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炎と白銀と〜聖夜の洋館の悲劇〜僕達の推理2  作者: シロクマシロウ子
第6章 聖夜の悲劇

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040 始まる事件

ー登場人物紹介ー


※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー

大道正火斗だいどうまさひと・3年生。実家は大企業の財閥グループ。

大道水樹だいどうみずき・正火斗の妹。2年生。

安西秀一あんざいしゅういち・部長2年生。父親は大道グループ傘下企業役員。

浅倉奏衣あさくらかなえ・副部長2年生。中等部の頃から正火斗に片想い。

桂木慎かつらぎしん・2年生。明るくフレンドリー。

神宮寺清雅じんぐうじきよまさ・1年生。ややお調子者?

椎名美鈴しいなみすず・1年生。真面目でしっかり者。


桜田風晴さくらだかぜはる・田舎の農業高校2年生。

真淵聖まぶちひじり・風晴の同級生。話すのが苦手。


◾️これまでのあらすじ

鳳翔院学園ミステリー同好会メンバーとN県白吹村の洋館ペンションで再会することになった風晴と聖。

しかし洋館当主の華蔵家には"白吹の呪い"があり、現当主の理人と透子兄妹から、正火斗と水樹はクリスマスパーティーでの身代わりをお願いされてしまう。24日クリスマス・パーティーは2人が代役を果たし無事に終了したが、外は呪いが起こるという吹雪になっていた…………


 



 本格的な着物を()くのも高校生達には難儀(なんぎ)だったので、風晴達は2階の衣装(いしょう)室で女中達の手を借りて()ぐことになった。

 男子の方は人数が多かったので、風晴と聖は少し待って後になった。

 聖は特に、お化粧(けしょう)を落としたりする必要もあった。時間のかかる聖を待つ風晴に、秀一達が


「僕らも待っていようか? 真淵くん、足も悪いから大変だろう」


 と声をかけてくれた。


「さっき聞いたら、痛みがひいて固定(こてい)もしてもらったから歩けるって。階段だけはおんぶかもしれないけど、──いけると思う」


 最後のひと言は"聖が"ではなくて風晴が1人でも、ということだ。実際、着物さえ脱いでくれれば聖と風晴は体重差も身長差もある。階段3階分おんぶは、ハードだが出来ないこともないと風晴は考えた。


 秀一や桂木、神宮寺はそれでも一緒に残ろうとしてくれたので、風晴はさらに言った。


「キツそうなら正火斗に声をかけるよ。今夜正火斗は3階の隣りの部屋に入るだろうし」


 それを聞いて 彼らも納得(なっとく)してくれた。


「おやすみ」

「ハッピーメリークリスマス」

「では、また明日!」


 と3人は宿泊室に戻って行った。







 ──やがて、聖も手伝いの女中2人と着付け部屋から出て来た。

 聖はあくびをしていた。無理(むり)もない。

 私服に戻った聖は、カーキの長袖Tシャツにグレイのイージーパンツだった。足を怪我(けが)したのでスリッパだ。

 館内は暖かいし、今朝はすぐ着替えがあると思ったのだろう。軽装(けいそう)だった。


(これなら階段3階分も行けそうだな)


 と、風晴は思った。

 女中の1人が


「こちら、お忘れなく」 


 と通り過ぎざま、聖に折りたたみナイフと金色のガラポンの玉を渡して、そして出て行った。

 聖は折りたたみナイフと金色のガラポンの玉をイージーパンツのポケットに入れた。

 天羽生(あもう)(はやて)のプレゼントのアクリルスタンドは、そのキャラクターを知っていて好きな女中がいたので、すでに(ゆず)ることが出来ていた。


 風晴はブラウンのセーターにジーンズだった。途中で草履(ぞうり)から()き替えたので足首までのブーツだ。

 告白タイムの時に一度3階の自室に戻って、プレゼント探しでもらったフェルトのケーキは置いてきてあった。

 金森香世(かなもりかよ)がくれた『貼るホッカイロミニ』とガラポンでもらったペンライトと青色のガラポンの玉は、やはりポケットに今は入っている。

 着替えもあるしここでは役立たないことが多いので、2人ともスマートフォンは朝から部屋に置いて来ていた。



「じゃあ、上に行こう」


 風晴は聖に声をかけ、聖はうなずいた。

 2人が衣装室の扉に向かって歩き出した──その扉が開いて──

 入って来たのは3人の 白い(きつね)のお面を付けた人達だった。


「!!」


 風晴と聖は驚いた。

 驚いたが風晴は何かの団体なのかもしれないと判断(はんだん)(まよ)った。だが聖はすぐに、足を引きずっても着付け部屋のふすまを開け、積んであった座布団(ざぶとん)を彼らに投げつけた。

 風晴がその行動に目を見張(みは)っていると、聖が(さけ)んだ。


「逃げて風晴! ……この人達……良くない!!」


 言っているうちにも聖は狐の面の3人に取り囲まれていく。座布団で応戦(おうせん)したがすぐに取り上げられ、1人に白い布を口に押し当てられる。他の2人は両脇(りょうわき)で聖の腕を取った。


「やめろ!! 何するんだ!!」


 風晴が聖の元に駆け寄ろうとした時──


 ガッ!!


 と耳の中で音がして頭に衝撃(しょうげき)を感じた。


 "後ろから(なぐ)られた"と気付いた時には(くず)れ落ちていた。

 視界(しかい)(ゆが)み……意識(いしき)は遠のく……



 ……最後に問いかけていた



 一体(いったい) 何人いるんだ? ────と。






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