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炎と白銀と〜聖夜の洋館の悲劇〜僕達の推理2  作者: シロクマシロウ子
第9章 大事件と迷宮

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073 葉崎達哉の親族

ー登場人物紹介ー


大道正火斗だいどうまさひと・鳳翔院学園3年。大企業の財閥御曹司。


桜田風晴さくらだかぜはる・田舎の農業高校2年生。

真淵聖まぶちひじり・風晴の同級生。話すのが苦手。


華蔵理人かぐらりひと・華蔵家現当主。

華蔵透子かぐらとうこ・理人の妹。


冴木拓眞(さえきたくま)・華蔵家運転手。理人の同級生。

葉崎達哉はざきたつや・25年前からの行方不明者。

 




 葉崎達哉(はざきたつや)の姉の(とつ)ぎ先に正火斗達は到着(とうちゃく)した。

 その玄関の表札(ひょうさつ)に風晴は目を()めていた。


「"金森(かなもり)"……」


 そう(つぶや)いた時に


「はいはい、ご苦労様です」


 と声が聞こえて玄関が開いた。風晴は"やっぱり"と思わず指差(ゆびさ)して──


「金森さん!!」


 と叫んでしまっていた。金森香世(かなもりかよ)(おどろ)いたものの すぐに気づいて


「ああ! あの……マフラーのプレゼントの! ……桜田くん!」


 と笑顔になった。

 思いがけない嬉しい再会だった。








「良かったです。"お礼が言いたいな"って、オレ達 話していたんです。金森さんがくれたホッカイロ……(すご)く役立ったんです」


 金森香世は風晴達を喜んで部屋に上げて、客間らしい部屋でお茶と栗最中(くりもなか)を出してくれた。

 (あたた)かなお茶と金森の対応に全員ほっこりして 何か救われる想いだった。

 聖も(みずか)


「風晴がホッカイロを……貼ってくれて助かりました。……ありがとうございました」


 とお礼を言った。

 洞窟(どうくつ)に置いて行かれた時、風晴は聖の肌着にホッカイロを貼ったが、それをくれたのが金森香世だった。


 金森には当然(とうぜん)──すでに警察から洞窟を(ふさ)いでいるドアの鍵を(こわ)す許可についての話が来ていた。その際に行方不明(ゆくえふめい)事件と雪崩(なだれ)発生(はっせい)、まだ洞窟に残っている人間がいる情報があるからという説明を受けていた。


「まさか行方不明になっていたのが桜田くん達だとは思いもしなかったわ。…………大変な思いをしたわね……」


 風晴は冴木拓眞(さえきたくま)の死体の話はここでは()せた。自分の話をしに来たわけではない。

 25年程前の葉崎達哉の行方不明事件の、身近な人達からの視点(してん)を知りたいのだ。


 正火斗は口火(くちび)を切った。


「金森さん、警察が鍵を壊す許可をもらいに来たのはいつですか?」


「昨日よ。多分今日あたりあの扉を開けているんじゃないかしら」


 では もうすぐ冴木は見つかるかもしれない。風晴の脳裏(のうり)には透子(とうこ)がよぎる。


華蔵(かぐら)家でもいくらかは聞いて来ています。そもそも、洞窟の扉の鍵は葉崎達哉さんのお父さんの上着に入っていたと」


「──そう。間違(まちが)いないわ。私と達哉は7歳も離れていたから、昔から私は弟の面倒(めんどう)をみていた。

 達也は自分の上着はあちこちに脱ぎ捨てておく悪いクセがあったの。イスの背にかけたりソファに置いたままにしたりして、自分で忘れてしまうのよ」


 金森は苦笑(くしょう)しながら話したが瞳は(うる)んだ。


「……あの日もクリスマス・パーティーだっていうのに上着が見当たらなかった。達也は(あせ)っていたわ──"優美子(ゆみこ)さんが待っていてくれているのに"って。

 それで 玄関にかけられていた父のコートを着て行ったのよ」


 その後の経緯(けいい)は正火斗は豊子(とよこ)から聞いた知っていた。


「達哉さんが優美子さんに告白ゲームで愛を誓ったと聞きました。そして帰り際のクジで1位が当たり 華蔵家に宿泊が決まったと。

 だが朝になると姿が消えていた」


 正火斗の話に金森は うなずいた。


「私はもう金森に嫁いで……妊娠(にんしん)初期(しょき)だったの。悪阻(おそ)で体調が(つら)くて実家に戻っていただけ。

 そう言う状態だったから私は──父が華蔵家に行って聞いた話しか分からない。でも聞いたのは 今のと(まった)く同じ内容よ」


 正火斗は金森香世に聞いた。


「金森さん、()()()()弟さんに何が起こったと考えましたか?

 達哉さんが吹雪(ふぶき)の夜消えたのは "白吹の呪い"のせいだと思いましたか?」


 彼女は3人を見つめてハッキリと答えた。



「いいえ。私は弟は殺されたと思っています。──"白吹の呪い"に ()()()()()







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