第17話④~バック・トゥ・バック!!~
『全ブロック、約五万人のプレイヤーがあっという間に6000人程に絞られていきました!!
第3回戦、さらに強力なプレイヤー達がウイルスプログラムを飛ばし合い、激しさを増すなかで、次に進めるのは一体どのプレイヤーなのでしょうか!?
――さぁ、各ブロック次の生き残りは10分の1! 10人になるまで足掻け、生き残れ!!』
シャッフルオールスターズ、畠田レミ含め3名が生き残った第3回戦。 だが、その栄光を阻まんとブラックヘロンがレミに矛先を向ける。
レミのいるブロックには既に50名。その過半数がブラックヘロンの差し金として彼女を狙っていた――!!
『―――GO!!』
第3回戦、先程の戦いと比べても非常に速いペースでテトリミノが積まれていく!!
開始から10秒も経たないうちにウイルスプログラムを出す者や、反撃を構えるプレイヤーもいるが……何だ!? この光景は!!?
「な……何よこれ―――!?」
控え室から対戦の模様を観察していたみのりは驚愕する。
レミのいるTブロックでは、レミ目掛けて過半数のプレイヤーがラインを繋げ、全方向から集中攻撃を仕掛けていたのだ!!
必死でその攻撃を抑えようとするレミ。だがそれを止めるためには、強力なウイルスプログラムと、臨機応変なタクティクスが肝心となる!!
(――やっぱりこれは何かある! ブラックヘロンめ~、よくもあたしを付け狙っちゃって!!)
だがレミはまだ焦ってはいない。むしろ、こうなることを予期していたかのような素振りで対応に移った!!
(……あたしにはわかる! アイツら大したプレイもできないし、センスのなさを数で補ってるだけ。だったら一人ずつ倒して、耐え抜くまでよ!!)
あの猛攻を即座に学習したのか。攻めては守り、守っては攻めてのフォーメーションが抜群に取れているぞ!!
◇◇◇
一方、会場を離れて管理室付近にいるのは豪樹。ブラックヘロンらしき人物が居ないか確認をしにきていた。
「……何やこれ?」
豪樹は立ち入り禁止の個室付近の床に、USBメモリのキャップを見つけた。
「何でこんな所に――?」
豪樹は直感的に怪しいと睨んだ。ゲームワールドでのゲーム管理に物理的なUSBは使わない。即ち何者かが、外部端末を使って遠隔操作を試みたと推測したのだ。
そして豪樹がキャップを見つめていた一瞬、背後に微かな人の気配を感じた――!!
「――誰や!!」
豪樹に気付かれた人影は、反応を示すなり一目散に逃げ出した。豪樹もすぐさまそれを追いかけていく。
◇◇◇
打って変わって会場では白熱したプレイが繰り広げられていた。
『先程からテトリス殿堂入りプレイヤー、畠田レミに執着していたプレイヤー達も徐々に数を減らされており、レミの戦況独占状態に入っております! 何という集中力だ!!』
「へへ~んだ! 何人束ねてもあたしの敵じゃないわよ、それっ!!」
レミは一気にケリを付けるが如く、渾身のテトリスを叩き込む。それは心なしか、普段よりも強烈なパワーを秘めていた。
『―――出ました! 相手への攻撃を5段分上乗せするプログラム『STRIKE』!!
そして更に攻撃力を跳ね上げるテクニック、【Back to Back】だ!!!』
新垣の実況が響き渡ると共に、お馴染みのG-バイブルが画面に躍り出る!!
★【Back to Back―バック・トゥ・バック―】★
テトリス(4ライン消し)やT-Spinによるライン揃えを連続して行うとBack to Backとなり、通常よりも強力な攻撃を送ることができる。
この効果は、テトリスかT-Spin以外のライン揃えを行うまで継続する。
―G-Bible『テトリス・これを覚えれば天下統一』より抜粋―
天を貫くが如く、一気に敵のブロックを押し上げた!!
Tブロック、フィニッシュ! 畠田レミ、未知の敵による奇襲を乗り越えて準決勝進出!!
(――絶対に負けられない! 剣くん達と築いた『殿堂入りプレイヤー』の誇りに懸けて!!)




