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【現代推理完結済】炎と白銀と〜聖夜の洋館の悲劇〜僕達の推理2  作者: シロクマシロウ子
第14章 迷い道の途中の戦い

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115 Bチーム対Cチーム……の陰で

ー登場人物紹介ー

※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー

大道正火斗だいどうまさひと・3年生。大企業財閥御曹司。

大道水樹だいどうみずき・正火斗の妹。2年生。

安西秀一あんざいしゅういち・部長2年生。親が大道グループ傘下企業役員。

浅倉奏衣あさくらかなえ・副部長2年生。中等部から正火斗に片想い。

桂木慎かつらぎしん・2年生。明るくフレンドリー。

神宮寺清雅じんぐうじきよまさ・1年生。ややお調子者?

椎名美鈴しいなみすず・1年生。真面目でしっかり者。


桜田風晴さくらだかぜはる・田舎の農業高校2年生。

真淵聖まぶちひじり・風晴の同級生。話すのが苦手。


華蔵理人かぐらりひと・華蔵家現当主。

華蔵透子(かぐらとうこ)・理人の妹


 



 桜田風晴は()()に近づいていた。


 椎名からLINEをもらっていたのだ。夕方に来たそれには 椎名の気持ちと現状(げんじょう)が書かれていた。


 なんと正火斗と浅倉は昨夜別れてる。

 その浅倉は今日、白吹村(しらぶきむら)の高校3年生に告白された。

 桂木は中等部からずっと浅倉を好きだったようで、椎名は────椎名は、桂木への片想いをスッパリ(あきら)めて それを応援(おうえん)したいと書いてあった。



 なんとも うまくいかない

 しかも ややこしい



 椎名は桂木をあんなに……苦しくてどうにもならないくらいに好きになっていた。心がけたからってそれをすぐに消したり変えたりなんて……できてるわけない。

 浅倉だって──きっとそうだ。好きな人と付き合えて喜んでいたはずなのに、別れたからとすぐ次の人には……やはりいけないんだろう。



 風晴の恋愛経験値(けいけんち)がいかに低くても、浅倉の目が正火斗を追っているのは分かった。

 浅倉が 椎名と正火斗を見つめていたのにも気づいた。

 桂木は正火斗とギクシャクしている。

 どうにもならないのかもしれない。誰にも──誰かの気持ちを一瞬で変えることはできなくて。


 それでも…………




 Bチーム対Cチームは作戦タイムに入った。


 その間、風晴はヒットカウントチェックのボードを持った浅倉に声をかける。


「浅倉、オレ次はキーパーを理人さんに(まか)せて攻撃に回りたい。Cチームの(かなめ)は正火斗だと思う。一緒に倒しにいかないか?」


 少し驚いたような顔を浅倉はしたものの、すぐに()いついて来た。


「やる! やりたい! 一泡吹(ひとあわふ)かせてやりたい!! でも人数はあちらが上だし、彼は適材適所(てきざいてきしょ)配置(はいち)してくるでしょうね。──どうする?」


「いい作戦がある。浅倉は()()に向かって行ったら良いと思う。で、雪玉で(ねら)うのは正火斗」


「慎に? でも彼も運転やスポーツも得意(とくい)だから、すぐ私 当てられるかも……」


 浅倉は不安そうだ。風晴はわざと自信満々(じしんまんまん)に言った。


「オレもなるべく早く援護(えんご)するつもりだけど……桂木は浅倉に本気では当てないと思う。あいつ優しいから──()()()()()()


 言われて浅倉は目を見開いている。──やはり思ってもみなかった言葉なのだろう。

 風晴はもう ややこしさは充分だと思ってた。誤解(ごかい)で傷つく必要はない。少しは()きほぐれるべきだ。

 だが浅倉は笑い出した。


「慎が私に!? ううん、彼は女子にはみんな優しいから。特に私がってことは無いと思う」


 Bチーム対Cチームの雪合戦が始まっていた。自分達も観戦(かんせん)もしなくてはいけない。風晴は口早く、しかしハッキリと言った。


頭脳戦(ずのうせん)だと正火斗に(かな)うわけない。オレは直感型だから、Cチームを揺るがせるのはそういう作戦かなって。──(ため)してみたら?」


 言って風晴は立ち去った。自分のことを"直感型"なんても思ってもみてないが──とにかく何か……浅倉達が"真実"を見つけるきっかけになったらいいと思った。


 もし心が見えるなら────見られるのは嫌だけれど、でもどんなに世界は楽だったろう。

 だけど実際は見えないし聞こえて来たりはしないから、自ら言葉で伝えたり感じ取ったりしなくちゃいけない。



 Bチーム対Cチームは4人対4人なこともあって、()り合ったが、勝敗は思わぬところで決した。

 Bチームのキーパーが聖、Cチームのキーパーが椎名だった。双方(そうほう)のキーパー達まで行かず、中央ライン付近(ふきん)での投げ合いになったのだ。

 それはそれで見所はあった。走り合いや()け合い、ぶつけ合い。防御壁(ぼうぎょへき)の雪山の利用も各々(おのおの)あった。

 奇跡的(きせきてき)に退場者がまだ1人もいなかったが──

 投げ合っていた雪玉の一つが遠くに飛んだ。

 それはたまたま────背の低い椎名の頭の上を()えた。


「あ!」


 椎名が声を上げて反応したが 遅かった。

 コン!と音が確かにして、キャンドルは倒れ──火が消えた。


「勝者Bチーム!」


 水樹や透子、秀一や聖が喜んでいた。


 Cチームは椎名をフォローして正火斗が


「たまたまだから仕方ない。それに僕の配置が悪かったんだ。次は僕がキーパーをやるよ」


 と言っている。その声は風晴の耳にも届いた。


「桜田くん」


 呼ばれて振り返るとすぐ後ろに浅倉が来ていた。


「とにかく勝機(しょうき)があるなら何でも やってみたい。私、正火斗を(くず)したい」


 風晴は うなずいた。


「理人さんに言いに行こう。多分次は……スピーディに決まることになると思う」









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