022 聖夜の男達の決意
ー登場人物紹介ー
※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー
◆大道正火斗・3年生。実家は大企業の財閥グループ。
◆大道水樹・正火斗の妹。2年生。
◆安西秀一・部長2年生。父親は大道グループ傘下企業役員。
◆浅倉奏衣・副部長2年生。中等部の頃から正火斗に片想い。
◆桂木慎・2年生。明るくフレンドリー。
◆神宮寺清雅・1年生。ややお調子者?
◆椎名美鈴・1年生。真面目でしっかり者。
◇桜田風晴・田舎の農業高校2年生。
◇真淵聖・風晴の同級生。話すのが苦手。
○華蔵理人・華蔵家現当主。
○華蔵透子・理人の妹。
○山原海・華蔵家料理人。
◾️これまでのあらすじ
鳳翔院学園ミステリー同好会メンバーとN県白吹村の洋館ペンションで再会することになった風晴と聖。
しかし洋館当主の華蔵家には"白吹の呪い"があり、現当主の理人と透子兄妹から、正火斗と水樹はクリスマスパーティーでの身代わりをお願いされてしまう。そしてクリスマス・パーティーは始まり…………
ワァ……ッ!と歓声が上がり、その時は来た──!!!
子供達の瞳は輝き、サンタクロースに扮した……あの体型は料理長の山原だろう──と、ヨタヨタと まんま雪だるまの ゆるキャラ・ラブッキーくんが現れた。
当然プレゼントの白い袋を持つサンタクロースに、子供達は殺到するものだと皆が思っていた。──が、LOVEの刻まれた栗を丸い手で持ち、黄色いポンポン付き毛糸帽子を被るラブッキーくんにも、ちゃんと半数ほどもの子供達が群がった!!
つぶらな黒だけの瞳のラブッキーくんは、間違いなく子供達に愛されていた。
「ちょっと、やっぱりアレ可愛いよ!!」
「写真撮りたいですー!」
と椎名と浅倉にも大好評だ。
「水樹も……アイツがいいのかな……」
と──ボソッと秀一が言ったので、風晴は
「やめろ秀一、相手は人間じゃない」
とダークサイドから引き戻した。
これで、なんで聖に関しては寛容でいられるのか全くの謎だ────聖の方が人間で男だぞ!!
なんやかんやしているうちに女中達も手伝い、子供達には赤白リボンのかかったプレゼント──と言う名の箱入り"紅白饅頭"が配られた。
彼らはとにかく"何かをもらった"とちゃんと喜んでいる。
「こ、紅白饅頭……」
浅倉はシュールさに声をもらした。
「大きさも重さもあるからいいのかも。紅白饅頭、食べたら旨いし」
と風晴だ。
「いやぁ、サンタクロースからの お饅頭はちょっと……」
は神宮寺。
「けどオレも貰えたら嬉しい派かな。紅白饅頭って食べたことないから」
これは桂木だった。
「家の方で希望のプレゼントが待っているんですよ、きっと」
最後に椎名が言った。
──そう、これで子供達と母親は基本的には帰るのだ。
残れるのは大人達と保護者付きの高校生となっている。
子供達が帰ると、料理とアルコール類が女中達によって運ばれて来た。
料理は典型的なオードブルのような感じだが、立食もできるように より食べ易いようにはなっていた。
尚 あちこちにテーブルと椅子はあり、座って食べることは出来る。
煮物や伊達巻き、昆布巻き、おにぎりや 栗ご飯を笹に巻いた"ちまき"も出ていたが──
「驚かないぞ、もう。和洋折衷だとは予想してた」
「ここは和洋折衷でいいわよ。和食食べたい年齢層あるだろうし」
「紅白饅頭だって並ぶかと思ってましたよ」
「クリスマスと正月が一緒に来た感じでいいじゃん」
と、みんな動じなくなっていた。だいぶ この不思議な和洋折衷世界に慣れてきてしまったようだ。
ミステリー同好会メンバーと風晴が集まって食事をしていると、皿に数点のせた正火斗も来た。彼は男子を集めると小声で言った。
「聖がプレゼントを隠す予定の場所を、さっきお茶を持って行ったとき聞いた。他の男に取られると厄介なことになるから、必ず取りたい」
正火斗は表情はにこやかさを保っていたが、口調が本気だ。
「1階で僕が聖のプレゼントを獲るしかないと思う。女性は3階に探しに行く──慣れない振袖を着た聖は他の女性達より速くは行けないと思う」
本当だ………!
全員が表情を引き締める。
トークタイムを一緒に過ごさなくても告白はしても良いことにはなっている。だが流れとして自然に見せるためには、正火斗は聖と過ごした方がいいし、他の人と過ごしたら……浅倉にとってあまりよろしくはないだろう。
「出来るだけ急ぐが……"僕"がこの姿で全力疾走していってプレゼントを漁るわけにも……行かないと思うんだ。男性陣、協力をお願いする」
正火斗は真剣に頼んだ。
「他の男性の邪魔をしてくれ…………!!」
確かに……! 当主華蔵理人が羽織着物で必死に女子のプレゼントを探すのは──みんなが引くだろう!!!
ヤバい絵面が浮かび、風晴、桂木、秀一、神宮寺は協力を決意した。
聖夜に真淵聖のプレゼントを守る戦いが始まる! ☆




