第18話③~精神一到何事か成らざらん~
「うちの工作班が、あんたみたいなおっさんに狙われているって通報が3rdゲームの時にあったんだ。ゴツい巨体が特徴って言うから近づいたが、どーりでデケェ訳だ。木偶の坊みたいでさ!」
レミが狙われた3rdゲームのテトリスの際、ブラックヘロンの工作班を追いかけていた豪樹。その巨漢ゆえに、敵の同胞に存在を察知されていたのだ。
「へぇ、流石にあんな大騒ぎしてりゃバレるか! だが、調子に乗るのも大概にせえよ!!」
豪樹が額に青筋を立て、さらに追撃の威力を高める。しかし、それでもダメージは通らない。
「しつこいっつってんだろ!」
次の瞬間、豪樹の周囲を正体不明の飛行物体が飛び交い、その顔面目掛けて突っ込んだ。
――ゴスッ!!!
「ぐッ――!?」
鉄塊で殴られたような硬い衝撃。それが超高速で激突したのだから、威力は凄まじい。
「な、何や!?」
豪樹の額から血が滲む。四方八方から襲い来る物体を避けながら、必死にゲームを進める。
「ありゃドローンか? ごっつ邪魔やな、お前が仕込んだんとちゃうか!?」
「何のことだ? ほら、よそ見してるとこっちの方がやられるぞ!?」
鴨川は白々しくシラを切る。会場に違和感が広がる中、なぜか主催側からの制止は入らず、ブラックヘロンの成すがまま。この暴挙を、プレイヤーたちはただ見ていることしかできないのか――!?
………いや、そんなことはない!!
「なぁ、あんちゃん……過去に大人に虐められた経験とかあんのか?」
豪樹が静かな口調で問いかけた。
「はぁ!? それがどうしたってんだよ!!」
過剰な反応を見せる鴨川の様子は、図星であることを物語っていた。親からのDVか、あるいは別の理不尽か。真意はさておき、豪樹の言葉がやさぐれた心を貫く。
「親に虐められたとかなら同情するが、問題はその後や。理不尽と戦わず、自分で何とかしようともせず、すぐに他人のせいにして現実から逃げる。陰気な輩には大概そういう奴が多いんだが……お前のは典型やな!」
豪樹はさらに言葉で畳み掛ける。
「なんだなんだ、今度は説教か!? これから負けを宣告されるあんたに、説得力があると思ってんのか!!」
鴨川が逆上して攻め立てる。ゲーム内の猛攻とドローンの強襲、二つの脅威が迫る中でも、豪樹は冷静にかわしていく。
――ガシッ、ガシャン!!
それどころか、豪樹は高速で特攻してくるドローンを素手で鷲掴みにし、床に叩き落とした。鉄の凶器すら、彼にとってはハエ同然だというのか!?
「まぁまぁ、そう言わずに! そんな青二才に二つ、良いことを教えてやるよ!!」
「何――!?」
「まず一つ目や。ある諺に『精神一到何事か成らざらん』ってのがあってな。意味は【強い意志を持って事にあたれば、成し遂げられないことはない】という教えや。――心の鍛え方一つで、道は切り拓かれる! お前みたいに妬み恨みで自分から動かない奴に、道は拓けへんで!」
この教えは、かつて豪樹がシャッフルのメンバー全員に諭したものだった。だからこそ剣もみのりも心を鍛え、今この場に立っているのだ。
「それと二つ目!!」
言い放つと同時に、豪樹はキックボタンを猛烈に連打! 連続キック技【ガトリングレッガー】を炸裂させる!
「なっ――!?」
通常のコマンドならオートガードで防げたはずだ。しかし、鴨川が狼狽えた理由は別にあった。
豪樹が凄まじい速度でボタンを叩き続けると、鴨川のチートプログラムによるガードエフェクトが激しく点滅し、ついに限界を迎えようとしていたのだ。
「『壁』ってのはな……壊すためにあるんや!!!」
止めの必殺コマンドが入力される!
『←』『↓』『↑』と、レバーが瞬時に弾かれ、強パンチが叩き込まれた!
「必殺コマンド、『デストロイヤー・ナックル』!!!!」
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次回もゲームウォーリアーをお楽しみに!!




