表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
炎と白銀と〜聖夜の洋館の悲劇〜僕達の推理2  作者: シロクマシロウ子
第12章 事件と恋の混迷 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/107

097 明かされる聖夜1

ー登場人物紹介ー

※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー

大道正火斗だいどうまさひと・3年生。大企業財閥御曹司。

大道水樹だいどうみずき・正火斗の妹。2年生。

安西秀一あんざいしゅういち・部長2年生。親が大道グループ傘下企業役員。

浅倉奏衣あさくらかなえ・副部長2年生。中等部から正火斗に片想い。

桂木慎かつらぎしん・2年生。明るくフレンドリー。

神宮寺清雅じんぐうじきよまさ・1年生。ややお調子者?

椎名美鈴しいなみすず・1年生。真面目でしっかり者。


桜田風晴さくらだかぜはる・田舎の農業高校2年生。


華蔵理人かぐらりひと・華蔵家現当主。

華蔵透子(かぐらとうこ)・理人の妹


斉藤豊子さいとうとよこ・華蔵家女中頭。

斉藤美郷さいとうみさと・豊子の孫。白吹村女子高生。

冴木拓眞(さえきたくま)・華蔵家運転手。理人の同級生。

秋月未来(あきづきみく)・白吹村役場職員。

林有里子はやしゆりこ・白吹村役場職員。

 



「先輩の大道正火斗さんと友人の桜田風晴くんです」


 桂木に紹介されて 2人は有里子(ゆりこ)会釈(えしゃく)した。


「時計をわざわざ返しに来ると申し出て下さって本当にありがとうございます。元々は父の時計なので、父は喜んでいました」


 有里子は3人にそう言った。

 それから帽子を取り手袋を(はず)してコートを脱いで席に着く。有里子の(よそお)いは白いシャツにカーディガン、それにジーンズだった。


「今日も冷え込んでいますね」


 彼女は一言そう付け足した。


 風晴達の(たの)んでいた飲み物やモンブランが届き、林有里子も"サクラティー&ダイトーモンブラン"を注文した。

 有里子は桂木の前に置かれたモンブランを指差(ゆびさ)して言った。


「注文してくれて嬉しいです! 白吹(しらぶき)の名産の栗を使っているんです。生クリームと合っていて、本当にとても美味(おい)しいですから!」


 有里子の熱心(ねっしん)さに桂木も笑顔になる。


「じゃ、頼んで良かったです。昨日は秋月さんと後輩と雪像(せつぞう)祭り会場で茶碗蒸(ちゃわんむ)しも食べたんです。アレも本当に美味かったです。

 秋月さんに聞きました。高校の時に林さん達がアイデアを出した商品だって……」


 桂木がいてくれて良かったと風晴は思った。正火斗と風晴はこのようなことは何も知らなかった。


「私は白吹が好きなんです。父も役場で白吹のために働いていましたから……何か役立ったらいいなと思ったんですよ」


 正火斗は楽しそうに話す有里子を目を(ほそ)めて見た。楽しい話でなくなることが申し訳ない。だが 仕方ない。

 とりあえず──時計を返す前に得られる情報から入る。


「林さんは華蔵理人(かぐらりひと)さんや冴木拓眞(さえきたくま)さんの同級生でしたよね?

 クリスマスパーティーの日に、冴木さんに変わったことは何か無かったですか?」


 正火斗は丁寧(ていねい)に聞いたが、有里子はふふふと笑った。


「なんだか警察に質問されているみたい」


 これには桂木が謝った。


「すみません。オレ達はミステリー同好会なんで、つい。彼は元部長なんです」


「頭が良さそうだものね! …………冴木くんね。冴木くんはねぇ、確かにあの日 いつもと違ったのよ」


 有里子は自分にも来たサクラティーとダイトーモンブランを受け取りながら言った。


「プレゼントを見つけて大広間に戻った時に会ったの。私達はお互い白吹村で生活しているから 久しぶりってわけでもないのだけれど。

 ただ、彼 珍しく真剣な顔で"話を聞いてほしい。力を貸してくれ"って言ってきたの」


 思いがけない内容だった。正火斗も、桂木と風晴も黙って聞いた。


「だけど私はちょうど父に……あなたに会うようにって強く言われていたものだから……」


「オレに?」


 桂木が確かめる。


「──そう。"高校生の男の子が腕時計を受け取ったようだけれど、古いモデルだし今の若い子には迷惑なんじゃないか"って。"会って確認して来てくれ"──って」


 桂木と正火斗、風晴は視線を()わす。


 ──やはり有里子の父親は腕時計が返却(へんきゃく)されることを望んでいた。

 当然(とうぜん)だ。手違(てちが)いで桂木が"華蔵透子(とうこ)を連れ去る時間"を指示した紙の入ったプレゼントを受け取ってしまったのだから。

 有里子は結局 桂木に返してもらえなかった。それで 慌てて斉藤美郷(さいとうみさと)に声をかけたのだろう。斉藤美郷は洋館でアルバイトを常時(じょうじ)している。

 桂木慎に近づいて部屋から時計の空き箱を取ってくれば買い取ると話した。

 空き箱なら捨てられる可能性も高いし窃盗(せっとう)にはならないだろうと美郷は引き受けて──そして距離を(ちぢ)めるために 強引(ごういん)な交際申し込みをした。


 言葉は無くとも3人共 頭の中で推理は成立(せいりつ)していた。

 有里子の話は(さら)なる続きがあった。


「それで私は──冴木くんの話を聞くのが難しそうだったから、秋月(あきづき)ちゃんにお願いしたの。

 "冴木くんが何だか困っているみたいだから、私の代わりに話を聞いてきてほしい"って」








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ