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炎と白銀と〜聖夜の洋館の悲劇〜僕達の推理2  作者: シロクマシロウ子
第7章 白銀との戦い

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056 その陽射しのもとで

ー登場人物紹介ー


※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー

大道正火斗だいどうまさひと・3年生。実家は大企業の財閥グループ。

大道水樹だいどうみずき・正火斗の妹。2年生。

安西秀一あんざいしゅういち・部長2年生。父は大道グループ傘下企業役員。

浅倉奏衣あさくらかなえ・副部長2年生。中等部から正火斗に片想い。

桂木慎かつらぎしん・2年生。明るくフレンドリー。

神宮寺清雅じんぐうじきよまさ・1年生。ややお調子者?

椎名美鈴しいなみすず・1年生。真面目でしっかり者。


桜田風晴さくらだかぜはる・田舎の農業高校2年生。

真淵聖まぶちひじり・風晴の同級生。話すのが苦手。


冴木拓眞(さえきたくま)・華蔵家運転手。理人の同級生。

 



 真淵聖はすっかり明るくなった外の世界を感じた。

 ()れ下がったブルーシートも うっすらと(とお)(ほど)の強い陽射(ひざ)しだ。


(外に出てみようかな……)


 そう思ってブルーシートに手を()ばすと、()りかかっていた風晴の頭が()れた。


「……ん…」


 風晴がゆらりとしながらも、自分で身体を起こしたので聖は


「ごめんなさい。…………起こした」


 と言った。風晴は聖のその声で現実を思い出す。


「……大丈夫。物凄(ものすご)くよく寝た。夢も見なかった」


 本当にそうだった。自分の図太(ずぶと)さに感心(かんしん)さえする。身体(からだ)だけはやたら動かしていたから かもしれないが。


「外…….凄く明るい」


 聖の言葉にブルーシートを見上げると、確かにそれが分かった。


「出てみるか」


 と風晴は、雪に()め込むことで()めていたブルーシートを引き下ろす。

 陽射しが一気に2人を()らした。


「うわ……凄く天気いいな」


 片手で(さえぎ)りながら(つぶや)く。

 2人共かなりの時間座りっぱなしだったので身体(からだ)()ばしたかった。それは足を怪我(けが)している聖もで、風晴は聖を(ささ)えて一緒に外に出た。

 雪原の雪に足はかなり埋まるが、スコップで()らなくてもなんとか……進む、その時だった。


「風晴! 聖!」


 聞き覚えのある声に呼ばれて顔を上げると、やはり──正火斗がいた! でも、それこそ夢ではないかと不安になるくらいだ。

 ここに この場所に いるなんて──


「「正火斗……!!」」


 彼は息を切らしていたが、スノーシューのおかげか足の運びは速かった。あっという間に風晴と聖のところまで来ると、呆気(あっけ)に取られている2人を抱き締める。


「……良かった。……2人共無事で……!」


 風晴も聖もとにかく嬉しかった。正火斗の存在の安堵感(あんどかん)は大きい。

 やがて背の低い聖が頭を下げて3人の()から()けたので、風晴は


「聖?」


 と不思議に思った。


「よけた方がいいかと思って……」


 瞳を合わせず2人に聖は言う。正火斗は


「遊んでる場合じゃないんだ。実は時間がない。冴木さんは?」


 と風晴の作った雪穴(ゆきあな)の方を見ながら(たず)ねた。

 ──風晴の表情は瞬時(しゅんじ)(しず)んだ。


洞窟(どうくつ)の奥。…………冴木さんは……死んでる」


 自分の予測していない事態(じたい)が何かあったのだと正火斗は(さっ)した。それでも──今は話を聞いている時間も無い。


 風晴の腕を(つか)んだ。しっかりと。彼も正火斗を見上げた。


「──風晴、目の前の洞窟上の斜面(しゃめん)雪崩(なだれ)発生(はっせい)する可能性(かのうせい)が今朝は高いんだ」


 風晴も、聖も正火斗の話に()を見開く。


「理人さんは今日は雪崩が起きると断言(だんげん)もしている。

 できるだけ早く──ヘリで来たが、ヘリでは近づけなかったんだ。音が雪崩の引き金にもなり得るから。だから、早くここから(はな)れなきゃならない!!」


「わ、わかった……行こう!!」


 ようやく状況(じょうきょう)を理解した風晴は歩きだそうとして、その足が雪に埋まる。

 正火斗はリュックを下ろして、中から出したスノーシューを風晴に渡す。


「これをブーツに着けて。歩きやすくなる」


 正火斗はさらに、自分のジャケットを脱いで、毛布をまとう聖に渡した。


「これを着て──靴紐(くつひも)(しば)って。できたら おぶる」


 聖も、受け取ってすぐに動きだす。

 風晴が


「正火斗、それで寒くない?」


 と聞いた。彼は答えた。


()け足できたようなものだから熱くて、これで丁度いいくらいだ───問題はそこだが」



 (まばゆ)いほどの日光を白い雪達は反射(はんしゃ)する。そして、斜面は(おお)うものもなく、一面にその光を()びていた────











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