093 班分けの女神
ー登場人物紹介ー
※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー
◆大道正火斗・3年生。大企業財閥御曹司。
◆大道水樹・正火斗の妹。2年生。
◆安西秀一・部長2年生。親が大道グループ傘下企業役員。
◆浅倉奏衣・副部長2年生。中等部から正火斗に片想い。
◆桂木慎・2年生。明るくフレンドリー。
◆神宮寺清雅・1年生。ややお調子者?
◆椎名美鈴・1年生。真面目でしっかり者。
◇桜田風晴・田舎の農業高校2年生。
◇真淵聖・風晴の同級生。話すのが苦手。
○華蔵理人・華蔵家現当主。
○華蔵透子・理人の妹
○斉藤豊子・華蔵家女中頭。
○斉藤美郷・豊子の孫。白吹村女子高生。
○冴木拓眞・華蔵家運転手。理人の同級生。
○戸田広雪・白吹村男子校生。3年。
○ 秋月未来・白吹村役場職員。
○林有里子・白吹村役場職員。
12月28日にすべきことを正火斗は分けた。
洋館で女中達からクリスマスパーティーのゲームの出席者について、誰が当日登録、キャンセルしたかを確認すること。
それから斉藤美郷と斉藤豊子について調べること。
秋月未来に会う約束も 神宮寺は再び取り付けることができていた。
今日は大型ショッピングモールで会うことになっている。
当然、彼女が冴木拓眞と何を話していたのかがポイントになる。重要な役割だ。
戸田広雪の見つけてくれた高校生達とも会えることになっている。彼らは冴木拓眞と秋月未来の話している様子を目撃している。
秋月から話を聞けるのだから補充的な話しになるが、せっかくの機会なので行くことにしてある。
正火斗は最後に 林有里子に今日中に会いに行くつもりだと告げた。
日曜日の朝だからまだ連絡していないだけで、彼は神宮寺を通じて秋月未来から 林有里子の自宅の番号をすでに抑えていた。
秋月から番号を聞く時点で"腕時計をやはり返したくなって"と伝えもある。
十中八九 林有里子周辺の──おそらくは両親が──プレゼントの準備、華蔵透子連れ去り未遂、桜田風晴・真淵聖誘拐、冴木拓眞殺害・遺棄に関わっていることは間違いない。
そして 斉藤美郷を使っても腕時計の空き箱を回収したかったのだから、この申し出に応じる可能性はかなり高いと思った。
危険な対峙になるかもしれない。彼はそれには自分が行くと言った。
「はい! はい! はーい!」
ここで水樹が座っていたソファから勢いよく挙手した。
「何だ?」
正火斗が尋ねる。水樹は
「本日は私が班分けをします!!」
と宣言した。
みんなから おぉーと声が上がり 正火斗は
「何で?」
と言った。
兄はこのメンバーで起こっている様々な人間関係を全く配慮しないだろうから妹は決意したのだが、それを言ってもどうせ通じない。
「せめて兄さんの頭を少しでも休ませたいと思って。雑務くらいは妹にお任せあれ」
そうして水樹は発表しようとメモを取り出す。正火斗は
「おい!」
と言ったが 水樹は
「大丈夫、兄さんを"林有里子班"には入れたから。──なら 文句ないでしょう?」
と どこ吹く風だ。正火斗が水樹のメモを取ろうとすると
「まあまあ、兄妹喧嘩はやめようよ」
と秀一に言われて……仕方なく手を下げた。
「ええと……そうね」
水樹は大体は考えて来たが、今の兄の説明を聞いて調整が必要だと思った。
椎名をこれ以上 可哀想な目に合わせたくないし、放っておいたら兄は雪崩だの狂信者の家だのに1人で行くだろう。
「華蔵家洋館・椎名美鈴、真淵聖
秋月未来班・神宮寺清雅、安西秀一
高校生班・浅倉奏衣、大道水樹
林有里子班・大道正火斗、桂木慎、桜田風晴」
ちなみに水樹は朝イチで浅倉から 正火斗と恋人解消の件を聞いた。だから兄と浅倉に片想いの桂木は一緒でヨシ!と判断した。
それに腕時計を返しに行くのにもらった桂木がいないのは不自然だ。仕方ないのだ。
「さあ! これで今日一日みんなで仲良く頑張りましょう!」
水樹の号令に秀一は
「よく考えられてる。頑張ったね。水樹は 班分けの女神だよ」
と拍手している。
椎名も拍手して"はやく桜田くんや水樹先輩達には失恋したことを話さないと"と思った。
数名は
"地獄の班分けだ……"
と思った。
数名、ね……




