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炎と白銀と〜聖夜の洋館の悲劇〜僕達の推理2  作者: シロクマシロウ子
第5章 聖夜の対話

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034 トークタイム神宮寺清雅

ー登場人物紹介ー


※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー

大道正火斗だいどうまさひと・3年生。実家は大企業の財閥グループ。

大道水樹だいどうみずき・正火斗の妹。2年生。

安西秀一あんざいしゅういち・部長2年生。父親は大道グループ傘下企業役員。

浅倉奏衣あさくらかなえ・副部長2年生。中等部の頃から正火斗に片想い。

桂木慎かつらぎしん・2年生。明るくフレンドリー。

神宮寺清雅じんぐうじきよまさ・1年生。ややお調子者?

椎名美鈴しいなみすず・1年生。真面目でしっかり者。


桜田風晴さくらだかぜはる・田舎の農業高校2年生。

真淵聖まぶちひじり・風晴の同級生。話すのが苦手。


華蔵理人かぐらりひと・華蔵家現当主。

華蔵透子かぐらとうこ・理人の妹。


冴木拓眞(さえきたくま)・華蔵家運転手。理人の同級生。


 



 神宮寺(じんぐうじ)はクリスマス・イヴの大一番(トークタイム)を前に、一つやっておきたいことがあった。

 彼は大広間の聖と水樹のいる席に行き、水樹にパンッと手を合わせた。


「先輩、お願いします。先輩からのあの星形(ほしがた)キャンドルを他の人にあげさせて下さいっ!!」


 水樹は少し驚きながらも"透子(とうこ)"として


「いいですよ。だけど急にどうして?」


 と聞いた。神宮寺は


「僕は今日クリスマスプレゼントにクリスタルケース入りのキャンディにしたんです。てっきり……ミステリー同好会メンバーや桜田くん達とだけのパーティーだと思って。

 分けれて安くて手頃(てごろ)ならいっか! って……」


 おい! ──水樹は思った。まあ、いいけど。

 そこに、正火斗も秀一と話終わったのか戻って来た。


「トークタイムの秋月未来(あきづきみく)さん、僕の好きな顔でした。今日は10分かもしれませんが、僕達に未来はあるかもしれません。その名前の通り!!」


 オヤジギャグみたいになってきた……


「なのに僕のあげたプレゼントはキャンディもケースも食べて捨てて無くなってしまうものばかりなんです!

 クリスタルケースはクリスタルなんかじゃない! ただのプラスチックだ!! ……僕は未来さんに、何か僕らの未来を約束するものをあげたいんです!!」


 途中から聞いても、正火斗は何の話か(さっ)しはついた。


「少し前、美人女性記者の新聞社に就職(しゅうしょく)するって未来を約束してなかったか……?」


 彼は夏休みを思い出して言ったが、神宮寺の耳には入っていなかった。水樹はこうなるとどうしようもないと思い、


「分かりました。頑張(がんば)って下さい。……あまり、暴走(ぼうそう)しないように」


 と最後に注意だけはした。


「はい! ありがとうございます!! 4歳年上女性ですけど必ず頑張ります!」


 と神宮寺はお辞儀(じぎ)した。

 なんだか騒がしいと思ったのか、桂木も近づいて来ていた。


「神宮寺も年上女性か。オレもこの後5歳年上の人みたいだ──"(はやし)有里子(ゆりこ)"さん」


「本当に?」


 正火斗はすぐその名前に食いついた。"林有里子"は──


「"林有里子"は拓真(たくま)()の同級生だ。小学6年生の冬にいなくなったのは彼女だ」


 全員──ではなく、桂木と水樹には衝撃(しょうげき)が走った。聖は聞こえているかもしれないが反応(はんのう)がない。

 神宮寺は星のキャンドルの箱を取りに行った。


「じゃあ、何かその時の話を聞くか……」


 桂木の後を水樹が引き取って言う。


「せめて連絡先の交換(こうかん)とか……」


 明るい茶色の髪を、桂木はクシャクシャにした。


「10分で5歳年上女性を口説(くど)く? どんなミッションだよ。しかもこんな急に……」


 水樹は言った。


「頑張って桂木。神宮寺なら本気でやる気だすわ」


「そこと比べるな!!」


 桂木は怒鳴(どな)ったが、正火斗は(さら)なる(あん)を出した。


「告白ゲームで彼女を指名して告白したら……連絡先交換くらいはしてもらえないだろうか………」


「「「……………………」」」


 3人の沈黙(ちんもく)は────桂木自身が(やぶ)った。


「…………公開告白はしたくない。好きな相手でも ないのに。……だから、なるべく小6の時の話をきいて連絡先を狙う」


 そう力強く言って去って行く。


 水樹はふと思い、口にしていた。


「桂木、好きな女の子いるって……こと? だってあの言い方って……ねぇ、兄さん?」


 兄に同意(どうい)を求めたが、正火斗は何にも気付きたくもなかった。


「秀一が待ってるだろうから、行ってやれ」


 とだけ妹に言った。








 神宮寺は予定通り秋月未来に星形キャンドルを渡すことができた。七色に光る姿に秋月は大ウケしてくれて、とても喜んでくれた。

 

 彼女は専門学校を出て役場で働いていた。

 上司のパワハラやセクハラ、苦情への対応、先輩との友情、飲み会の大変さを話され、神宮寺はただ聞くだけだった。が、彼は幸せにその時間を過ごした。


 そしてその時間の終わりに──彼はなんと連絡先を交換した!!!





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