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【GAMEWORLD ONLINE】極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー  作者: Kazu―慶―
第1章【シャッフル・オールスターズ編】
40/310

第9話①~『パズル』はお好き?~

『名誉』、『宿命』、そして『限界への挑戦』!

プレイヤーの数だけゲームに賭ける思いはそれぞれ!!


己の実力に全力を尽くす一人の少女に、剣よその勇姿を見届けよ!!!


第9話、ゲート・オープン!!!

 ーー前回、ギャラクシーにて白熱したエキシビションマッチが行われた。


 そのエキシビションマッチとは、『ビッグウェーブ』の経営者・高橋豪樹(たかはしごうき)との白熱のVR格闘ゲーム。そのマッチを制し、また一つゲーム戦士として成長した桐山剣(きりやまつるぎ)は今……


 猛烈な()()()に襲われていた!!


 ◇◇◇


「いててて……あー全身痛ぇ……」


 決戦の翌日。日曜日だったから良かったにしろ、戦いで無理した分、高校生の肉体に限界がきていた。


「無理もないわよ。30kgもあるスーツ着て、あんなに動き回ったんだから……」

 桐山家に遊びに来ていたみのりも、背中をマッサージして労りながら剣の心配をする。


「あぁぁぁぁッッ、ゲームしてぇ!! 腕疲れてコントローラー持てねぇ~!!!」


 剣はムシャクシャしながら、自分の家のベットでジタバタ。そんな彼に見兼ねてみのりは、ある提案を立てた。


「―――じゃ『パズル』はどう?」

「……パズル? 落ちゲーか?」


「そう!それなら体使わないで、頭でゲーム出来るでしょ? 脳トレしよーよ!」


「俺パズルゲーム苦手なんだよ……」

 ゲームになると活発的になる筈が、いつになく今日の剣は弱気のようだ。

 

「あら、珍しいわね。いつも余裕でゲームをしてる剣くんにも苦手なジャンルはあったのね」


 別にパズルゲームが苦手だからと言って、剣の()()()()訳ではない。良くて平均の少し上辺りだ。


「余計なこと言わんでえぇねん」


『テトリス』『ぷよぷよ』『ドクターマリオ』と言った上から落ちてくるブロックを積み上げていくパズル【落ち物パズルゲーム】、略して“落ちゲー”のジャンルそのものが剣は苦手なのだ。


「最初のうちは積み方とか、消し方の戦術は知ってるから対処出来るけど、相手が邪魔してくっとどれをどう置くか、ワケわかんなくなるんだよ」


 確かに今までの剣は、相手の出方を見計らい咄嗟の判断で対処する瞬発力はあった。

 しかし、パズルゲームの場合は半永久的にブロックが落ちてくる。最後まで気の抜けない戦略勝負。

 剣のように相手の見方を伺い、速攻で攻めるやり方では厳しいのだ。



「だったら尚更やんないと! 弱点を補えないプレイヤーなんて最強とは言えないわ!」

 みのりは急に口調が熱くなった。


「そりゃせやけど、今やるんか!? 俺筋肉痛だし……」

「ダーメ! 今すぐやるの!! あるんでしょ!? ゲームワールドにパズルの世界が!!」


 何で俺が満身創痍の時に限ってみのりは張り切るのか?と剣は思ったが、身体がボロボロになっても、剣のゲームの熱は収まらなかった。


「……あるにはあるよ。【パズルファクトリー】っつーんだけどさ。落ちゲーも謎解きパズルも、全てのパズルゲームを製造している工場エリアだ」


「じゃ早く行きましょうよ! ほらプレイギア出して!!」

「いや、だから体痛いゆーてんのに……みのりが行きたいだけちゃうんか!?」


 身体中痛い剣をみのりは無理やり引っ張り出し、ゲームワールドに向かった。


 ――――ゲート、オープン!!



 ◇◇◇



 ゲームワールドの最先端パズル工場!!

【パズルファクトリー―PUZZLE FACTORY―】!!


 この工場で生まれたパズルゲームは、プレイヤー達の人智を越えた原理革命の象徴!!

 未知の原理に勝つか、プレイヤーの頭脳が勝つか?終わらない経営目標を前に、工場の倒産は無さそうだ!!!


「ここじゃ毎日1000以上の難題パズルやら謎解きを製造してる。それだけじゃなくて、たまに大会イベントもやって、スコアアタックも用意されているアクティビティな工場や」

「ねぇねぇ剣くん! 私、積んで横列を消してくゲームしたい!! あ、あと連鎖するのも!!」


 こりゃダメだ。みのりちゃんは遊ぶ気満々。剣の特訓なんかコロッと忘れてる。

 でも剣は、無邪気にはしゃぐみのりに物言いする気はないようだ。


「横列の奴なら【テトリス】だな。ほら、巨大な縦スクリーンで丁度盛り上がってるとこ」


 巨大な工場の中に入ると、学校朝礼の整列の如く筐体が並んでいる。

 その中央奥に並んでいたゲーセンのブラウン管型筐体、パズルゲームの王道『テトリス』だ!!


 ◆―――――――――――――――――――――――――――◆

 PLAY GAME No.9

【テトリス―TETRIS―】

 ・ジャンル『パズルゲーム』

 ・プレイヤーレベル:20


 概要・ルール

 ご存知落ち物パズルゲームの代表格!!

 落ちてくるブロック(テトリミノ)を駆使して積み重ねたブロックの段を埋めて消していく。

 80年代~90年代にかけて世界中に広まったゲーム。


 格子の任意の1 - 4段がすべてブロックで埋め尽くされると、その段が消滅し、段数によって以下のように呼ばれ、得点となる。

 同時に多くの段(通常は最大4段)を消去する程高得点得られる(特に4段消しを「テトリス」と呼ぶ)。


 1段消し…シングル

 2段消し…ダブル

 3段消し…トリプル

 4段消し…テトリス


 ・クリア条件……スコア30万点突破

 ・クリア報酬……賞金1万円/スキル・アイテム金宝箱3つ

 ◆―――――――――――――――――――――――――――◆

 

「パズルのセンスを磨くにはこれがセオリーだからな。これだけでも相当な技術が叩き込まれるよ」

 剣はテトリスの筐体モニターを覗きながら呟いた。


「じゃ、私がやっていい?」

「おぅ、良いぜ」


 みのりは席が空いた筐体でテトリスをプレイ。剣も後ろのベンチから様子を見る。

 上から落ちてくるテトリミノを、みのりは着々と積み重ねていくが……?


「おいおい、段に空白出来てるぞ」

「うーん思うようにいかない……」


 テトリミノの操作はレバー式。

 一度軽く動かしてもスムーズに動き、ボタンも左右どっちが回るのか分からない感覚に、みのりの操作も覚束ない。


 しかし、テトリスの基本は分かっているようだ。積んだテトリミノに1、2マス空白を作り着々とラインを消していく基本のやり方。

 不安定ながらもシングル、ダブルと段に空いた空白を丁寧に埋めて消していった。


「良いぞみのり! 落ち着いてるで。欲張ってテトリス狙わないで、少しずつラインを消していけ!」

「う、うん!」


 みのりもこの応援に応えるよう奮闘するが、消せないテトリミノのラインがツケとなって、積み重なりどんどん上段まで登っていく。


「………あーん! もうダメ!!」


 みのりの消したラインは34列。本領発揮できずスコアは4360点。


「バージョンによっちゃ、落とすテトリミノを保留する【ホールド】とか、瞬時に下に落とす【ハードドロップ】つー機能もあるけど、これはそれが無いからな。それでも頑張った方や」

 まだまだ思うようにプレイが出来ず、ショボくれているみのりを剣は励ました。


「……じゃ、剣くんは出来るの?」

「勿論!! ……と言いたい所なんだが、俺落ちゲー苦手なんだってば」

「偉そうな事言っちゃって! 本当は出来ないんでしょ!?」


 ここまで言われたら剣もムッと来た。


「はぁ、言ったな!? じゃ見せてやんよ、テトリス連続出したるからな!!」


 剣の弱点がもう一つありました。

 それは、挑発に対して直ぐにムキになること。


 ◇◇◇


 ゲームスタート!!


 剣はしっかり密着させてテトリミノを積む。そして四段積み重なり残すは4マスの長い空白を作った。


 テトリスを完成させるにはI型(あいがた)のテトリミノのみ! それが来るまでじっくり積み重ねる。


(――来た! I型テトリミノ!!)


「見てろ、みのり! これが『テトリス』だっ!!」


 四段同時消し! 『テトリス』達成!!


「よっしゃ! どんどん行くでー!!」


 ――――ブスッ!!


「あ」


 積み重なったラインの壁に、I型テトリミノが突き刺さりカーソルミス。

 スコアは1万行ったが、消したラインはみのりと変わらず。ゲームオーバー。


「………………グスッ」

 ショックのあまり、すすり泣きの声も聞こえた剣は落ち込み果てた。


「何か、あの………ゴメンね、剣くん……」

「いや、いいです。分かってたんで。あと身体中痛いし……」


 すっかり剣はふて腐れた。それ以前に、彼が筋肉痛で満身創痍なのをうっかり忘れていたみのりだった。


「てへぺろ☆」


 ヒロインスマイルで誤魔化すんじゃないの!

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