第8話①~新しい仲間!~
最強のプレイヤーへの道しるべ、それは『心・技・体』3つの要素が鍵を握るという。
新しい仲間、天野槍一郎を加わった『シャッフル』に新たなゲームと試練が待ち構えている!
この闘志燃え尽きるまで…己の拳に全てを掛けろ!!
第8話、ゲート・オープン!!!
関西を拠点とし、VRと現実にてゲーム時代の秩序を守るプロゲーマー。名付けて『オフィシャルプレイヤー』の天野槍一郎が、桐山剣のテクニックに惹かれ、剣率いるゲーミングチーム『シャッフル』に入団。仲間入りを果たした。
そんなビッグイベントを終えて、ゲームワールドオンラインからログアウトした剣とみのりは桐山宅にいた。剣は早速、槍一郎が自分のチームに入団した事を祖父の桐山矛玄に報告した。
「おぉ! 天野君が剣のチームに入ったんか!」
「そうなんですよ! 槍一郎くん、優しそうだしレースゲームも凄く速かったし……これで私たちのチームも一気に有名になっちゃうかも♪」
みのりはすっかり有頂天になってはしゃいでいる。
「その槍一郎のことなんだけどさ。なんで俺たちのチームを気に入ったのか、いまいち分かんねぇんだ。
……あいつ、じいちゃんのことは知ってたみたいだけど、じいちゃんの方はあいつのこと知ってたのか?」
剣はレースゲームで勝利したクリア報酬をプレイギアで確認しながら、矛玄に質問した。
やはり無名のゲーミングチームに、急に名を馳せたオフィシャルプレイヤーが入団したことに関しては、嬉しく思いながらも違和感があったようだ。
「天野君は昔からゲームの腕が立つ少年やった。公式大会でも好成績を残して、主催のWGCからも一目置かれとってな。だが、その功績ゆえに二年前、オフィシャルプレイヤーに認定されてからは、立場上なかなか友達も作れんかったらしい。
そこで最近、ワシが天野君に剣の話をしたら、妙に興味を抱いたらしくてな」
「俺のことで、一体何の話をしたんだよ?」
「なに、大したことは喋っとらん。ワシには”剣の魂”を持った、君と同じ【ゲーム戦士】の素質を持つ孫がおる、と伝えただけや」
「【ゲーム戦士】……? 俺とアイツが――!?」
この答えに、剣はますます困惑した。自分と同じ素質を持つ者が、目の前のエリートプロゲーマーだというのか。
かつての剣と同じように、彼もまた孤独な日々を過ごしていたのだろうか。
同じ孤立を知る者同士、槍一郎にも語られぬ過去があるのかもしれない。剣は直感的にそう感じていた。
だが、それ以上に気掛かりなのは、矛玄が口にした【ゲーム戦士】という言葉だ。
先日のレース中、剣の胸元には無意識のうちに剣の形をしたエネルギーが発現していた。
VR技術の枠を超え、三次元に干渉せんばかりのリアリティ。それはまるで、人間の精神エネルギーを極限まで具現化したかのような覇気だった。
【ゲーム戦士】とは、単なる熟練プレイヤーを超越した存在を指すのか。その真相は、まだ霧の向こう側にある。
「剣、ゲームには人を惹きつける魔力がある。
昨日のレースゲームで魅せた剣のプレイが、天野君の心に響いたんと違うか?」
「それだよ! あの時の剣くんのプレイを見て、槍一郎くん凄く眼が輝いてた! それだけ剣くんに魅力があったのよきっと!」
矛玄の言葉にみのりも割って入ってきた。
「……そうか? 単に物好きなだけじゃねぇのか。あいつの方が格上なのに、初対面から実力を試すような真似しやがって」
「もう! 素直じゃないんだから、剣くん」
「はっは! まぁせっかくできた仲間だ。天野君とも仲良くしてあげなさい」
(……槍一郎が何を抱えて、どんな思いでダチになったんかは知らねぇ。けど、今は深く探る必要はねぇな。
――久々に出会えた、俺の『仲間』なんだからよ) 剣はみのりと矛玄の話に耳を傾け、思いに耽りながら手元のカフェオレを飲み干した。
「――よっしゃ! 槍一郎のチーム登録もゲームワールドで済ませたし、日が暮れるまで俺の部屋でゲームしようぜ、みのり!」
「賛成~! いっぱい遊ぼ!」
二人は疾風のごとくリビングを駆け抜け、二階へと向かった。
(……『類は友を呼ぶ』というか、何というか。みのりちゃんともそうだったが、この出会いは偶然ではないぞ、剣。心の底で求めていたものが共鳴しあって生まれた、必然の絆だ。
――大事にしてやりなさい、これからも……)
◇◇◇
―――翌日。
天童学苑高校の放課後。剣とみのりは教室の廊下で、何やら既視感というか、デジャヴというか。つい先日まで見たことがある人物を見つけた。
「―――あれ? 槍一郎くんじゃない?」
「あ!? んなアホな、蜃気楼でも見えたんちゃうか?」
「何言ってんの、今日そんなに暑くないわよ!」
等とコテコテなボケを繰り出しつつ、二人は確かめるべく彼に近づいた。
すると、その人物も振り向きざまに二人の顔を見て驚愕した。
「あれ!? 剣にみのりちゃんじゃないか! 君達同じ天童学苑の生徒だったんだね!」
薄いフレームの眼鏡が際立つ槍一郎が、天童学苑の制服を着て立っていた。ベージュのズボンが、長身の彼の脚を細く際立たせている。
「それはこっちの台詞や! 同い年で同じ高校なんざ……お前、どこの組のモンやねん!」
大阪人のはずが、なぜか広島の極道のような凄み方をする剣。槍一郎はそんな様子を気にする風もなく、平然と返した。
「僕は5組だ。しかし二人とも、僕と一緒の高校とは全然気づかなかったよ……」
ちなみに剣は2組、みのりは1組。同じ校舎にいても、実際に顔を合わせない限りは案外気づかないものだ。
「……じゃ、会えて早々質問やけど。お前ずっとぼっちでオフィシャルやってたんやろ? 放課後はいつも何してんねん」
かつての自分を棚に上げた剣の問いに、槍一郎は苦笑いしながら答える。
「普段学校終わりはゲームワールドでの防犯パトロールとか、WGC管内での仕事があるけど……今日はちょっと特別でね」
「何か用事でもあるの?」とみのりも返す。
「まぁね、知り合いの頼み事!」
槍一郎はそう言うと、プレイギアのマップアプリを開いて剣達に現実世界の地図を広げた。
「何処の地図や、これ?」
「梅田駅周辺みたいね。ほら、駅の近くにアミューズメントパークの『ギャラクシー』もあるわ!」
みのりが『ギャラクシー』を指し示す。すると槍一郎が、その場所から北北西に離れた小さな建物を指差した。
「そう、以前オープンしたギャラクシーから北北西の『BIGWAVE』という、ゲームジムだ」
「「ゲームジム??」」
「君達も行ってみるかい?」
超次元ゲーム時代に合わせ、ゲーマーの心技体を鍛えるべく進化した施設――それが『ゲームジム』。
その実態を知らない剣とみのりは、未知の体験への好奇心を抑えきれなかった。
「「―――行きたい゛ッッ!!!!」」
二人はゲームジムの疑問を抱えながら、槍一郎の行く『ビッグウェーブ』へ電車経由で向かった。
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次回もゲームウォーリアーをお楽しみに!!




