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炎と白銀と〜聖夜の洋館の悲劇〜僕達の推理2  作者: シロクマシロウ子
第1章 白き呪い

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006 ブチ切れる日もある

ー登場人物紹介ー


※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー

大道正火斗だいどうまさひと・3年生。実家は大企業の財閥グループ。

大道水樹だいどうみずき・正火斗の妹。2年生。

安西秀一あんざいしゅういち・部長2年生。父親は大道グループ傘下企業役員。

浅倉奏衣あさくらかなえ・副部長2年生。中等部の頃から正火斗に片想い。

桂木慎かつらぎしん・2年生。明るくフレンドリー。

神宮寺清雅じんぐうじきよまさ・1年生。ややお調子者?

椎名美鈴しいなみすず・1年生。真面目でしっかり者。


桜田風晴さくらだかぜはる・田舎の農業高校2年生。

真淵聖まぶちひじり・風晴の同級生。話すのが苦手。


華蔵理人かぐらりひと・華蔵家現当主。

華蔵透子かぐらとうこ・理人の妹。



 


 広間の中は次の瞬間、喜びの声が()き立った。


「桜田くん!!」

「桜田!」

風晴(かぜはる)!!」

「こころの友──!!」


 最後のが桂木慎(かつらぎしん)で、彼は叫びながら飛びついてきた。


(変わんないな、コイツ)


 それがやはり嬉しくはあったので、風晴も受け入れてポンポンと相手の背中を叩いた。


(ひじり)は!?」


 言いながら水樹(みずき)は駆け寄る。桂木のせいで動きが取れなかったので、風晴は目線で後ろを示した。


「…………」


 聖は風晴の後ろからおずおずと……出てきた。身を低くして手で自分を守るかのようにしている。


「聖だ!……聖、聖出ておいで。ね? ホラホラ さあ、いいものをあげるよ」


 水樹は言いながらポケットから飴を取り出した。すでに大阪のオバチャン状態だ。

 手のひらに飴の個袋をのせて聖に見せながら、少しだけ後ろに下がる。

 ──眼前で始まった餌付けするメンバーに桂木は心の中でツッコんだ。


(いいのか? それで!)


 だが聖もジリジリとだが風晴の背後から出てきた。

 飴の方向に誘導される友人を見て、風晴も口には出さないが激しくツッコんでいた。


(いいのか!? お前ホントにそれで!?)


 だが桂木や風晴の心のツッコミもよそに、聖は水樹にゆっくりと近づいて飴を取り


「ありがとう……水樹さん……」


 と言った。水樹は感激して


「聖────!」


 と叫んで彼の手を握った。

 聖は勢いに身を引いたがしっかりと つかまれている。(つか)まえられている?


 風晴と聖を知らない浅倉奏衣(あさくらかなえ)困惑(こんわく)して、水樹の彼氏である安西(あんざい)秀一に小声で尋ねた。


「何なのあの……(とうと)い小動物の感じの男子は? 水樹、大丈夫?」


 秀一は笑って


「大丈夫。彼は確かに尊いよ。──水樹に自分を取り戻させてくれた人だから」


 と言った。


「それってあなたじゃないの?」


 浅倉の問いかけに秀一は明確に首を振る。


「僕は何年かかっても駄目(だめ)だった。きっかけは彼だよ──真淵(まぶち)聖くん。もう一人は桜田風晴」


 言われて彼女は風晴を見て、思った。


(良くも悪くも……フツーな感じの男子……)


 水樹は聖の手を離さず話しかけている。


「聖来てくれてありがとう!! みんなを驚かせようと思って私と秀一以外には内緒にしてたの! ──あ、桜田もありがとね」


 水樹は風晴をチラリと見ただけで、久しぶりの(ナマ)・聖に夢中だ。明らかに(あつか)いが違う。

 だが聖は冷静だったようだ──


「水樹さん……正火斗(まさひと)、……さっきの話……重要だったんじゃない? ……ちゃんと聞いた方が……」


 その言葉に一同が


「「「「「「「あ」」」」」」」


 と息をのむ。


 すっかり注目を失っていた──華蔵理人(かぐらりひと)に再度 視線が集まり、彼が咳払(せきばら)いをして()り返した。

えらく軽いカンジで。


「そうそう、思い出してくれて良かったよ。

 正火斗くんと水樹さんにはちょっと僕ら兄妹のフリをしてほしいんだよね。

 それでホラ、クリスマスパーティーで誰かと親しげに振る舞ってほしいわけだよ。告白ゲームもあるしさ。

 ──そうしたら試せるからね、好きになる人は消えるのかどうか。"呪い"と呼ばれるものがホンモノかどうか。────ね?」



 ドンッ!!!!!!!!!!



 とあたりに大きくて強い音が鳴り響いた。

 振動(しんどう)で床が揺れたほどだ。

 風晴は何が起こったか気づいた──ソファにいた正火斗がローテーブルを叩いたのだ。彼は叫んだ。



「やるかそんなもん!!!!!」



 風晴は初めて 大道正火斗がブチ切れるのを見た。







  ……お怒りごもっとも。ʕ-ᴥ-ʔ

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