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【現代推理完結済】炎と白銀と〜聖夜の洋館の悲劇〜僕達の推理2  作者: シロクマシロウ子
第4章 混迷の聖夜

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022 聖夜の男達の決意

ー登場人物紹介ー


※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー

◆大道正火斗(だいどうまさひと)・3年生。実家は大企業の財閥グループ。

◆大道水樹(だいどうみずき)・正火斗の妹。2年生。

◆安西秀一(あんざいしゅういち)・部長2年生。父親は大道グループ傘下企業役員。

◆浅倉奏衣(あさくらかなえ)・副部長2年生。中等部の頃から正火斗に片想い。

◆桂木慎(かつらぎしん)・2年生。明るくフレンドリー。

◆神宮寺清雅(じんぐうじきよまさ)・1年生。ややお調子者?

◆椎名美鈴(しいなみすず)・1年生。真面目でしっかり者。


◇桜田風晴(さくらだかぜはる)・田舎の農業高校2年生。

◇真淵聖(まぶちひじり)・風晴の同級生。話すのが苦手。


○華蔵理人(かぐらりひと)・華蔵家現当主。

○華蔵透子(かぐらとうこ)・理人の妹。


○山原海(やまはらかい)・華蔵家料理人。


◾️これまでのあらすじ

鳳翔院学園ミステリー同好会メンバーとN県白吹村の洋館ペンションで再会することになった風晴と聖。

しかし洋館当主の華蔵家には"白吹の呪い"があり、現当主の理人と透子兄妹から、正火斗と水樹はクリスマスパーティーでの身代わりをお願いされてしまう。そしてクリスマス・パーティーは始まり…………



 



 ワァ……ッ!と歓声(かんせい)が上がり、その時は来た──!!!

 子供達の瞳は輝(かがや)き、サンタクロースに扮(ふん、)した……あの体型は料理長の山原(やまはら)だろう──と、ヨタヨタと まんま雪だるまの ゆるキャラ・ラブッキーくんが現れた。

 当然(とうぜん)プレゼントの白い袋を持つサンタクロースに、子供達は殺到(さっとう)するものだと皆(みな)が思っていた。──が、LOVEの刻(きざ)まれた栗を丸い手で持ち、黄色いポンポン付き毛糸帽子(けいとぼうし)を被(かぶ)るラブッキーくんにも、ちゃんと半数ほどもの子供達が群(むら)がった!!

 つぶらな黒だけの瞳のラブッキーくんは、間違(まちがら)いなく子供達に愛されていた。


「ちょっと、やっぱりアレ可愛いよ!!」

「写真撮りたいですー!」


 と椎名(しいな)と浅倉(あさくら)にも大好評だ。


「水樹(みずき)も……アイツがいいのかな……」


 と──ボソッと秀一(しゅういち)が言ったので、風晴(かぜはる)は


「やめろ秀一、相手は人間じゃない」


 とダークサイドから引き戻した。

 これで、なんで聖(ひじり)に関しては寛容(かんよう)でいられるのか全(まった)くの謎(なぞ)だ────聖の方が人間で男だぞ!!


 なんやかんやしているうちに女中達も手伝い、子供達には赤白リボンのかかったプレゼント──と言う名の箱入り"紅白饅頭(こうはくまんじゅう)"が配られた。

 彼らはとにかく"何かをもらった"とちゃんと喜んでいる。


「こ、紅白饅頭……」


 浅倉はシュールさに声をもらした。


「大きさも重さもあるからいいのかも。紅白饅頭、食べたら旨(うま)いし」


 と風晴だ。


「いやぁ、サンタクロースからの お饅頭はちょっと……」


 は神宮寺(じんぐうじ)。


「けどオレも貰(もら)えたら嬉しい派かな。紅白饅頭って食べたことないから」


 これは桂木(かつらぎ)だった。


「家の方で希望のプレゼントが待っているんですよ、きっと」


 最後に椎名が言った。

 ──そう、これで子供達と母親は基本的(きほんてき)には帰るのだ。

 残れるのは大人達と保護者付きの高校生となっている。








 子供達が帰ると、料理とアルコール類が女中達によって運ばれて来た。

 料理は典型的(てんけいてき)なオードブルのような感じだが、立食もできるように より食べ易いようにはなっていた。

 尚(なお) あちこちにテーブルと椅子はあり、座って食べることは出来る。

 煮物(にもの)や伊達巻(だてま)き、昆布巻(こんぶま)き、おにぎりや 栗ご飯を笹に巻いた"ちまき"も出ていたが──


「驚かないぞ、もう。和洋折衷(わようせっちゅう)だとは予想してた」

「ここは和洋折衷でいいわよ。和食食べたい年齢層あるだろうし」

「紅白饅頭だって並ぶかと思ってましたよ」

「クリスマスと正月が一緒に来た感じでいいじゃん」


 と、みんな動じなくなっていた。だいぶ この不思議(ふしぎ)な和洋折衷世界に慣れてきてしまったようだ。









 ミステリー同好会メンバーと風晴が集まって食事をしていると、皿に数点のせた正火斗(まさひと)も来た。彼は男子を集めると小声で言った。


「聖がプレゼントを隠(かく)す予定の場所を、さっきお茶を持って行ったとき聞いた。他の男に取られると厄介(やっかい)なことになるから、必ず取りたい」


 正火斗は表情はにこやかさを保(たも)っていたが、口調(くちょう)が本気だ。


「1階で僕が聖のプレゼントを獲(・)る(・)しかないと思う。女性は3階に探しに行く──慣(な)れない振袖(ふりそで)を着た聖は他の女性達より速くは行けないと思う」


 本当だ………!


 全員が表情を引き締める。

 トークタイムを一緒に過ごさなくても告白はしても良いことにはなっている。だが流れとして自然(しぜん)に見せるためには、正火斗は聖と過ごした方がいいし、他の人と過ごしたら……浅倉にとってあまりよろしくはないだろう。


「出来るだけ急ぐが……"僕"がこ(・)の(・)姿(・)で全力疾走(ぜんりょくしっそう)していってプレゼントを漁(あさ)るわけにも……行かないと思うんだ。男性陣、協力をお願いする」


 正火斗は真剣(しんけん)に頼んだ。


「他の男性の邪魔(じゃま)をしてくれ…………!!」


 確かに……! 当主華蔵理人(かぐらりひと)が羽織(はおり)着物で必死(ひっし)に女子のプレゼントを探すのは──みんなが引くだろう!!!


 ヤバい絵面(えづら)が浮かび、風晴、桂木、秀一、神宮寺は協力を決意した。


 聖夜に真淵聖(まぶちひじり)のプレゼントを守る戦いが始まる! ☆








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― 新着の感想 ―
あ、山原海って!? まさかまさかの海原○山っ!? まあ海の幸山の幸野の幸って事だろうけど。 クリスマスカラーのプレゼントなんだな、お饅頭。よもぎ餅を加えたら、よりクリスマスっぽく? いやあ、そこで…
クリスマスに紅白饅頭。サンタクロースの色だから良いかもしれない、と思ってしまいました。とても不思議な感じのするクリスマスですが、楽しそうな雰囲気ですね。
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