043 状況の整理2
ー登場人物紹介ー
※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー
◆大道正火斗・3年生。実家は大企業の財閥グループ。
◆大道水樹・正火斗の妹。2年生。
◆安西秀一・部長2年生。父は大道グループ傘下企業役員。
◆浅倉奏衣・副部長2年生。中等部から正火斗に片想い。
◆桂木慎・2年生。明るくフレンドリー。
◆神宮寺清雅・1年生。ややお調子者?
◆椎名美鈴・1年生。真面目でしっかり者。
◇桜田風晴・田舎の農業高校2年生。
◇真淵聖・風晴の同級生。話すのが苦手。
○華蔵理人・華蔵家現当主。
○華蔵透子・理人の妹。
○橘信蔵・華蔵家執事。
○斉藤豊子・華蔵家女中頭。
○冴木拓眞・華蔵家運転手。理人の同級生。
○松下寿明・喫茶店・寿店長。
「私トークタイムの時、冴木さんと会っています」
休憩室は丸いテーブルが4つ置いてあって、それぞれに背もたれのない猫足の丸イスが置かれている。
水樹と秀一と座るテーブルから、浅倉奏衣が挙手して声を上げた。
全員の視線が集まる。
「トークタイムはラブッキーくんのぬいぐるみをくれた人にお礼を言いに広間に行ったの。
話が終わって出口に行く時、ソファにいたスーツの冴木さんを見つけました。私達目がバッチリあってしまって……話までしました」
「何を話した?」
正火斗は浅倉に尋ねた。
「ええっと……私は"プレゼント探しゲームに参加していたんですか? 気づきませんでした"と言って、冴木さんは"ゲームは参加していなくて、今会っていたのは違う約束の人"と言っていました」
微妙な沈黙が流れた。
秀一が透子に聞いた。
「確認ですが……その約束は透子さんではないんですよね?」
本当に確認だった。そもそも女中姿の透子が広間で冴木とソファで向かい合っているのは目立ち過ぎるだろう。
「ええ、違います」
とやはり彼女は答えた。
「誰に会っていたのかは浅倉は見ていない?」
正火斗は再び聞いた。彼女は首を左右に振る。
「私が座っていた位置からは全く見えないところだったの。ごめんなさい。だから見当もつかない──私には」
桂木も口を開いた。
「けど、ちょっと大事なトコかもだよな。透子さんと両思いになった直後に会ってるってことだから──」
「話したかもしれませんよね。知り合いにだとしたら、そのことを。嬉しすぎて」
椎名が続きを引き取った。向かいにいた桂木はうなずく。
神宮寺は不快をあらわにして言った。
「車2台が本当に関わっているなら呪いではなくて人間による連れ去りですよね?
当主の妹と付き合うのに反対して? "当主"に告白された真淵くんも連れさられて、桜田くんは巻き込まれ……?
それってちょっと酷過ぎる文化じゃないですか……」
そこに、斉藤豊子がコーヒーを大きなトレイで持って来た。
「お砂糖は入れてきましたが、ミルクはお好みでお足し下さい」
彼女の声かけに、席を立ってみんながコーヒーを取りに行く。理人と透子には、それぞれに橘と豊子が運んで行った。
最後に取りに行った正火斗は、神宮寺の言葉を反芻していた。
この事件は今 その動機の可能性が最も高い。
──そして、仮に地域の狂信的な犯罪だとすると最も恐ろしいのは……
犯人が何人いるか分からないところだ──
正火斗は持っては来たコーヒーのカップはテーブルに置いた。
これ以上の憂いは不要で、今はしっかりしていたかった。
彼は口を付けなかった。




