118 戦いのあと、そして
ー登場人物紹介ー
※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー
◆大道正火斗・3年生。大企業財閥御曹司。
◆大道水樹・正火斗の妹。2年生。
◆安西秀一・部長2年生。親が大道グループ傘下企業役員。
◆浅倉奏衣・副部長2年生。中等部から正火斗に片想い。
◆桂木慎・2年生。明るくフレンドリー。
◆神宮寺清雅・1年生。ややお調子者?
◆椎名美鈴・1年生。真面目でしっかり者。
◇桜田風晴・田舎の農業高校2年生。
◇真淵聖・風晴の同級生。話すのが苦手。
○華蔵理人・華蔵家現当主。
○華蔵透子・理人の妹
○橘信蔵・華蔵家執事。
○赤沢幸太郎・新しい華蔵家運転手。
桂木は元気になり、正火斗ともハイタッチしていた。
風晴は嬉しかった。
"僕が行くことはもうないだろうから。──風晴のところに"
正火斗の言葉の意味は分かっている
自分達が会い続ける見通しなんて……あるわけも無くて
少なくとも彼は会おうすらも考えてもいないんだ
────当然だ
仕事をしていて
大学生になって
新しい知り合いや友達に囲まれて
きっとすぐにまた恋人もできて
一個下の田舎の高校生達なんかきっと
カケラも残らないんだろう
……聖の方が残るかもしれない
印象深いところがあるから……
だけどオレが残らないとしても────
風晴は周囲を見渡した。
雪合戦は終わり、誰とも無く雪だるま作りが始まっていた。
椎名と浅倉はラブッキーくんに似せようと必死だ。理人はそれを指導していて 聖はそれを見ている。
透子は子供の頃夢見た巨大雪だるまを作りに取り掛かっていたが、大きくなるにつれて扱いが難しくなり、神宮寺、桂木、正火斗が手伝っていた。………………本当に大きくて 2メートル以上になりそうだ。頭部をのせるのが最大の難関になるだろう。
秀一と水樹は2人でそれぞれに作った雪だるまを並べて置いている。ちょっと邪魔できない雰囲気だ。
「桜田様」
橘さんに呼び止められた。
「素敵な時間をありがとうございました。カッコ良かったですよ!」
橘は投げる真似をした。風晴は赤くなる。
「いや、オレは遊びたかっただけで……。遊んだ楽しい思い出が、みんなの中に残ったらいいなって……」
──そうなんだ。それだけだった。
"うわっ"と後ろから声がして振り返ると 巨大雪だるまの頭部が上げきれずにいる。雪片が落ち出す。
「橘さん! 行こう!」
声をかけて風晴は走り出した。赤沢さんも来てくれた。
手をかけていた神宮寺、桂木、正火斗の間に入る。
「「「「せーの!」」」」
誰からともなく声が上がって 落ちそうだった頭部がグイグイと押される。反対に転がり落ちたりしないように
「ゆっくりゆっくり!」
見守っていた透子も掛け声をくれた。
土台であるバカでかい体部分の上部は、調度ハマるように窪ませてある。
こういう所は秀才の高校生達だなぁと風晴は感心した。
なんとか押し上げきって乗せると、頭部は見事に準備された そこに はまった。
「やった!!」
「できましたね!!」
「…………こんなに大きい作ったことないな…」
最後の言葉は正火斗だった。彼は自分より大きい雪だるまを見上げて言った。まん丸の真っ白なそれは、背景に星の瞬く夜空を背負っていた。
風晴も見上げて思った。
この先みんなの関係がどうなるか分からないけれど……
それでも──
楽しかった思い出や支え合った出来事が
みんなの中に残ってくれたら……それで良い
正火斗
お前の中にも どうか──
たとえ オレが残らないとしても
雪遊びは終わり館内に戻って来た。玄関ホールで橘と話してから 正火斗は言った。
「全チームが1勝1敗で並んだからジャンケンにする。代表をそれぞれ決めて出してくれ」
これには
「はあ!? ジャンケン……!? あんなに頑張ったのに……。じゃあ、じゃあ あの戦いは一体なんだったんだよぉ」
と理人が情け無い声をあげた。あまりにも気持ちがこもっていてみんなが笑った。それに──ある意味もっともではある。
「兄様も楽しんでいたじゃないですか。参加して良かったでしょう?」
透子の言葉に理人は何も言えない。その姿に また笑いは起こった。
「さあ、代表を出してくれ」
正火斗に促され、Cチーム神宮寺、Bチーム聖、Aチームは……風晴と浅倉は話し合って理人に出てもらった。負けた際には、彼から散々な文句が予想できたからだ。
「「「ジャンケン ポン!!」」」
声が合わさり、全員が見つめる中 勝敗は決まった。
負けたのはCチームだった。
恋占い公開は
神宮寺、桂木、椎名、正火斗────である!




