116 Aチーム対Cチーム開始!!
ー登場人物紹介ー
※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー
◆大道正火斗・3年生。大企業財閥御曹司。
◆大道水樹・正火斗の妹。2年生。
◆安西秀一・部長2年生。親が大道グループ傘下企業役員。
◆浅倉奏衣・副部長2年生。中等部から正火斗に片想い。
◆桂木慎・2年生。明るくフレンドリー。
◆神宮寺清雅・1年生。ややお調子者?
◆椎名美鈴・1年生。真面目でしっかり者。
◇桜田風晴・田舎の農業高校2年生。
◇真淵聖・風晴の同級生。話すのが苦手。
○華蔵理人・華蔵家現当主。
○華蔵透子・理人の妹
○橘信蔵・華蔵家執事。
〜雪合戦チーム分け〜
Aチーム 浅倉奏衣・華蔵理人・桜田風晴
Bチーム 大道水樹・華蔵透子・安西秀一・真淵聖
Cチーム 椎名美鈴・大道正火斗・桂木慎・神宮寺清雅
「もともと人数的にコッチが不利だし、でも1勝はあげている。もう君達のやりたいようにやったらいいよ」
理人が賛同してくれたので 風晴と浅倉は安堵した。2人はしゃかんで、ブーツの靴紐を改めてしっかりと結んだ。
ジャンケンに浅倉が出ていき向こうは神宮寺が出てきて、神宮寺が──Cチームが勝った。
当然 今までの2戦の間に作られた より高いしっかりした防御壁となっている左の陣地を選ぶ。
ジャンケンで負けて帰ってきた浅倉に声をかける。
「問題なし問題なし」
「むしろ右陣地で正解だ」
そうして橘の
「"1分間防御壁作り"開始! ただしAチームは1分半!」
の声がかかった。
両チームが作業に取り掛かって──1分後
「Cチーム、止め!」
の声がかかる頃には あちこちがざわついていた。
動きを止めたCチームも思わぬ光景を目にする。
────Aチームはあった障害壁を壊していた。そのカケラを運んでキーパー前方域をデコボコに形成した。
「……新しい!」
椎名は思わず感心した声を出していた。
「斬新な発想ですね!」
と神宮寺だ。正火斗は全員に
「……何か仕掛けてくる気だろう。落ち着いていこう」
と呼びかけた。
桂木が
「桜田が攻撃に回ってる。アイツ、夏休みの時は部活なんてこれっぽっちも言ってなかったのに──なんかやってたのかな?」
と呟くように疑問を口にした。
「陽邪馬中学校のピッチャーだ。地方大会優勝までいった時の勝利投手」
正火斗が答えた。──知っていた。かつて桜田母子のことは調べたから。
「え?」「凄いじゃないですか!」
椎名と神宮寺は驚いて、椎名は──さらに続けた。
「でも……続けていないんですね。……野球……」
桂木は風晴を振り返って見つめた。防御壁のカケラを運ぶ姿を。
正火斗は見なかった。
──桜田風晴は中2の時に野球部を辞めている。理由の詳細までは分からない。
だが受験志望校で挙げた陽邪馬 農業高校は、野球には何の功績も無い高校だった。
彼はどこかでか将来を……諦めたのだろう──おそらくは金銭のために。
「続いて──"1分間作戦タイム"! Aチームは1分半!」
橘の声が響く。正火斗も
「椎名は防御壁を利用して援護してくれ。桂木と神宮寺は敵陣地に攻撃だ」
と指示していた。
一方、Aチームは作戦会議という作戦会議をしなかった。
理人、浅倉、風晴はそれぞれ雪玉を作った。足元に置いたり、ポケットには入れて良いことになっている。
やがて
「両チームスタンバイ!」
橘の号令がかかる。
全員がそれぞれのキーパーの横に一列に並んだ。
「雪合戦スタート!!!!」
最後の決戦が始まる────




