝播したのか、血まみれの額にリアルファイトも交えての極限乱闘。これにて終結です!!』




 実戦さながらの喧嘩を、強引に実況でまとめ上げる新垣治郎の手腕は見事というほかない。


 勝利した豪樹は、崩れ落ちた鴨川の傍らに歩み寄った。




「ワイら大人がもっとちゃんとしてりゃ、お前もこんなに捻くれんで済んだんかもしれんな……。――こいつの将来に響くかもしれんが、責任はしっかり取らせてもらうで。【大人】としてな!!」




 ☆




 試合終了からしばらく経っても豪樹が戻らないため、メンバーは心配して会場裏を探していた。




「ったく、どこ行ったんや? 豪樹さん」




 剣たちが管理室付近に差し掛かった時、みのりが通路の先を見て絶句した。




「ちょ……ちょっと、皆!! あれ見て!?」




 そこには、数十人の工作員たちが殴られた跡を残して折り重なるように倒れていた。廊下を埋め尽くす惨状に一同は息を呑む。




「え、何これ……殺人現場??」




 ちょっと、ゲーム小説を急にミステリーに変えないでください!




「――おぉ、丁度ええ所に来たな」


 死屍累々の廊下の中心に、豪樹が悠然と立っていた。




「ま、まさか豪樹さんがやったんじゃ……!?」


 レミが怯えながら尋ねる。


「アホ、殺すわけないやろ! ブラックヘロンの工作班を少しお灸を据えただけや」




 ……いや、これでお灸のレベルなんですか!?




「工作班? まさかブラックヘロンの仕業だったんですか!?」


「そうや槍一郎。さっき3rdゲームでハッキング野郎を追ってた時、ここの個室から妙な電子音が聞こえてな。ビンゴやったわ。こいつらが束になって、プレイヤーたちに反則を仕掛けてたんや」




「でも、ここまでしなくても……」


 みのりが倒れた男たちに同情の眼差しを向ける。




「……いや、これはワイら大人の責任や。理不尽な環境に怒る若い奴らの心に気づけなかったツケが、ブラックヘロンを生んだんやとワイは思う。だからこそ、ワイが奴らを叩き潰す。剣たちみたいな未来あるプレイヤーに道を作るのが、ワイら大人の宿命なんや!!」




 その言葉を、剣たちは真っ直ぐに受け止めた。


 混沌とした時代の中で、迷いのない信念を持つ大人に出会えた幸運を、剣は噛み締める。




「……豪樹さん。俺、あなたのような大人に出会えたことを誇りに思います。これからも俺たちはあなたの教え子として、恥じない心を持って強くなります! だからこれからもご指導、よろしくお願いしますッッ!!!」




 剣は深く、最敬礼の姿勢で頭を下げた。




「……おう、バリバリしごいたるからな!! ――これからも気張りぃや!!!」




 剣たちは希望を胸に、一足先に控え室へと戻っていく。


 彼らにはまだ4th STAGEが、そしてその先にある『未来』が待っているのだから。




 豪樹もまた、次なる戦いを見据えて一歩を踏み出す。




「ワイも剣たちもまだ道の途中や。あいつらが『マスターオブプレイヤー』になるのを見届けるまで……ここで立ち止まるわけにはいかへんで――!!」


★4th RESULTS★


 ☆シャッフル(各ブロックでの順位にて)


 ・桐山剣:5位(50pt)→ 計322ポイント


 ・天野槍一郎:8位(30pt)→ 計359ポイント


 ・畠田レミ: 3rd負傷の為、今回のみ一時棄権→計432ポイント


 ・高橋豪樹:No.1(100pt)→計305ポイント


 ・河合みのり:38位→計109ポイント

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