寝夢
注① 閑話で寂壊姫ちゃんが恭弥の人柄についての外道っぷりを語ってくれましたが、あくまで寂壊姫ちゃんが持っている恭弥への一方的な印象です。
オレは何度も自分に問い掛ける。
夢現。揺蕩うほどに世界を二分する境界は揺らぎ、今にも消えそうなほどに薄れていく。
今宵、見ているのは現実なのか。それとも寝夢なのか。はたしてどちらが正しいのか、一向に判別がつかないでいる。
もしかしたら、どちらも夢であって、どちらも夢でないのかもしれない。そういった矛盾した迷走をしてしまうくらいにどちらが正しいのか分別がつかなくなっている。
だからオレは納得できる問答の答えが得られるまで自分に問い掛けるのだ。
胡蝶の夢とはこういうものなのか?
覚めない夢はこういうものなのか?
そう、繰り返し、何度でも、何度でも。
◇
一つ思う。
身体がとても温かかった。ぼんやりとした意識の中、何かに優しく包まれるような温かさを身体中に感じている。
しっかりと身体の外側から最奥の芯まで温かみを伝えてくれるような何かは、寄り添っていて非常に心地がよい。このまま永遠に浸っていたいと、馬鹿なことを思わず考えてしまうくらいに身を任せていたかった。
一つ感じる。
温もる身体に反して、心はとても寒かった。
とても温かな身体とは裏腹に、胸の中心にポッカリと孔があいたような喪失感。そこにすきま風が吹き込むようにして、身体の熱を奪い取って行くような虚ろな薄ら寒さは非常に不愉快だった。
だから。だからこそ、心にあいた空虚な孔をどうにかして埋めたい。もっともっと強くて確かな温もりが欲しい。そう思えば思うほどオレは自分を温めてくれているのであろう何かをことすら求めてしまう。
そうすると身体に感じている温かさだけでなく、柔らかい感触が身体全体を包み込み、爽やかな甘い香りが鼻腔を擽る。
その感覚があまりにも心地よくて、その温かさに更に深く触れたくて。それに何よりも心の寒さを拭い去りたくて。無意識に抱き寄せるようにして手を伸ばす。
すると手に触れるのは、程よい弾力の溢れるクセになりそうな柔らさ。
そして同時に……
「ひゃあっ」
と、可愛らしくも素っ頓狂な悲鳴が聞こえてきた。
息のかかりそうな程に近くから聞こえた悲鳴に、僅かばかり意識が覚醒したような気がした。
「……んん?」
いったい何なのだろうか。怪訝に感じたオレは心地よい温もりを堪能しつつも、ゆっくりと瞼を開く。
しかし、不思議なことにそれは一向に意味など成さなかった。なんと驚くことに、開いたはずの視界は真っ暗で何も映すことはなかったからだ。
何もない無窮の暗闇の中に居るのだろうか。否、どうも顔に感じる感触的に、布に包まれた柔らかい何かに顔ごと視界が奪われているようだった。
これでは埒が明かないし、理解も進まない。オレは感じている心地よい温もりを名残惜しく感じながらも顔を離し、現状理解の為に視線を巡らせることにした。
光に満ちた世界に視界が切り替わる。そうなったことで回復した視界に捉える事が出来たもの。
まずはそうだな。
淡い水色のブラジャーと、それに包まれている程よい大きさの胸が一番最初に飛び込んできた。
ボタンで前を止めるタイプの衣類を着用しているようだが、着こなしが乱れているせいで肩からヘソのあたりまで前部が開放されて見えてしまっていた。キメ細やかな白い肌は瑞々しく、身体が横向きにも関わらずお椀の形を維持している胸は見ているだけで昂ってくる魅力を秘めている。
追記するならば、おそらくオレはあの魅惑の渓谷に顔を埋めていたのだろう。
そこまで考えてから、今度は視線を上にスライドさせた。
そこでふと、もう一つの視線と交錯する。何かしらの要因で潤んだ、艶のある熱に満たされた瞳。赤く上気した滑らかな頬。気を抜けば思わず征服してしまいたくなりそうな桜色の唇。その姿は非常に艶やかで心が奪われる。
そんな魅力の持ち主の持ち主―――那月が羞恥に耐え忍ぶようでいながらも、困っている表情でオレを見つめていた。
よし、眼前の人物が那月であることは理解した。
して、何故に彼女がこんなにも扇情的な格好でオレの側にいるのだろうか。
頭の中を疑問符が目に見えそうもない速度で飛び交っているので、一度脳内を整理しようと手を顎に当てて考えようとしたところで新たに気が付く。オレの手が今しがた掴んでいるのは何なのだろうか、と。
疑問を解消するために手を動かしてみた。掴む、撫でる、さするなど簡易的に行える検証をしてみる。
すると、
「あ、あの、いつまで私のお尻を触っているつもりですか……?」
と、先程よりも羞恥に顔を真っ赤に染めた那月が言った。
ふむ、どうやらオレの手を満たす、この弾力に富んだ幸せな感触は彼女の臀部だったみたいである。道理で触っていて温かく、柔らかいわけだ。
あともう一つ確認しておかなければならないとしたら、それはここが何処であるかということ。オレは一先ず動かしていた手を止め、目の前の少女に問うた。
「なぁ、那月。なんだか知らない場所なんだが、ここはどこなんだ?」
彼女は吃りながらも簡潔に答えてくれた。
「え、ええと、こ、ここは私の部屋です」
「なるほど、了解した」
さて、ここで状況を一度整理してみようか。
ここは聞くところによると、どうやら那月の私室らしい。そこでオレは驚くことに彼女と添い寝と洒落こんでいたようだ。
しかも、あろうことに無防備にも露出している胸の谷間に顔を埋め、手ではしっかりとお尻の感触を楽しんでいたらしい。そう言えば、胸に顔を埋めながら彼女の匂いもかいでいた気がするな。
情報という名のピースが集まり、事実という一つのストーリーが紡がれる。最早そこから導き出される解答は最早一つしか考えられなかった。
「なんだ、これは、夢なのか」
きっとそうに違いない。なにせ、現実でこんなことになっていればオレは間違いなく死んでいるからだ。
なにしろ、あの女王様でありながらも厳格な那月が、こんなセクハラとしか言い様のないことをされて黙っているわけがない。少なくともこれが現実ならば、最低でも悲鳴を上げさせられながら骨の数本は持っていかれ、当然の如く110番通報されているはずだ。
それに比べて今の彼女はどうだろうか。愛らしくも恥じらっているだけで、全然手を下してこないではないか。言葉も語気が弱々しく、いつもの凛とした響きがない。
そもそもオレは那月とベットインした記憶すらないのだ。これで夢でない方がおかしい。
とどのつまり、オレがこの次にとるべきアクションといえば決まっている。というかこれ意外の選択肢など皆無だ。
「――きょ、恭弥さん!? なぜまた胸に顔を埋めながら寝ようとしてるんですかっ!?」
「那月、少しうるさいぞ。夢の中くらい甘やかしてくれたっていいじゃないか」
「あ、あのですね、これは夢でなくて――」
「くどいぞ。オレは寝ようとしてるんだ。いい加減、静かにしないと尻叩き百回だからな」
「なぜか私が怒られました!?」
なにやら那月の困ったような声が耳朶を打ったが、そんなことは知ったことではないとばかりに瞼を下ろした。
那月は頑として譲らないオレの態度に諦めたのだろう。オレの甘やかしてくれという言葉を真に受けたのか、無言でポフポフと頭を撫で始めた。
その温かな感覚は妙なリアルさを伴っている。
これはきっと、いわゆる明晰夢というやつなのだろう。それは睡眠中に見る夢の中の一種で、夢であると自覚しながら見ている夢のことを指す言葉だ。
明晰夢は自覚している夢であるが故に、自分の意思で話したり行動することができ、また、夢の内容を自分の思った通りに動かすこともできるらしい。
現状、現実では到底あり得ないことが起こっていて、なおかつオレの要望通り動いていることから、今の状況とほぼほぼ一致している。
というか、知り合ったばかりの同級生の女の子にセクハラをする夢とか、どれだけ欲求が溜まってんだよ、オレは。自分の知らなかった一面に呆れすら通り越して、尊敬さえしてしまいそうだった。
オレは夢の中ではあるが再び眠りにつこうとしていたのだが、思考を重ねれば重ねるほどに目が冴え渡っていくのを自覚した。
これでは一向に寝られないではないか。もうすでに夢の中だが。身体を一度起こし、鈍ったままの思考回路で考えた。
「……だいたいなんで那月の夢を見てるんだオレは? 確かにオレは那月のことが好きだけど、夢にまで見てエロいことしたいなんて思ってもないはずなのに」
さすがにオレとしても甚だ疑問の残るところである。何故オレはこんな夢を見ているのだろうか。
「いや、でも無意識にそう思ってるからこそ、こんな夢を見てるんだよな。つまりオレは今、こんな夢を見てる以上、楽しまなけりゃ損、なのか……?」
ううむ、そこら辺、どうなのだろう。実に悩ましい迷いどころであった。
夢の中で那月にイロイロなことをシてしまうのは簡単だし、夢にまで見るくらいなのだから少なからずオレも望んでいるはず。平静を気取ってはいるが、内心では興奮の度合いの方が強いくらいにはオレも男として枯れてはいない。
しかし、夢の中とは言えども那月を穢してしまえば、現実に戻ったとき間違いなく彼女に申し訳が立たない。かといって、こんな据え膳を食わぬのは男として如何なものか。
悶々と邪な葛藤に陥っていると、おずおずといった様子で那月が尋ねてきた。
「そ、その、先程、私の事が好きと聞こえたんですが、以前、恭弥さんは私の事が大嫌いとおっしゃってませんでしたか……?」
「ん? あぁ、確かに言ってたな。でもな、その嫌いだった原因がわかった今じゃ、それ以上に大好きになっちまったんだ。正直、もうずっと手放したくないくらいだよ」
ありのままを述べる。オレがそう言って微笑めば、那月は恥ずかしそうに身を捩って顔を逸らしてしまった。
「出来れば顔は逸らさないでほしかったな。なんだか気持ちを受け入れてもらえなかったみたいで少しショックだ。やっぱり、那月はオレみたいなやつは嫌いか?」
「あ、あの、そ、その、き、嫌いではありませんが、す、好きでもないといいますか、好ましいとは感じていますが、や、やはり、そういう意味ですっすすす好きとは違いますというかですね……!」
目を逸らしながらも早口に捲し立てる那月。オレの望んでいた答えには満たなかったが、それでも彼女の口から思いを聞けて嬉しいと感じてしまう。
好ましいと感じてもらえるくらいの距離感まで彼女に近づけている。それが何よりも幸福に思えた。
「つまり、この先、好ましいだけってのから、好きに変わるっていう可能性もあるんだよな?」
「そ、それは可能性は無きにしも非ずかもしれませんが、それでも絶対というわけでは無くてですね……!」
「可能性があるなら、それだけで十分だよ。どれくらいの時間が掛かるかはわからない。それでもオレのことを好きにさせて見せるからさ。覚悟しといてくれよ、那月」
一度言葉を区切り、大きく息を吸った。
そして空気の代わりにこれまで吐いてきた冗談とは違う、一番の想いがありったけ乗った言葉を吐き出した。
「絶対にオレがお前の一番になってみせるから」
一つの宣言。
これはあくまで夢の中の出来事でしかない。いくらオレの想いを伝えようと、現実の那月には伝わるわけもないのは承知の上だ。それでも、あえて自分の想いを言葉にすることで意志を明確にしておきたかった。
そんな真っ直ぐなオレの気持ちをぶつけられた、夢の中の那月の反応と言えば。
「し、ししし失礼しまするっ!」
今にも周囲を巻き込んで爆発するのではないかと疑ってしまうほど肌の全てを真っ赤に染めて、目にも止まらぬ速さで逃げ出した。瞬く間にその姿は見えなくなってしまう。ここまでくるとオレの想いが全部届いていたかも怪しいものだ。
そういえば現実でもこんなことあったな。からかい半分で那月に迫った時、同じように逃げられてしまったのを記憶している。夢の中でもどうやら彼女は同じ反応をするようだ。
「くははっ、夢とはいえ本当に思い通りにいかないな、那月は。ま、そういうところも含めて好きになったんだから仕方ないか」
思わず笑いが漏れてしまう。
オレは一しきり笑いに笑ったあと、ある意味満足したので身体を起こした。そこで気が付いたことが一つ増えた。
「てか、なんつー格好してるんだよオレは。夢の中だからってはっちゃけ過ぎるだろ」
自分の身体を見下ろせば、下はキチンとジーパンを身に付けていた。しかし、下半身とは反対に上半身には理解し難いことに衣類を纏っていなかった。せいぜい申し訳程度に白い包帯で要所要所隠してあるだけの格好だ。
これは流石に如何なものか。現実でないとは言えども、そんな倒錯的なファッションでいるわけにもいかず、視線を周囲にやり身に纏うべき衣類を探した。
だが、忘れてはならないのは、夢の中とはいえどもここは那月の部屋。男が身に纏えるような服があるはずもなかった。
というか、あったらあったでそれは複雑な心境になることだろう。うん、やはり気になっている女の子の部屋には男物の服なんて無いに越したのが一番だ。もし見付けてしまったのなら、誰のものなのか、そしてその相手とはどんな関係なのか。気になって気になって仕方ないに違いない。
「くそ、誰でもいいから何か着れるもん貸してくれないかな」
そう一人ごちるしかこの場で出来ることなどなかった。しかし、それも一瞬のこと。古来より、信じる者は救われるものだ。
オレの溢れんばかりの衣類を欲する念が神にでも届いたのか、脳裏に稲妻が走るような感覚と共に幾つかの天啓が同時に舞い降りてきた。
その内容とは……
①那月の私物であるタンスをあさり、下着を含めた衣類を拝借してそれを身に纏う。
②格好など知ったものか。ジーパンや下着すらかなぐり捨てて、ありのままの自分で街にくり出す。
③夢の中だから別にいいじゃない。このまま那月を追いかけて食べちゃおう。もちろん性的な意味で☆
……現代の神はもう死んでいるようだ。というか生きていたら死ね。即刻死に晒せ。まともな選択肢が一つもないじゃないか。
思わず天啓の役の立たなさに悲観して頭を抱えそうになる。
するとちょうど良いタイミングでカッターシャツがニュッと差し出された。素肌にカッターシャツもどうかとは思うが、何も着ていないよりはよっぽどマシである。神は役にすら立たなかったが、救いはここにあったようだ。
「あぁ、気が利くな。ありがたく借りさせてもらうことにするよ」
オレはそう言ってカッターシャツを受け取り、素肌の上に羽織った。普段はその様な着こなしはしないせいか、妙な違和感を感じるがそれも時機に馴れるだろう。
……いやいや、ちょっと待て。そうじゃないだろ、オレよ。オレはいったい誰からこのカッターシャツを受け取ったんだ。
那月はさっき出ていったばかりだぞ。今の彼女がオレの前に姿を見せてくれるはずもない。それは十分に理解していた。
ゆっくりと首をカッターシャツが手渡された方向に捻り確認する。そして元の位置に戻す。それからもう一度首を捻って確認し、そして元の位置に戻した。
てん、てん、てん、と空白の束の間、オレは思わず目元を手で覆って瞑目してしまった。ありえない光景を見た。
「本当にちょっと待てよ、さすがに着いていけないぞ。なんで民家の中に当たり前みたいに熊が居るんだ。カッターシャツを渡してくる熊とかありえないだろ」
そう、熊が居たのだ。オレの身長よりもはるかに高く、強面でずんぐりとした巨体。襲われたらひとたまりもない。
というか普通にピンチじゃないかこれ。下手をすれば死んでしまう。もちろん、夢の中の話だが。
とりあえずどうすればいいんだろうか。
夢の中だからこそ、怪我をしないことを踏まえて熊と闘ってみるか?
いや、夢の中でまで闘うのは勘弁だ。
それならば死んだふり?
いや、それで免れるというのは眉唾物らしい。どっちかというと、客観的に考えれば、エサが食べてくださいと言うように転がってる状態だよな、それ。
思考を重ね、オレがやるべき行動が見えてきた。
オレは熊のいる方向に向き直る。
そして、行動に移した。
「やぁ、熊さん、はじめまして。なかなか良い体型をしているじゃないか。無駄な脂肪が無くて、動かす用の筋肉がしっかりと鍛えられているのが一目で分かったよ。鮭取り大会なんてものがあったら間違いなく優勝するだろうな」
オレはフレンドリーに熊に話しかけた。
人類、皆兄弟。話し合えばきっと分かり合える。そう思っての行動だ。
人は言葉という概念を通じて常に発展し続けてきた。時には争い、時には和解し、そうやって時代を進めてきた。故に仲良くなれれば、襲われずに済むはず。
……もっとも、それが人類ならば、だが。
結果から言おうか。
熊に殴られた。もう一度言うが熊に殴られた。
オレはショックのあまり、心からのシャウトを漏らす。
「お、親にも打たれたことないのに――ッ!」
いやいや、違うだろう、オレよ。なぜこんなときまでボケようとしてるんだ。その無駄な芸人魂は然るべき時までとっておけ。
今の論点はボケでなく、現状についてだ。
むちゃくちゃ、痛い。殴られた部分が熱を持って、じんじんと鈍い痛みを発している。正直、意味が分からなかった。
これは夢のはずだろ? なんで痛むんだ?
「えーと、褒めたのになんでオレは殴られたんだ?」
……馬鹿かオレは。熊にそれを訊いて返事が返ってくるわけないだろうに。理解出来ないことだらけで思考回路が麻痺しているらしい。まともな考えが出来ていない。
「手前ぇが殴られた理由もわかんねぇのか、クソガキ。んじゃもう一発くらい殴られとくか?」
……もう、嫌だ。なんでもアリですか、ふぁんたじーなこの夢は。ついには熊が喋りだしたぞ。
しかもなんか怒ってるじゃないか。やはり人類と熊は仲良くなれないということだろうか。
いや、待て、逆転の発想をしろ。人の言葉が通じる。ならば、ここから会話を発展させるんだ。そうすればきっとどうにかなるに違いない。
そう確信したオレは口を再度開いた。
「Do you speak japanese?(日本語が話せるのか?)」
結果から言う。
もう一発殴られた。もっかい言うが、もう一発殴られた。
「お、親にも打たれたことないのに――ッ!」
本日、二度目のネタ。表層部ではこれでもかというくらいに混乱しているのに、なぜか深層部では落ち着いている自分が嘆息する。同じネタでは捻りがないぞ、と。
それは目の前の熊も同じだったようだ。
「次、下らねぇネタしやがったら本気でぶっ飛ばすからな。分かったか?」
「……お、おぉぅ」
情け容赦ないツッコミに気の抜けた声が漏れる。遂には熊に発言権まで奪われてしまったらしい。
前半部は那月に好き勝手にセクハラする淫夢。
後半部は人語を喋る熊と対峙して殴られる悪夢。
本当に何なんだよこのカオスな内容は。ズキズキと広がる痛みを抱えながらオレは再度、瞑目したのだった。
注② この本編はなっちゃんルートではありません。それに限り無く近いナニかです。




