117 Aチーム対Cチーム決着!!
ー登場人物紹介ー
※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー
◆大道正火斗・3年生。大企業財閥御曹司。
◆大道水樹・正火斗の妹。2年生。
◆安西秀一・部長2年生。親が大道グループ傘下企業役員。
◆浅倉奏衣・副部長2年生。中等部から正火斗に片想い。
◆桂木慎・2年生。明るくフレンドリー。
◆神宮寺清雅・1年生。ややお調子者?
◆椎名美鈴・1年生。真面目でしっかり者。
◇桜田風晴・田舎の農業高校2年生。
◇真淵聖・風晴の同級生。話すのが苦手。
○華蔵理人・華蔵家現当主。
○華蔵透子・理人の妹
○橘信蔵・華蔵家執事。
○赤沢幸太郎・新しい華蔵家運転手。
〜雪合戦チーム分け〜
Aチーム 浅倉奏衣・華蔵理人・桜田風晴
Bチーム 大道水樹・華蔵透子・安西秀一・真淵聖
Cチーム 椎名美鈴・大道正火斗・桂木慎・神宮寺清雅
「雪合戦スタート!!!!」
素早かった────
風晴と浅倉は迷わなかった。
Cチームの配置はキーパーに正火斗、防御壁に椎名、逆サイドから桂木、神宮寺の2人組での攻撃だった。
風晴はその防御壁の方に走った。手にはもう 一つ目の雪玉を持っている。
椎名が防御壁に到着した時、自分達の陣地内だが──風晴はもうその裏側を狙える角度にいた。
ごめん!
思っても正確に椎名に当てた。もう一球もすぐにポケットから握って連投する。
「ワン、ツー! 椎名美鈴、退場!」
赤沢のカウントは一つにまとめられた。
「早い…………!」
観ていた秀一が言う。
浅倉も計画どおりスタートを切った。桂木と神宮寺は 神宮寺が先頭でAチーム陣営に向かって来たが、浅倉は神宮寺をスルーして桂木に向かった。
それはかなり意表を突いたようで神宮寺が動揺して失速した程だった。桂木は目に見えて足を止めた。
浅倉は桂木に雪玉を構えて──
向きを変えて正火斗へ放った!!
「…………っ!!」
完全に裏をかいた作戦だった。浅倉の雪玉は正火斗に当たった!
「ワン! 大道正火斗!」
カウントが入る!
「やった……!」
浅倉は倒れ込みながら叫んだ。慌てて踏み出して体勢を立て直す。
桂木は浅倉の後ろ姿をとらえているが──投げれなかった。適当に放った雪玉がただ散る。
Cチームの防御壁から風晴も正火斗に向かって投げた。
「ツー、大道正火斗!」
神宮寺はAチーム陣地に入ったがデコボコで失速している。神宮寺には理人が対応することになる。理人はあまりコントロールは良くない。
風晴は固く握った雪玉を遠投した。
結果を見る暇はなく
「あと一球! 浅倉ガンバレ!」
とそっちに声をかける。
「ワン、神宮寺清雅!」
とカウントの入る声がした。当たったかもしれない。
桂木がAチーム陣地に向かうのが見えた。──桂木は浅倉に投げれなかったと風晴は思った。
彼のその背中を狙う。
放つために上げた腕に衝撃を感じた。
「ワン、桜田風晴!」
カウントが入る。
「クソッ……!!」
悪態は出たが笑みが浮かぶ。ぶつけてきたのは正火斗だ──浅倉の球を避けながら。
流石、と心底思う。
「ツー、神宮寺清雅、退場!」「ワン、浅倉奏衣!」
神宮寺には理人が当てたようだ。そして 浅倉も一球当てられた。
無傷の桂木と理人が対峙している。理人を援護しに行く選択もあるが、風晴は──
防御壁の端から──キャンドルを狙って──力いっぱい投げた。正火斗が反応して左手を伸ばす。
浅倉はそこを逃さなかった。正火斗の大きな体に投げ込む!
風晴の雪玉は正火斗の左手に当たって砕かれたが、浅倉の雪玉は──
「スリー! 大道正火斗、退場!」
カウントがされた!
「やったわ!!!」
浅倉がガッツポーズを作った。風晴はすぐにキャンドルを狙ってもう一投をかまえた。その時──
「当たった!!」
喜びに弾んだ桂木の声が響いた。
まさか……
と見ると──Aチームのキャンドルは消えていた。
「勝者Cチーム!!!」
橘の声が響き渡る。
キャ───と声がして、桂木のもとに椎名が駆けて行ってる。桂木はかなり興奮したようで椎名と抱擁もしていた。
2人が喜び合っていて 風晴は──
良かった……と思ってしまった。
大きく息をしていた正火斗も立ち上がって、コートの雪をはらうと桂木の方に向かおうとした。
彼は一度振り返ると 浅倉と風晴を指差して
「ひどい攻撃だった」
と言い残して行った。
風晴と浅倉は大笑いした。浅倉は泣くほど笑い、それから風晴に
「ありがとう。なんだかスッキリした」
と言った。風晴は
「負けた気、全然しないよな」
と言い2人はまた笑って、うなだれている理人の元へと走って行った。




