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炎と白銀と〜聖夜の洋館の悲劇〜僕達の推理2  作者: シロクマシロウ子
第8章 調査開始

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059 予期せぬ結末

ー登場人物紹介ー


※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー

大道正火斗だいどうまさひと・3年生。実家は大企業の財閥グループ。

大道水樹だいどうみずき・正火斗の妹。2年生。

安西秀一あんざいしゅういち・部長2年生。父は大道グループ傘下企業役員。

浅倉奏衣あさくらかなえ・副部長2年生。中等部から正火斗に片想い。

桂木慎かつらぎしん・2年生。明るくフレンドリー。

神宮寺清雅じんぐうじきよまさ・1年生。ややお調子者?

椎名美鈴しいなみすず・1年生。真面目でしっかり者。


桜田風晴さくらだかぜはる・田舎の農業高校2年生。

真淵聖まぶちひじり・風晴の同級生。話すのが苦手。


華蔵理人かぐらりひと・華蔵家現当主。

華蔵透子かぐらとうこ・理人の妹。


斉藤豊子さいとうとよこ・華蔵家女中頭。

冴木拓眞(さえきたくま)・華蔵家運転手。理人の同級生。

松下寿明まつしたとしあき)・喫茶店・寿店長。


◾️これまでのあらすじ

鳳翔院学園ミステリー同好会メンバーとN県白吹村の洋館ペンションで再会した風晴と聖。

しかし洋館当主の華蔵家には"白吹の呪い"があり、24日クリスマスパーティーの後、風晴、聖、冴木の3人が洋館から姿を消す。ミステリー同好会メンバーと正火斗のおかげで、連れて行かれた洞窟が雪崩に埋まる寸前に風晴と聖は救助される!が、救助できなかった者も…………


 



 2025年12月25日午前10時10分──




 華蔵(かぐら)家の洋館で、華蔵理人(りひと)やミステリー同好会メンバーは正火斗(まさひと)からの連絡を待っていた。

 透子(とうこ)には華蔵家の主治医(しゃじい)が早朝から呼ばれ、安定剤や睡眠薬(すいみんやく)処方(しょほう)されたので──彼女は自室で眠っていた。


 今か今かとみんながうろうろと歩き回っていた。秀一(しゅういち)だけは座ってスマートフォンで 気象(きしょう)情報をひたすら追っている。


「あー!! どうなっているんでしょうか!? 一体(いったい)……!!」


 限界(げんかい)のきた神宮寺(じんぐうじ)が髪をグシャグシャにしながら叫ぶ。


「遅いですよね? 見つからなかったんでしょうか、洞窟(どうくつ)では……」


 椎名(しいな)()えきれないように口にした。


「だとしても連絡ほしいよな」


 桂木(かつらぎ)だ。


「連絡できない状態(じょうたい)だとか……」

 

 水樹(みずき)も心配で(つか)()てている。


「……正火斗やヘリコプターも巻き込まれたりしたんじゃ……」


 浅倉(あさくら)は顔色も悪くなってきた。


「……………………」


 理人は取り乱したりはしないが、じっと窓の外を見つめている。そこに──


「理人様!! お電話が入りました! 松下(まつした)様からです!」


 と豊子(とよこ)に呼ばれて理人は足早に休憩室(きゅうけいしつ)を出た。

 ミステリー同好会メンバーもぞろぞろと理人の後を追う。だがその時──水樹のスマートフォンが鳴った。

 水樹が画面を見て


「兄さん!!」


 と叫んだのでミステリー同好会メンバーは全員がそちらに注目した。秀一さえも。


「兄さん!? (ひじり)達は……」


 と水樹はすぐ呼びかけた。が、返事はゆっくりと──


『……水樹さん?……』


 と聞こえて──その声に


「聖!?」


 と水樹は(おどろ)いた。

 水樹の声に今度はミステリー同好会メンバーはワタワタし 秀一がせめてもと


「水樹、スピーカーにして」


 とお願いする。水樹は画面のスピーカーを押した。


『水樹さん……正火斗が貸してくれて連絡して……ます』


 聖の話し声が続く。


『今……正火斗も風晴も僕も病院で……マイナンバーカードと財布が()しいので……できれば持ってきてほしくて』


 浅倉は耐えきれなくて聞いた。


「正火斗も!? 彼も病院に!?」


『……………………病院です……入院します……』


 浅倉と初めて話すからか聖の声にはビクビクしている感じが表れた。ミステリー同好会メンバーは それどころではない。聖の言葉そのものが衝撃(しょうげき)だ。


「正火斗…………!」

「兄さん、雪崩(なだれ)()き込まれちゃったの!?」


 浅倉と水樹は ややパニックにすらなっている。椎名も黙っていられなくて聞いた。


桜田(さくらだ)くんも!? 桜田くんも入院ですか!?」


 聖は沢山(たくさん)質問がきて かなり(こま)った。


『……はい。頭をやられて……入院です。警察も……来ていて……。正火斗は僕を守って……白い雪が……いっぱいつきました。』


 と説明した。──もう大騒(おおさわ)ぎだ!!


「オ、オレの戦友がやられた!?」

「大道先輩が雪崩に──!!」

「警察が入ったんじゃ、もう……本当に……」


 |桂木、神宮寺、秀一である。


 そこに──理人が休憩室に戻ってきた。


「あ、みんな! 松下さんから連絡があって聖くん、風晴(かぜはる)くんは無事(ぶじ)だそうだ。ただ2人とも足や頭の怪我(けが)もだし……メンタルカウンセリングを明日受けてから帰宅になるから、一泊だけ入院するって。

 雪崩は間一髪(かんいっぱつ)で かわせたらしいけれど……」


 そこで彼は少し苦笑(くしょう)した。


「正火斗くんが病院で脱水(だっすい)症状(しょうじょう)(たお)れたそうだ。血圧も高かったらしくて、一晩入院だって。──彼は今回 本当に難儀(なんぎ)したんだろうね」


 ミステリー同好会メンバーは静かにその言葉を反芻(はんすう)した。


「脱水症状……」

「そっちか……」


 浅倉と桂木が(つぶや)く中、スピーカーから聖の声が(ひび)く。


『……はい。……マイナンバーカードと財布。……できれば着替えも…….お願いします……』


 全員が脱力(だつりょく)して、笑い声さえあった。



 だが──理人の最後の言葉はそれを打ち消すものだった。



残念(ざんねん)だが、拓眞(たくま)は洞窟内で死んでいたらしい。桜田風晴くんが確認したらしくて……警察に事情(じじょう)を聞かれている」









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