表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
炎と白銀と〜聖夜の洋館の悲劇〜僕達の推理2  作者: シロクマシロウ子
第12章 事件と恋の混迷 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

97/107

095 キケンな車中

ー登場人物紹介ー

※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー

大道正火斗だいどうまさひと・3年生。大企業財閥御曹司。

大道水樹だいどうみずき・正火斗の妹。2年生。

安西秀一あんざいしゅういち・部長2年生。親が大道グループ傘下企業役員。

浅倉奏衣あさくらかなえ・副部長2年生。中等部から正火斗に片想い。

桂木慎かつらぎしん・2年生。明るくフレンドリー。

神宮寺清雅じんぐうじきよまさ・1年生。ややお調子者?

椎名美鈴しいなみすず・1年生。真面目でしっかり者。

桜田風晴さくらだかぜはる・田舎の農業高校2年生。


華蔵理人かぐらりひと・華蔵家現当主。

華蔵透子(かぐらとうこ)・理人の妹


赤沢幸太郎(あかざわこうたろう)・新しい華蔵家運転手。

秋月未来(あきづきみく)・白吹村役場職員。

林有里子はやしゆりこ・白吹村役場職員。

金森香世かなもりかよ・行方不明の葉崎達哉の実姉。

 



 正火斗は理人に話して 自分達の運転手を赤沢幸太郎(あかざわこうたろう)にしてもらっていた。

 昨日の浅倉と椎名が忠告(ちゅうこく)を彼にされたと言う話から、機会があれば自分も話してみたいと考えていた。


 時間になって風晴と桂木も玄関ホールに降りてきた。

 桂木に


「腕時計は忘れずに持ったか?」


 と聞くと彼はうなずいた。それさえあれば問題なかった。


 "華蔵透子を連れ去る時間"


 の用紙だけは正火斗が預かっていた。これも──今日林有里子に突き付けることにはなるかもしれないと覚悟している。

 正火斗は明日には別の計画を練っていて、そして──明後日(あさって)には東京に帰る。

 絶対にそうするつもりだ。







 車内では風晴が正火斗の心を読んだように尋ねた。


「正火斗、明後日には必ず帰るんだよな?」


 真剣な眼差(まなざ)しで()われると目を(そむ)けたくなる。


「そう。みんなも30日までの予定できてるって話だったし──僕は東京で予定が入ってる」


 たいして重要(じゅうよう)でもない忘年会がいくつも。あれに混じるのも一つの地獄でもある。


「オレ、クリスマスパーティー…………失敗したなと思ってる」


 風晴が(つら)そうな顔で言ったので、両脇(りょうわき)の正火斗と桂木は驚いた。


「オレ知り合う機会は もっとあの時あったんだ。

 紅白饅頭(こうはくまんじゅう)を取ってくれた高1女子とフェルトのクリスマスケーキをくれた人。

 だけどオレ────椎名と金森香世(かなもりかよ)さんにしか、あの時会う段取(だんど)りにしなかった……」


「いいじゃんかその2人でも。"もっと女子高生とかに会っておけば良かった"って後悔(こうかい)か? 桜田も色気(いろけ)づいてきたな」


 桂木は椎名と風晴を応援しようと そんな言葉が出た。

 風晴は桂木の浅倉への片想いを知っているので"お前ほどでもない"と言いたくなったが()(つぶ)した。


「そう言うんじゃなくて、知り合っていたら もっと情報集めができたのにってことだ。正火斗──」


 彼は正火斗の方に向いた。


「今回って明後日までに解決する? 犯人像はなんとなくわかるけど、具体的(ぐたいてき)に誰をどう(つか)まえるか──オレ今 見当(けんとう)もつかないけど」


 正火斗はしっかりと言った。


「大丈夫。今回は推理で犯人を全員特定していこうとは思っていない。

 勿論、分かっていれば分かっているだけ危険性も減らせるからこうして調べてはいるけれど。

 明日で片付けられると思ってる──必ずやるつもりだ」


 聞いて風晴が明るい顔になる。


「なら、良かったんだ。……正直言って フェルトのケーキを創った人は、どんな人なんだろうって気にはなったけど」


「会いたかったなら会えば良かったのに。せっかくチャンスだったのに。──なんでやめたんだ?」


 桂木が反対から聞いた。正火斗も聞きたかった。


「ああ……あのクリスマスパーティーだと"鳳翔院学園の生徒"だと思われているから。

 頭が良いとか東京の高校生とか……誤解されて好かれるのは……嫌だった」


 風晴は少しバツが悪そうにしていたが 話を続けた。


「地元の高校で……あの夏休みの後で告白された。

 その中の1人に"桜田くんお金持ちなんでしょ?"って言われて……ゾッとした。…………怖いよな、ああいうの」


 桂木は風晴の肩を抱いた。


灰畑町(はいはた)でウン億円は目立つだろうからな。苦労してるな、魂の伴侶」


「無かった家を買って 農業支援事業関連に使ったら、そんなのほとんど無い。専門学校に行く費用は残してもらっているけど…….」


 それを聞いて──それ以外もだが、正火斗は少しホッとした。


事業(じぎょう)は広げず無理ならたたむんだ。

 風子(ふうこ)さんなら判断を(あやま)らないだろうが 残すものはきちんと残して。

 あと金目当ての女はこれからも人生でいくらでも出会うから、そうじゃないのを見極(みきわ)めた方がいい」


 正火斗の言葉では、説得力(せっとくりょく)がありすぎる。


「うん。……そうでない女の子だって、きっといるよな。浅く…」


 "浅倉だって"と言いかけて風晴は慌てて軌道修正(きどうしゅうせい)する。


()()()働く女性とか」


 この2人の間でこの名前は今は禁句な気がする。


「まあ、今回のクリスマスパーティーはそんなに気にすることはないさ。水樹達も高校生から話を聞いてくるし」


 正火斗の言葉に風晴は


「ああ、水樹と浅く……」


 はい! 軌道修正!


「水樹、朝暗かったな……」


 風晴はボキャブラリーが豊富では無い中で必死に努力した。


「どうかな? どちらかと言うと朝は強いと思うが」

「班分けしてノリノリだったから 明るい方じゃないか?」


 正火斗と桂木はそれも知らず不思議そうだ。

 

 だが目的地に着いた時 赤沢幸太郎は高らかに言った──



「ハイ、アサクラ書房さん! 着きましたよー」








風晴は思った。


(クソ……! 鬼畜作者……!!)






ごめんよーʕ•ᴥ•ʔ←鬼畜作者

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ