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炎と白銀と〜聖夜の洋館の悲劇〜僕達の推理2  作者: シロクマシロウ子
第12章 事件と恋の混迷 

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093 班分けの女神

ー登場人物紹介ー

※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー

大道正火斗だいどうまさひと・3年生。大企業財閥御曹司。

大道水樹だいどうみずき・正火斗の妹。2年生。

安西秀一あんざいしゅういち・部長2年生。親が大道グループ傘下企業役員。

浅倉奏衣あさくらかなえ・副部長2年生。中等部から正火斗に片想い。

桂木慎かつらぎしん・2年生。明るくフレンドリー。

神宮寺清雅じんぐうじきよまさ・1年生。ややお調子者?

椎名美鈴しいなみすず・1年生。真面目でしっかり者。

桜田風晴さくらだかぜはる・田舎の農業高校2年生。

真淵聖まぶちひじり・風晴の同級生。話すのが苦手。


華蔵理人かぐらりひと・華蔵家現当主。

華蔵透子(かぐらとうこ)・理人の妹


斉藤豊子さいとうとよこ・華蔵家女中頭。

斉藤美郷さいとうみさと・豊子の孫。白吹村女子高生。

冴木拓眞(さえきたくま)・華蔵家運転手。理人の同級生。

戸田広雪とだひろゆき・白吹村男子校生。3年。

秋月未来(あきづきみく)・白吹村役場職員。

林有里子はやしゆりこ・白吹村役場職員。

 




 12月28日にすべきことを正火斗は分けた。



 洋館で女中達からクリスマスパーティーのゲームの出席者について、誰が当日登録(とうろく)、キャンセルしたかを確認すること。

 それから斉藤美郷(さいとうみさと)と斉藤豊子(とよこ)について調べること。



 秋月未来(あきづきみく)に会う約束も 神宮寺は再び取り付けることができていた。

 今日は大型ショッピングモールで会うことになっている。

 当然、彼女が冴木拓眞(さえきたくま)と何を話していたのかがポイントになる。重要な役割だ。



 戸田広雪(とだひろゆき)の見つけてくれた高校生達とも会えることになっている。彼らは冴木拓眞と秋月未来の話している様子を目撃(もくげき)している。

秋月から話を聞けるのだから補充的(ほじゅうてき)な話しになるが、せっかくの機会(きかい)なので行くことにしてある。



 正火斗は最後に 林有里子(はやしゆりこ)に今日中に会いに行くつもりだと告げた。


 日曜日の朝だからまだ連絡していないだけで、彼は神宮寺を通じて秋月未来から 林有里子の自宅の番号をすでに抑えていた。

 秋月から番号を聞く時点で"腕時計をやはり返したくなって"と伝えもある。

 十中八九(じゅっちゅうはっく) 林有里子周辺の──おそらくは両親が──プレゼントの準備、華蔵透子(かぐらとうこ)連れ去り未遂(みすい)、桜田風晴・真淵聖誘拐(ゆうかい)、冴木拓眞殺害(さつがい)遺棄(いき)(かか)わっていることは間違(まちが)いない。

 そして 斉藤美郷を使っても腕時計の空き箱を回収したかったのだから、この申し出に応じる可能性はかなり高いと思った。

 危険な対峙(たいじ)になるかもしれない。彼はそれには自分が行くと言った。






「はい! はい! はーい!」


 ここで水樹が座っていたソファから(いきお)いよく挙手(きょしゅ)した。


「何だ?」


 正火斗が尋ねる。水樹は


「本日は私が班分(はんわ)けをします!!」


 と宣言(せんげん)した。

 みんなから おぉーと声が上がり 正火斗は


「何で?」


 と言った。

 兄はこのメンバーで起こっている様々(さまざま)な人間関係を(まった)配慮(はいりょ)しないだろうから妹は決意したのだが、それを言ってもどうせ通じない。


「せめて兄さんの頭を少しでも休ませたいと思って。雑務(ざつむ)くらいは妹にお(まか)せあれ」


 そうして水樹は発表しようとメモを取り出す。正火斗は


「おい!」


 と言ったが 水樹は


「大丈夫、兄さんを"林有里子班"には入れたから。──なら 文句(もんく)ないでしょう?」


 と どこ()く風だ。正火斗が水樹のメモを取ろうとすると


「まあまあ、兄妹喧嘩(きょうだいげんか)はやめようよ」


 と秀一に言われて……仕方(しかた)なく手を下げた。


「ええと……そうね」


 水樹は大体(だいたい)は考えて来たが、今の兄の説明を聞いて調整(ちょうせい)必要(ひつよう)だと思った。

 椎名をこれ以上 可哀想(かわいそう)な目に合わせたくないし、(ほう)っておいたら兄は雪崩(なだれ)だの狂信者(きょうしんしゃ)の家だのに1人で行くだろう。



「華蔵家洋館・椎名美鈴、真淵聖

 秋月未来班・神宮寺清雅、安西秀一

 高校生班・浅倉奏衣、大道水樹

 林有里子班・大道正火斗、桂木慎、桜田風晴」



 ちなみに水樹は朝イチで浅倉から 正火斗と恋人解消の件を聞いた。だから兄と浅倉に片想いの桂木は一緒でヨシ!と判断(はんだん)した。

 それに腕時計を返しに行くのにもらった桂木がいないのは不自然(ふしぜん)だ。仕方(しかた)ないのだ。


「さあ! これで今日一日みんなで仲良く頑張りましょう!」


 水樹の号令(ごうれい)に秀一は


「よく考えられてる。頑張ったね。水樹は 班分けの女神(めがね)だよ」


 と拍手(はくしゅ)している。

 椎名も拍手して"はやく桜田くんや水樹先輩達には失恋したことを話さないと"と思った。


 数名は


 "地獄(じごく)の班分けだ……"


 と思った。


 数名、ね……








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