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【GAMEWORLD ONLINE】極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー  作者: Kazu―慶―
第2章【G-1グランプリ予選】編
66/310

第15話③~切り札騎士・桐山剣、舞う!!~

【ゲーミングチーム・シャッフル応援歌

『さぁ行け! 切り札軍団』】

♪通天閣の幸受けて

鍛えし刃勇ましく

勇者よ集い颯爽と

栄光目指し旗掲げよ(ソレ!)

さぁ行け無敵の切り札軍団

さぁ行け虹色切り札軍団

我らの我らのシャッフル騎士団

  『―――さぁ、Φ(ファイ)ブロック大トリ、大一番! 円卓騎士の如く鮮やかな剣先で制した者、或いはドーピングでもしたかのような強靭なパワーで弱者を圧倒した者。どちらが強いか、レッド&ブルーの舞台でホワイト&ブラック、白黒はっきり着けようじゃないか!! さぁ、出てこいやァァァァァ!!!!』


 1st STAGEゲームの締め、決勝戦に相応しく登場した実況の新垣治郎(あらがきじろう)の掛け声と共に、剣と妻夫木が同時にフィールドへ駆け上がった。

 妻夫木の胸元にはプロテクターの隙から銀鎖がチャラチャラ、シルバーアクセサリーが怪しく光る。


「これが最後の勝負です! プレイヤー共に、礼!!」


 審判の掛け声で作法に乗っとり一礼。

 しかし片や妻夫木は、礼儀作法のへったくれも無し。やる気も無いわ、半分ふざけた態度。これには騎士道精神の剣の癪に触った。


「随分余裕ぶっかましてへんか? チャラチャラネックレスのあんちゃん」

「ったりめーじゃんかよ? どーせ俺が勝つし? お偉いさんが真面目なプレイヤー全員をぶっ潰せって言われてるしよ。こーしてペコリしてんだろがよ、有り難く思え!」


 この時、剣の眼が見開き、瞳孔が開いた。

 妻夫木がプレイヤーを潰すという宣言を堂々と言い切った故に、明らかにブラックヘロンが仕掛けた刺客であることを見破った剣。更に人を煽り、卑下していくふざけきった態度に静かな怒りが湧き上がった。


「……そうかい。じゃ、その腐りきった性根ごとみじん切りにして豚汁の具にしたるかんな。覚悟せぇや!」


 煮込めば物凄い灰汁が出そうな気がしますが……いやいやそれはさて置いて。妻夫木を即粛清対象に認定した剣。両者フィールドの待機位置に並び、電光竹刀を構える。


「一本目……、始めッッ!!」


 開始と同時に先手必勝、剣が素早く仕掛ける! しかし妻夫木は剣の突進する竹刀を払い除けるように、一振り払った瞬間――!


 バチィッッ!!!


「なっ――!?」


 妻夫木の竹刀によって振り払われた剣の竹刀。そのグリップ部分、即ち刀で言う『(つか)』から両手・両腕に掛けて高圧電流にも似た物凄い衝撃が迸った!!


(な、何や、今の反動は?! あんなん今までの試合で味わった事あらへんがな!!)

 剣が電圧による痺れに怯む間もなく、妻夫木は上段に構えて次の攻撃を仕掛ける。


「オラァ、次行くぞナマクラァァァ! ――必殺『電流地獄の滝』ッッ!!」


 大きく振りかぶった妻夫木の竹刀が上から流れ落ちるように、絶え間ない連打をかましていく!

 まさにナイアガラの滝……いや、これこそがチートアイテムの無せる技。

 ブラックヘロンが事前に竹刀に仕掛けた改造コード【BH Bat.(ビーエイチバッチ)】によって強化された電流の滝行が、剣は苦しめられる! そして……


 ―――バチィィィィィン!!!



 猛攻に耐えきれなかった剣は頭部の点滅されていたボタンに攻撃を許してしまう。オーロラビジョンから一本を取ったというホワイトランプが点灯された。


 ◇◇◇


 一方控え室では、オールスターズ全員で剣の決勝戦を見守っていた。槍一郎はプレイギアを片手に、会場の剣と応対を取っている。

 公式大会ルール上、ゲームに妨害せず応援程度ならイヤホン等を通じてプレイギアとの通信は可能だ。


『剣、どうした? 奴から何か違和感でも感じたか?』


 剣はそれをプレイギアに、Bluetooth(ブルートゥース)で繋げたマイクとイヤホンで小声で応対する。


「……あぁバリバリ感じた。強い電流に強烈な振動、小細工だらけや」

『そんな! じゃ審判さんに伝えないと』

 槍一郎のプレイギアを横から聞いていたみのりが叫んだ。


「いや、アカンわ。運営でも見抜けてないあの刀を改造させている証拠が掴めてへんねん。報告した所で白を切られて不利になるだけや。ホンなら、奴の鼻を明かす方法はただ一つ。


 ――勝って、不正なんざ怖かねぇって証明してやらぁ!!」

 ”正々堂々“の意味を知らないブラックヘロン等恐るに足らず! メラメラと燃える闘志を露わにする剣は、一旦通話を途切らせて、試合の方へ意識を集中する。


「どうしよう、あんな強がり言ってるけど……あたし達じゃ何も出来ないのーーっ!?」

 レミも非力な自分に対し、悔しそうにじたばたと地団駄を踏む。


「……いや、剣は一度掴んだチャンスは死んでも離さない男だ。最後まで諦めない奴が、切り札に愛されるとか彼は言ってたが――本当にそうかもしれない。彼は一ミリも諦めた顔をしていない!」


 仲間達は今は見守ることしか出来ない、応援する事しかやれないかもしれない。

 ――だが、『剣ならきっと大丈夫!』と思う気持ちは不安ながらも全員が胸に秘めていた。


 ◇◇◇


「おー、痛ぇ。頭に電気とか目覚ましにしても嫌やわ。だが、コツは掴めた!」

「はぁ? 一本決められて何を強がってんだ。このまま決めさせてもらうぞナマクラァ!!」


「うるせぇ、ナマクラだかカマクラだかほざいてねぇで、ケリつけたろやないか!!」

 再び両者、待機位置へ。先程よりも剣の眼光は強くなる一方、ヘラヘラと浮かれ気分に煽るは妻夫木。真の強者は誰か、次の一本で証明される。



「――――二本目、始めッッ!!」

 コールと同時に妻夫木、再び上段構えで『電流地獄の滝』の体勢に入る。


「これで終わりだ、電圧の滝に飲まれてしまえ!!」


 なだれ込む電圧滝、凄まじい反動と電気地獄が剣に降り注ぐ!

 しかし剣、一本目と打って変わって体勢は片膝を地につけて、もう片方を軸に立てながら力強く耐えている。まさにナイアガラに抗う鮭か鯉のように、滝の流れを読んで、上へ飛び出すタイミングを伺う剣。

 反動の乱れ、電圧への痛みに慣れて、竹刀の連打の隙を狙う!


「ワンパターンやな、お前。一度滝で流されたなら……登り切るまで抗うまでや!!」


 妻夫木の頭部のボタンが光り始めたその瞬間。竹刀を振り下ろした所を見切り、一気に妻夫木の頭上を目掛けて、剣が飛び上がった!!


「なっ……?!」


 ――この時、剣のプレイヤースキル【エース・スラッシュ】が自動的に発動された!!


 ★【エース・スラッシュ】:プレイヤーは1ゲームに一度だけ、攻撃を確実に決めることが出来る。



「チートプレイ破れたりッッッ、10万ボルトの滝登りや!!!」



 滝を昇りきった剣が天高く舞い上がり、憎きあんちくしょうの滝を切り裂く!!


 ――――スパァァァァァンッッ!!!!

 一本確定、ホワイトランプが鮮やかに舞い上がった!!

 ルームから控え室まで歓喜の歓声が響き渡り、その波に乗って仲間一同も大盛り上がり。


「いっちょアガリぃッッ!!」


 剣も一撃が決まってガッツポーズ、だが安心するのはまだ早い、最後の三本目が待っている。剣も油断せず竹刀を構える。さて、一方の妻夫木は――?


「そんなぁ……こんなのあり得ないぃぃ、酷すぎるよぉぉぉおおおおお」

「……はぁ??」


 敵の豹変ぶりに剣は呆気にとられる始末、先程の一本で一気に戦意喪失した妻夫木。

 余裕ぶっこいてた生意気な面から一変して、泣きべそ描いている幼稚園児みたいに成り下がっていた。


「三本目、開始!!」


 開始しても妻夫木は足が震えて、竹刀の握りに締まりが無くなってだら()()()、だなんて洒落が通じる程に茫然自失。涙目になっている妻夫木は終いに駄々をこね始めた。


「俺ずっと勝ってたじゃん、負けた事なんかないじゃんか! どんな手段でもやっても良いから、あのチートバッチつけてやったのに負けたじゃんかよォォォォォ!!

 何だよあの野郎も『入れば彼女出来る』とかでたらめ言いやがって、ブラックヘロンに入りゃむさ苦しいオッサンばっかで会議ばっかしやがって――」


 そんな妻夫木の無様な姿に、剣は呆れを通り越してイライラし始めた。


「……しょーもない、ホンマしょーもなさすぎるわ」


 剣は戦意の消えた妻夫木にノーガードで詰め寄り、震えている手先の竹刀を剣の竹刀で振り払う。

 妻夫木の竹刀は地面にこぼれ落ち、その衝撃で剣先の部分にヒビが入った。そこからポロリと、黒いチップが零れ落ちていった。

 そして剣が妻夫木に近づき、囁く。


「駄々こねてる暇あるなら、テメー自身の腕磨いてからにしとけ。そのフニャチン根性を俺がしごき直したる!!」

 その時の妻夫木の頭のボタンは光っていた。その瞬間、剣は竹刀を上から大きく振りかぶって……!



 ――ッパァァァァァァン!!!!


  「……………キュウ☆」


 妻夫木の頭部ボタンに渾身の脳天唐竹割り。その衝撃で妻夫木は倒れこみ、気絶した。



『…………行ったァァァァァァァ! Φブロック決着、No.1は言わずもがな、桐山剣だ!!

 正に月とスッポン! チャンバラの天下は『剣』の名に相応しいこの男に決まりだ!!』


 実況の新垣は呆気ない結末に、若干誤魔化しながらも強引に決勝ムードに雰囲気を変えた。

 それもあってか剣に盛大な拍手と歓声、更には剣の名を連呼コールと注目度を一気に上げていった。


 生まれて始めて公式大会に出て、ゲームでNo.1を勝ち取った剣は、満身の笑みを浮かべて喜びに浸っていた。


(気持ちえぇなぁ……! ただ黙々とゲームに勝つとは訳が違う。みんなに褒められて、チート野郎もしばき倒せて――――最高の気分や!! ………ん?)


 歓喜に浸る剣はふと、壊れた妻夫木の竹刀に仕組まれたバッチに気づき、手にとって確認した。


(おおっと……?)

 ブラックヘロンによるゲームワールド管理崩壊、電脳空間の治安を仇なす根元。名付けて『BH Bat.』を怪しんだ剣は、それを手に持ってポケットにしまった。


「こんなもんの為に、俺達の居場所(ゲームワールド)を潰されてたまるか。もう一つ言わせて貰うが、俺はナマクラじゃねぇ……!」


 そしてフィールドを離れる間際に、剣は気絶した妻夫木もとい何処かに隠れているであろうブラックヘロンの幹部に向けて大声で叫んだ。



「――――俺は【切り札騎士エースナイト】。俺がゲーム戦士である為に与えられた、俺の矜持(プライド)や!!!」



 □□□


 ★1st(ファースト) RESULTS(リザルト)

 ☆シャッフルオールスターズ

 ・桐山剣 結果 ΦブロックNo.1 100ポイント

 ・天野槍一郎 結果 Σ(シグマ)ブロックNo.1 100ポイント

 ・畠田レミ 結果 Tブロック 32位 5ポイント

 ・高橋豪樹 結果 ㈱ブロック No.1 100ポイント

 ・河合みのり 結果 Ωブロック 8位 30ポイント

今回からちょっと多忙になりまして、更新ペースも遅くなりましたが…最低でも1週間以内にお届け出来るよう貢献致します!!


次回、第16話。2ndSTAGEはシューティングバトル!!操作するのは…自分自身!?


お楽しみに!!


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