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炎と白銀と〜聖夜の洋館の悲劇〜僕達の推理2  作者: シロクマシロウ子
第9章 大事件と迷宮

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070 いろいろスレスレの車中

ー登場人物紹介ー


※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー

大道正火斗だいどうまさひと・3年生。実家は大企業の財閥グループ。

大道水樹だいどうみずき・正火斗の妹。2年生。

安西秀一あんざいしゅういち・部長2年生。親が大道グループ傘下企業役員。

浅倉奏衣あさくらかなえ・副部長2年生。中等部から正火斗に片想い。

桂木慎かつらぎしん・2年生。明るくフレンドリー。

神宮寺清雅じんぐうじきよまさ・1年生。ややお調子者?

椎名美鈴しいなみすず・1年生。真面目でしっかり者。


桜田風晴さくらだかぜはる・田舎の農業高校2年生。

真淵聖まぶちひじり・風晴の同級生。話すのが苦手。


冴木拓眞(さえきたくま)・華蔵家運転手。理人の同級生

天羽生颯(あもうはやて)・白吹村の引きこもり男性。

 




 結局──代わりの運転手もいないので正火斗、風晴、聖は天羽生(あもう)(はやて)の運転する車に乗る──しかない。


 乗る前に風晴は 正火斗に"理人さん"ではなくて"正火斗"で良いのか確認した。

 正火斗は今日は髪型も普段の彼のものに戻しているし、眼鏡(めがね)もかけている。それでも……バレる可能性もある。

 正火斗は こともなげに


「バレたらその時はそれでいい」


 と言った。

 ハッキリ言って天羽生は、そもそも聖以外の人間は あの日も今日もあまり気に()めていない感じではある。

 車はNOTE(ノート)で5人乗りのために後ろに3人が入れた。助手席に聖はいかない。

 それでも、冴木拓眞(さえきたくま)の実家に向かう車中で彼は話し出した。


「僕はこうして外で働き出しました、聖さん。

 もうバーチャルアイドルを20時間連続で応援もやっていないですし、祖父ばかりが雪寄せしないで僕も手伝っているし、料理の人参とピーマンとナスとカリフラワーをよけたりもしていません。────こんな僕なら、あなたはどう思いますか?」


「……………………」


 聖は言葉に(こま)っている──困るだろう!!!

 風晴と正火斗は"コイツそんなこともしてたのか"と思った。


 …………沈黙(ちんもく)が続いたので正火斗はあまりややこしくならないうちにと、真実(しんじつ)を天羽生に()げた。


「天羽生さん、聖は……男の子なんです」


 しかしなんと! 天羽生の返事は予想外だった!!


「──だから? 今朝(けさ)服装を見て分かったよ。でも別にいいよ。女装(じょそう)したら可愛いかったんだから」


 後部座席は極感(ごくかん)地帯(ちたい)となった。────これはかなり本気だ!!


「聖はクリスマスパーティーでたまたま ああいう格好をしただけです。普段はいろいろな意味で普通の男の子です。

 ですからその……恋愛対象(れんあいたいしょう)みたいに男性から思われたら、彼はとてもその……気持ち悪……」


「正火斗!!」


 聖が(めずら)しく大声を上げた。正火斗と風晴が(おどろ)く。


「それは……そういうのは……相手によると思う。……女の子か男の子かって、そんなに……大事なことかな……?」


 運転席から奇声(きせい)が上がり、天羽生颯は肩を()らしてる。


「ホラ聞け!! 聖さんは分かってる!! 聖さんは分かってくれてるよ!!」


 正火斗は聖の身の安全を考えた。


「恋愛感情は……やっぱり相手への迷惑(めいわく)を考えないと。聖だって困るだろう? その、男子から言い寄られたり 告白されたら……」


 聖は正火斗を考えている。


「言い寄られたり告白されたりして困るのは、嫌な女の子でも困ると思う。だから……だからだからだから……」


「いけ! 言ってやっちゃって下さい!! 聖さん!!」


 天羽生が(あお)る。わっせい! わっせい!


「だから……男の子が男の子を想ったって……きっと……」


 そこで風晴は(いだ)いた疑問を率直(そっちょく)に聞いた。



「聖は誰が好きなんだ?」



 さほど()()かず聖は答えた。



「……風晴と正火斗」



 風晴は聖にうなずくと、前を見て



「天羽生さん、入ってないって」



 と言った。



 車が止まった────



 冴木拓眞の実家に着いていた。








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