119 ラストゲーム
ー登場人物紹介ー
※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー
◆大道正火斗・3年生。大企業財閥御曹司。
◆大道水樹・正火斗の妹。2年生。
◆安西秀一・部長2年生。親が大道グループ傘下企業役員。
◆浅倉奏衣・副部長2年生。中等部から正火斗に片想い。
◆桂木慎・2年生。明るくフレンドリー。
◆神宮寺清雅・1年生。ややお調子者?
◆椎名美鈴・1年生。真面目でしっかり者。
◇桜田風晴・田舎の農業高校2年生。
◇真淵聖・風晴の同級生。話すのが苦手。
○華蔵理人・華蔵家現当主。
○華蔵透子・理人の妹
◾️これまでのあらすじ
鳳翔院学園ミステリー同好会メンバーとN県白吹村の洋館で再会した風晴と聖。洋館当主の華蔵家には"白吹の呪い"があり、24日クリスマスパーティーの後、風晴、聖、冴木の3人が洋館から連れ去られ冴木拓眞は殺害されていた。救助された風晴と聖、ミステリー同好会メンバーが調査する中、犯行の中心人物と思われる林夫妻が刺殺体で発見される。
早期解決を図る正火斗は理人や透子と協力して犯人側を煽るイベントを計画する……
2025年12月29日
その日は朝から何もかもが違った。
朝8時半にはバラバラと──ヘリコプターの音がして──なんと華蔵家洋館前にそれは降りてきた。
朝食を食べた直後で みんな目を見張っている。華蔵家の従業員達までも窓にくっついて見てる。
そして大道水樹も驚いていた。
「ヘリまで呼んだんだ、兄さん……」
「解決を見届けたらすぐ東京に戻るから。富美田医院にヘリポートも借りてる」
ヘリコプターのドアが開き、3人のスーツケースを持ったスーツ姿の男女が降りてくる。
正火斗もナプキンで口を拭うと立ち上がった。
そして やはり食事の済んでいる理人と透子に向けて
「お2人もお願いします」
と言ったので、彼らも立ち上がった。3人が廊下に出てすぐ
「高井戸、左河、音谷こっちだ!」
と声をかけている。
「おはようございます。間もなくトラックも到着のはずです。会場はどちらになりますか?」
30代半ばくらいだろうか? 男性の声がしている。
食堂の方には
「おはようございます。 本日はよろしくお願いします! 左河と申します」
とショートカットで黒いスーツ姿の中年女性が入ってきた。水樹が
「左河さんご苦労様です。年末にこんなところまで兄さんが呼んで……なんだかすみません」
と言った。水樹はよく会っている人達なのだろう。
「水樹様、全く構いませんよ。私達も面白いんじゃないかと社長に賛同しています。
サイト内でAI天気予報と巫天気予報の当たり確率を戦わせても注目度が上がるんじゃないかとかいろいろ意見も出て──とにかく採算の見込める話ですから。社として動いて当然です」
佐河はニッコリして 水樹に返した。
それから高校生達を見渡すと彼女は話し出した。
「では──保護者の同意を得て、占い体験に参加して頂ける方々には後ほど同意書に記入をお願い致します。
アップの顔出し、氏名、年齢の公表はございません。体験参加の方々は挙手をお願いします」
桂木、神宮寺、秀一、浅倉、椎名が挙手した。
水樹、聖、風晴は駄目だった。
水樹は正火斗に禁止され、風晴も母親に"地元で夏に注目されやっと落ち着いてきたのに、又目立つような行為は望まない"とやんわりと止められた。
今回──行方不明事件と雪崩に関しては実は何も知らせていない風晴は、後ろめたさから母親の意志を汲んだ。
聖には詳しく聞いていないが、元警察官の父親はやはり慎重だったのではないかと風晴は思っている。それから多分 聖自身があまり占いには興味が無さそうだ。
天気予報サイト内の占いコーナーの使い方の説明を簡単にすると、左河は表情を引き締めて言った。
「今夜の──夕方のレセプションパーティー以降の皆様の動向についても、社長の方からご指示がございました。そちらも……かたく守って頂けるようお願い申し上げます」
彼女は言った後に頭まで深く下げた。
風晴は今日という日の決着を、正火斗は夜にまで及ぶと考えているのだと察した。
こうして──大道正火斗が社員を繰り出してまで犯人を挙げると宣言した日は 始まった。




