表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
炎と白銀と〜聖夜の洋館の悲劇〜僕達の推理2  作者: シロクマシロウ子
第4章 混迷の聖夜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/110

025 プレゼントを探せ!

ー登場人物紹介ー


※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー

大道正火斗だいどうまさひと・3年生。実家は大企業の財閥グループ。

大道水樹だいどうみずき・正火斗の妹。2年生。

安西秀一あんざいしゅういち・部長2年生。父親は大道グループ傘下企業役員。

浅倉奏衣あさくらかなえ・副部長2年生。中等部の頃から正火斗に片想い。

桂木慎かつらぎしん・2年生。明るくフレンドリー。

神宮寺清雅じんぐうじきよまさ・1年生。ややお調子者?

椎名美鈴しいなみすず・1年生。真面目でしっかり者。


桜田風晴さくらだかぜはる・田舎の農業高校2年生。

真淵聖まぶちひじり・風晴の同級生。話すのが苦手。


橘信蔵たちばなしんぞう・華蔵家執事。


 



 ────その時は来た!!


 混乱(こんらん)()けるために、3階へと探しに行く女性達が先にスタートをする。

 ルール上は"走らないように"とは呼びかけられているが、誰も守るものはいない。

 振袖(ふりそで)草履(ぞうり)の聖は早速(さっそく)後方になっていた──無理もない。

 風晴と秀一、桂木や神宮寺は草履(ぞうり)から外靴(そとぐつ)()()えていた。着物は走りづらいがだいぶ楽になる。


 男性陣のスタートへの掛け声は執事(しつじ)(たちばな)だ。橘は大広間の(はし)に立ち、コホンと一つ咳払(せきばら)いしてから


「スタート!」


 と宣言(せんげん)した。

 ぉお!!という異様(いよう)な声と共に男達は駆け出す。


「他の方を押してはいけませんよ!!プレゼントは1人1つ! (かなら)ず全員に行き渡ります!!」


 橘は大声で忠告(ちゅうこく)したが、どこふく風だ。風晴達は聖のプレゼントという目的があるし、他の男性達も気になる女性のプレゼントの箱を盗み見たりしているのかもしれない。

 とにかくなんでか、本能的(ほんのうてき)に男共は(きそ)って走っていた。


 雄牛(おぎゅう)()れの(ごと)く去っていく一団(いちだん)を見ながら、正火斗は椅子から立ち上がった。一言()らす。


「やっぱりこうなるか……」









 1階はプレゼントを隠せない大広間と調理室、大型手洗い(トイレ)場を(のぞ)けば玄関ホール、広間、音楽サロンルーム、応接室(おうせつしつ)、食堂の作りになっている。


 ミステリー同好会メンバーと風晴は、当然(とうぜん)正火斗を通じて聖のプレゼントの隠し場所を聞いていた。

 他の男性達が次々と広間や音楽サロンルームへと去っていくのを見つつ走り続ける。──が、1人やたら足の速い若い男性が前を行く。彼がそのままトップを行くので、玄関ホールにさしかかった時に桂木が


「あ!! アレ透子様のプレゼントっぽくないか?」


 と横を見て叫んだ。それを聞いて、前の男性も後ろにいた数人の男性も玄関ホールへと向かう。


頭脳(ずのう)プレーです!」


 と神宮寺が言い


「オレも鳳翔院(おうしょういん)学園の生徒っスから」


 と桂木は返す。


「定期テストでも()かそうよ」


 と秀一は苦笑(くしょう)してる。

 そして4人は目当ての応接室に なだれこんだ。

 しかし──後からもまだ男性はついて来ていた。そしてなんと、応接室に入るなりその中年男性は(さけ)んだ!


「ちょっとちょっとちょっと!! 君達、東京の高校の子達だよね!?」


 桂木、秀一、神宮寺は(おどろ)いて振り返る。──風晴も一拍遅れて振り返った。


そうだ、今はオレもだった!


「君達はさ、どうせお金もあってこれからいい大学に行っていい会社にも入るんでしょ? そんな必死(ひっし)にこのゲームやる必要ないじゃん!!」


 男性は黒のトレーナーにベージュのチノパンのスタイルで、髪の毛も……頭頂部(とうちょうぶ)(うす)く、太り気味(ぎみ)で背は低い。ここまで走ってきて息が切れていて、脂汗(あぶらあせ)もかいている。


「……君達は分かっていない! 僕やこの田舎(いなか)()らす男達にとって、このゲームがどれだけ重要(じゅうよう)か!!

 ここで可愛い女の子と話すか話さないかで、僕らの1年の()り合いは(まった)(ちが)うんだ! これを(のが)したらリアル女子と2人で話す機会(きかい)なんて僕の人生にはもう無い!!!!!!

 僕の邪魔(じゃま)をするなぁあああ!!」


 結婚見込(みこ)みの無いモテない田舎男性の絶望(ぜつぼう)憤怒(ふんぬ)をぶつけられ、キラキラ高校生は(ひる)んだ。

 秀一に(いた)っては、水樹のような超絶(ちょうぜつ)美人彼女をゲットしてすみませんと心の中で(あやま)った──多分、口に出したら殺される。


 桂木が指を差される!


「ピアスなんかして髪も()めちゃって! オシャレな感じで頭もいいなんてムカつくんだよ!!

 君、誰とでもすぐ話せるだろ!? 僕なんかお母さん以外とは民生(みんせい)委員の人と年4回話すくらいなのに!!」


 風晴も指を差される!


(さわ)やか純粋(じゅんすい)系で天然(てんねん)だろ! なんだかんだで友達に囲まれて幸運に(めぐ)まれるんだ!!

 ちくしょう!! プレゼントも3個も隠しやがって! これ以上 何を僕から(うば)う気なんだよ!?」


 神宮寺も指を差される!


「背が高いだけで天から愛されてるって知らないだろう!? そうやって大人になるにつれて愛され度合いは社会的に不平等になっていくんだ!!

 僕なんか……僕なんか……今はもうお母さんにも"家から少しは出て働け"って言われてるのに……」


 だが 神宮寺は 言った。


「あの……お母さんはあなたを想って言ってくれてるんじゃ……」


 応接室に沈黙(ちんもく)が広がり────やがてヒック……ヒックとしゃくりを上げる音がする。

 次の瞬間(しゅんかん)──


「ば、馬鹿野郎(ばかやろう)──────────!!!」


 と田舎のモテない引きこもりの男性は走って行ってしまった。


「…………グッジョブ」


 桂木が(つぶや)く。


「多分本人のためになったよ」


 秀一は後輩──神宮寺の肩に手を置いた。

 そして風晴は全てのために明言(めいげん)した。


「田舎で独身(どくしん)で家にいるからって、絶対──全員が全員 あんなんじゃない」


 開け放たれた応接室の扉には──都会の高級マンションで暮らす会社社長のサラサラ髪 エリート学生。しかも美人の彼女持ち が現れた。


「みんな、ご苦労さん。助かるよ」


 正火斗だった。(わざわざ書かなくていいかも)







か、格差社会の極み…………ʕ-ᴥ-ʔ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ああ、モブくん、その気持ちはよく解るよ。 わかりみが深い、っていうヤツだ。 顔面、トーク、みんなオレ達にはないモノだろう! …………身長とかはどうだって? ワタシは身長はそこそこあるし( ̄^ ̄)職もあ…
確かに男性間の格差というものをひしひしと感じました。……何とも強烈な人物でしたね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ