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【GAMEWORLD ONLINE】極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー  作者: Kazu―慶―
第1章【シャッフル・オールスターズ編】

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第8話⑥~俺の答えはただ一つ~

 「じゃあ聞かせてもらおか、兄ちゃんが出した答えってのを!!」



 ――ヒュッ


「っ!!」


 剣は豪樹の先手アッパーカットを素早く避け、カウンターを打ち込む。負けじと豪樹も反撃し、激しい打撃戦が繰り広げられる!!




 そして、4ラウンドを超えた決死の攻防の最中、剣は豪樹に『ゲームプレイヤーとして、本当の強さを持つ意味』への答えを叩きつける。






「―――豪樹さんの言う『心・技・体』の三原則!! このゲームを通じて俺の魂にガンガン響きましたよ!




 周囲の雑音や心の乱れに屈しない清き【心】!




 己のアイデンティティーを誇り、鍛冶研磨(たんやけんま)してきた鮮やかな【技】!!




 立ちはだかる壁を越える強靭な【体】!!!




 豪樹さんが求めていた”ゲーム戦士”として、人として、強者に成るには欠かせない要素だ!!

 ―――だがそれでも、俺にはまだ何かが足りなかった!!」


 交差する剛腕と麗脚。観客を魅了するスパーリングの果て、体力は残りわずか。土壇場に来て、剣は豪樹を互角以上にまで追い詰めていた!!




「『心・技・体』を持ってしても、兄ちゃんにゃまだ足りないものがあんのか!?」




「そうです! それよりも大事なものが胸の奥にしまい込んであったんです!!


 眼には見えねぇが俊敏で、鋭利で、万物を斬る白銀の刃が!!


 ――魂として、形として、俺に呼び掛けてきやがった!!!」




 この瞬間。剣の動きが変わり、更に豪樹を追い詰めていった。俊敏で、鋭利で、万物を斬る刃。




 ―――これ即ち、『剣』のように!




 その『剣』を携えし騎士のように、剣は舞う!!






「俺はその『剣』に、《《貴重な縁》》を感じた!


 俺はその『剣』を魂に持って、自ら無謀な闘いに勇み出た!!




 力量の差も顧みず!


 生きた証を残す為に!!


 漢の紋章を刻み込む為に!!!




 ――どんなゲームにも勝てると勇気付ける『剣』を、俺はずっと前から持っていたんじゃねぇかッッ!!!!」




 ――カンフーキャラの烈脚、嵐脚。その一撃が鋭利な刃となり、豪樹のガードを切り裂いていく!


 騎士のように舞い、剣のように突き刺す!




 この攻撃がまさに『桐山剣』としてのアイデンティティ! そして【ゲーム戦士】としての個性を貫いていった!!




「兄ちゃん、あんたの答えってのは……!!」




「【闘魂無くして勝利の道なし】!!

 俺はこの“剣の魂”を以て、―――絶対に、勝つッッッ!!!!!」




 剣のその答えに、一欠片の迷いもなかった。


 豪樹はこれを聞いてニヤリと不敵な笑みを浮かべる。この思い、伝わったか。




「………エェ答えやッッッ!!!!!」




 と言うと豪樹は一気に剣に向かって飛び上がった!


 そして剣も同時に飛び上がる!!




 豪樹の正拳、そして剣の烈脚。


 空中に二つの【魂】が飛び散った―――!!








 ―――うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああッッッッッ!!!!!!!!!!!






 GAMEゲーム SETセット――!!





 たった一つの勝因……それは、剣が操るカンフーキャラによる烈脚のリーチの差だった。


 残りわずかのゲージを残して桐山剣、ファイナルラウンドにして勝利を掴んだ……!!






 この劇的勝利に、敗者への蔑みなど微塵もない。鳴りやまない歓声と、惜しみない拍手。そして全力を出し切った二人の戦士が、リングに沈んでいた……。




 激戦のあまり存在を忘れられていた松坂オーナーも、感動の涙を流している。槍一郎は解説のみという奇妙な役割で終わってしまった。




「ほっとけ」




 剣が真っ先に起き上がり、感無量の面持ちで立ち尽くした。






「……ハァ、強かった……。でも、こんなに気持ちいいゲームは久しぶりだ!」




 そして剣は覚束無い身体の無理を押しながら、既に上体を起こして胡座をかいていた豪樹の元へ駆けつけ、深い一礼で敬意を払った。




「豪樹さん、楽しいゲームをありがとうございましたッッ!!」




 それを聞いた豪樹は、再び上体を倒してリングで仰向けになりながら豪快に笑う。




「………ワハハハハハ!!! 礼を言うのはワイの方や、こんな熱い魂を持った若造がまだ居たとはなぁ!!」




 そして松坂オーナーの評価は……




「いやー良いものを見せてもらった! 文句無しのエンターテインメントだ!! これはいち早く『ビッグウェーブ』の契約を済ませんとな。これでもっと儲けが進むぞ~!!」




(良かった……剣くんも、豪樹さんも!)




 経営難に陥っていた『ビッグウェーブ』の騒動は、ギャラクシーとの契約によって解決へと向かった。終わり良ければ全て良し。


 そして豪樹は立ち上がり、剣と堅い握手を交わすのだった。




「ここでの移設準備が落ち着いたら、また遊びに来たってや。今度はワイが、剣達の力になっちゃるからな!!」


「その前に、ちゃんと借金返してくださいね!!」




 二人は笑いながらエキシビションマッチは終了し、その日の大会は今期最大に盛り上がった。




 ◇◇◇




 数日後。『ビッグウェーブ』はギャラクシーとの契約を締結し、約束通りギャラクシー内にて新装オープンを果たした。


 入り口に立ちはだかっていたフリークライミングの壁は、横長のボルダリングウォールとして再設計された。これが功を奏して子供から大人まで楽しめる人気アトラクションとなり、会員数は大幅に増加。

 溜まっていた借金は、なんとわずか2週間で完済し、一気にギャラクシーの黒字部門へと躍り出たという。


 ジムには数多くのお客さんが詰めかけ、あの借金取りの男たちもストレス発散がてらに遊びに来るようになっていた。




「お陰で事務所のビルを素手で登れるようになってもうて」


「何処のクレイジークライマーやねん!?」



人は何かに気付くとき強くなる引き金を引く。その『魂』が消えない限り……!!


次回は第9話。

新たなプレイヤーがパズルプレイヤーで大暴れ!!

お楽しみに!!

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