063 会いたい人々
ー登場人物紹介ー
※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー
◆大道正火斗・3年生。実家は大企業の財閥グループ。
◆大道水樹・正火斗の妹。2年生。
◆安西秀一・部長2年生。父は大道グループ傘下企業役員。
◆浅倉奏衣・副部長2年生。中等部から正火斗に片想い。
◆桂木慎・2年生。明るくフレンドリー。
◆神宮寺清雅・1年生。ややお調子者?
◆椎名美鈴・1年生。真面目でしっかり者。
◇桜田風晴・田舎の農業高校2年生。
◇真淵聖・風晴の同級生。話すのが苦手。
○華蔵理人・華蔵家現当主。
○華蔵透子・理人の妹。
○橘信蔵・華蔵家執事。
○冴木拓眞・華蔵家運転手。理人の同級生。
12月26日午前11時00分──
正火斗、風晴、聖は華蔵家洋館に戻ってきた。
「水樹だ!! 水樹本当に会えて嬉しい!! とにかくありがとう!! 水樹のおかげで助かった!!」
退院してきた風晴に、水樹は物凄い勢いで感謝された。
風晴は本当は抱きつきたいくらいだったが、秀一との友情が壊れるのでなんとか自分を抑えたくらいだった。代わりに水樹を眺めてしみじみと言った。
「水樹って本当に……何かの女神なのかもしれないよな。よく見ると……やっぱり人間離れしてるくらい綺麗だし。いるんだな、神がかっている人って……」
いよいよ言動が怪しくなってきた──ので当然
「駄目だ風晴!! 風晴とは言え、水樹をそれ以上熱く見つめていたら許せなくなる!!」
「部長、水樹先輩、桜田くん、いよいよ三角関係なんですね!!」
「友情を超えるならオレだろう!! 桜田!!」
と秀一、神宮寺、桂木がパニクった。
当事者の水樹は
「気味が悪いわよ桜田、頭の打ちどころ悪かったんじゃないの?」
とバッサリだ。
聖が進みでて、珍しく解説した。
「風晴……折りたたみナイフと飴玉が……とても助かったから感謝してる……。水樹さんは前にくれたナイフも……病院で役立ったから……神様みたいって……」
頑張った。
なんでか、聖が言うと水樹は感動した。
「そんなこと全然いいんだよ。多分 桜田の図太さの賜物だろうし。でも聖を助けられているんなら嬉しいよ。寒いのに頑張ったね、聖。えらかったねー、飴あげるね」
こうして大道水樹は女神からオバチャン化してしまった。
聖は素直に飴をもらっている。
── 一連を見ていた浅倉は
「何だか夏休みの彼らとの やり取りが 想像できるような気がしてきたわ」
と言った。
「拍車がかかってはきてる」
と正火斗は付け足した。
風晴は少し離れたところにいた華蔵理人に視線を移した。
「理人さん、病院代をありがとうございます。それから多分……ヘリコプターレンタル代金もですよね?」
理人は少し苦笑した。彼は風晴だけでなく、聖や正火斗の病院代も持ってくれていた。
聖はペコリと頭を下げている。
「いいんだよ。そもそもがこっちが原因みたいなものだからね」
「そうですよね」
と正火斗は横柄に言った。理人はそんな彼を目を細めて見た。
「君だけには自腹にしてもらおうかなぁとだいぶ迷ったけどね。君のところは僕の一族よりだいぶお金持ちだからね」
すると正火斗はサラリと
「金はあとで大量に支払うつもりですよ」
と言った。理人を含めた全員が意味の分からない顔をしたが、今は正火斗はそれ以上説明するつもりがなかった。彼は
「風晴、透子さんのことを聞きたいんじゃなかったのか?」
と風晴に大声尋ねて話を変えた。風晴はうなずく。
「うん。────理人さん、病院に迎えに来てもらった橘さんから、透子さんが食べれていないって聞きました。本当ですか?」
その質問に 理人は顔を曇らせた。
「今は……仕方ないと思っているよ。冴木への気持ちのことも……いろいろあるだろうし、呪いが実際に起こったショックや、死亡という情報までもあって……」
彼は肩をすくめた。
「どうにもならない。……医者に健康状態は大丈夫だといわれているから、様子を見るよ」
風晴は言った。
「オレに透子さんに会わせてもらえませんか?」




