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炎と白銀と〜聖夜の洋館の悲劇〜僕達の推理2  作者: シロクマシロウ子
第8章 調査開始

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065 明日からの激戦

ー登場人物紹介ー


※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー

大道正火斗だいどうまさひと・3年生。実家は大企業の財閥グループ。

大道水樹だいどうみずき・正火斗の妹。2年生。

安西秀一あんざいしゅういち・部長2年生。親が大道グループ傘下企業役員。

浅倉奏衣あさくらかなえ・副部長2年生。中等部から正火斗に片想い。

桂木慎かつらぎしん・2年生。明るくフレンドリー。

神宮寺清雅じんぐうじきよまさ・1年生。ややお調子者?

椎名美鈴しいなみすず・1年生。真面目でしっかり者。


桜田風晴さくらだかぜはる・田舎の農業高校2年生。

真淵聖まぶちひじり・風晴の同級生。話すのが苦手。


華蔵理人かぐらりひと・華蔵家現当主。

華蔵透子かぐらとうこ・理人の妹。


橘信蔵たちばなしんぞう・華蔵家執事。

山原海(やまはらかい)・華蔵家料理人。

冴木拓眞(さえきたくま)・華蔵家運転手。理人の同級生。

 




 透子の部屋の前の廊下で風晴と話した後、正火斗と理人が今度は透子の部屋にノックをして入っていった。

 少し気になりはした──が、風晴は風晴でやるべきことを見つけていた。



 そして彼は 再び華蔵家の厨房(ちゅうぼう)にお邪魔(じゃま)した。

 正火斗のリクエスト(?)もあって、夕食を親子丼にできないか、料理人の山原海(やまはらかい)に相談してみたかったのだ。

 食材の都合(つごう)やメニューの()ね合いもあるだろうからと、風晴はかなり(おそ)る恐る提案(ていあん)した。必ずしも今夜でなくとも、別の日でもいいと覚悟(かくご)さえしていた。が、意外(いがい)にも山原は喜んで受け入れてくれた。


「いやぁ、さっき透子様に持っていく分を作っていただろう? うまそうだなぁって思ってたんだよね」


 と、丸みのある顔の彼はにこにこして言った。

 こうして、夕食の献立(こんだて)は親子丼に決まった。



 山原は洋食専門のようだし、自分は所詮(しょせん)素人(しろうと)だ。2人は無理せず"めんつゆ"を使うことにした。最近の市販のたれやつゆは とても味よくできている。


 鶏肉を一口大にカットして、玉ねぎを切る。みつばは無かったが、大葉の千切りと青ネギで代用(だいよう)することにした。鶏肉と玉ねぎを水を加えた めんつゆで煮込(にこ)む。

 鶏肉に色がつく程度(ていど)に煮込んだら、といた卵の半分を入れて少しまた煮る。仕上げる直前に残りの卵を入れるとふんわりとした親子丼になる。


 味噌汁は大根としめじとわかめ。これにキュウリと ゆず白菜のお新香(しんこう)をつけた。


 作っていたら、トレイに小丼(こどんぶり)をのせて持ってきた橘が風晴に


「透子様、()し上がられましたよ」


 と教えてくれたので、風晴と山原は笑みを()わした。








 夕食の席でも親子丼は好評(こうひょう)だった。


「安心する味です…………!」


 と椎名は()みしめるような顔をして言って


「桜田くんのご飯、また食べれて嬉しいです!」


 と風晴に向かって言ってくれた。


「うわぁ、本当だ。美味(おい)しいこれ。もう料亭の味」


 と浅倉は大絶賛だ。風晴は


(ちが)う違う。めんつゆが偉大(いだい)なだけ」


 と訂正(ていせい)したが、


「玉子がトロッとしてて凄く美味しいよ」

「桜田の料理だけは(みと)めるわ」


 と秀一や水樹も()めてくれた。


「夏休みのケーキも売れそうでしたよ」

「そうそう。今度は甘いもの(たの)む! マブダチ!」


 神宮寺が前のケーキを褒めてくれて、最後に桂木がそう言ったので、風晴は


(こいつ紅白饅頭(こうはくまんじゅう)食べてないのかな……)


 と気になった。チラリとだけ椎名を見て、あとで聞いてみようと思った。


 理人までしみじみと


「うん、美味かったよ。いいよね、親子丼て」


 と食後に言った。

 正火斗だけは、食べ終わっても(まった)く違うことを口にした。


「水樹に確認したが、みんな今回の滞在(たいざい)を30日までにしているんだろう?」


 テーブルに着いている、ミステリー同好会メンバーと聖と風晴は皆、頭を上下に動かした。


「残りは4日。──少なくとも明日から3日間はフルで動いてくれ。とにかくこの白吹村(しらぶきむら)村民の情報が欲しい。それで"白吹の呪い"を人為的(じんいてき)に作っている連中をあげて帰るつもりだ」


 空気がピシリと締まった気がした。


「連絡先を交換している者達はできれば今夜にでも連絡をして──クリスマス・パーティーで知り合った人達と明日会ってほしい。

 車については午後に理人さんに運転手の手配(てはい)を頼んだ。

 会う人間のいないものは、洞窟(どうくつ)所有者(しょゆうしゃ)である葉崎達哉(はざきたつや)の親族に話を聞きに行く。

 それから、冴木拓眞の母親」


「待って待って。クリスマス・パーティーで知り合った人には、一体何をきいたらいいの?」


 質問は浅倉だった。


「12月24日にこの洋館で気づいたことはなかったか。冴木拓眞については特にだ。

 浅倉はトークタイムで冴木が誰かと会っていたのを本人から聞いたと言っていただろう? その相手が分かれば1番いい」


 正火斗は他のメンバーに向けても言った。


()()めるなら"白吹の呪い"や、華蔵家を理人さんが自分の代で終わらせる予定のことをどう思っているか。不穏(ふおん)過激的(かげきてき)な連中もいないかまで聞いてほしい──が、殺人まで起こす人間が()じっていることを忘れないでくれ。

 相手に聞く内容は、聞いている場所と状況(じょうきょう)を考えて判断(はんだん)してほしい」


 正火斗は無駄(むだ)な説明まではしなかった。

彼はミステリー同好会メンバーのレベルの高さを信頼している。

 正火斗は桂木に視線(しせん)を向けた。


「桂木はもう、クリスマスパーティーのトークタイムで(はやし)有里子(ゆりこ)と話したんだろう?

 彼女は 小学6年生の時に姿を消した いきさつを、一体(いったい)どう言っていたんだ?」








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