110 やる事が無いなら やりたい事
ー登場人物紹介ー
※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー
◆大道正火斗・3年生。大企業財閥御曹司。
◆大道水樹・正火斗の妹。2年生。
◆安西秀一・部長2年生。親が大道グループ傘下企業役員。
◆浅倉奏衣・副部長2年生。中等部から正火斗に片想い。
◆桂木慎・2年生。明るくフレンドリー。
◆神宮寺清雅・1年生。ややお調子者?
◆椎名美鈴・1年生。真面目でしっかり者。
◇桜田風晴・田舎の農業高校2年生。
◇真淵聖・風晴の同級生。話すのが苦手。
○華蔵理人・華蔵家現当主。
○冴木拓眞・華蔵家運転手。理人の同級生。
○葉崎達哉・25年前からの行方不明者。
○金森香世・葉崎達哉の実姉。
"白吹の呪い"偽装者達を炙り出すために、正火斗は大掛かりな企画を打ち出していた。
水樹は兄を心配して聞いた。
「兄さん、こんなところで仕事を利用して本当に大丈夫なの?」
涼しい顔で正火斗は妹に返す。
「問題はどこも無いと思う。天気予報は今 利用者が多い。
理人さんは──知識なのか能力かはともかく、本当に予想ができてる。
アクセスすると他にも占い師の星座ランキング占いやタロット恋占いがついてる人気サイトだから──天気予報精度も上がればこっちも大助かりなんだ」
水樹はさらに追求する。
「兄さん、メディアに顔出しするの?」
「新企画発表には高井戸を呼んでるから、彼が理人さんと出演する。脇に座ってたりインタビューには答えるが……許可はしないな……」
正火斗は多分、後半は今 考えて答えている。水樹は呆れ顔だ。
「それって……私達は何が手伝えるの?」
浅倉が聞いた。いい質問だった。
「メディアに出ても構わない人だけ、占い体験をしてほしいんだ。だから今夜うちの人に許可を取ってくれ。基本はN県内だけの放送で、名前や年齢は出ない予定だ」
(((星座ランキング占い、タロット恋占い………)))
数名が反応していた。正火斗は続けた。
「あとは夕方がそのままレセプションパーティーになるから、厨房や配膳を手伝ってほしい。────信頼できる人手が欲しくて、理人さんには最小限の従業員しか頼まない予定にしている」
「いいと思うな。僕らだけでも8人いるからね」
秀一が言った。正火斗は
「あと水樹は占い体験は駄目だ。顔出し禁止」
と指差して言った。
「ええ!? 私も占い体験しようと思ってたのに!」
と水樹は叫ぶ。
「スマホからアクセスできるから」
「水樹は顔出さない方が良いよ、綺麗過ぎるから。大騒ぎになる」
ここで兄に彼氏が加わった。勝ち目が無い。
水樹は
「美し過ぎるって……生きづらい……」
と頭を抱えた。誰も自意識過剰とも冗談とも思わなかった。
風晴は正火斗に
「じゃあ、今夜ってもうやる準備とかは無い?」
と聞いた。時刻はまだ19時28分だった。
「特には」
正火斗は答えた。
「はい。それならオレ、やりたいことがある」
風晴はわざわざ挙手してから言いだした。
「オレ みんなと 遊びたいんだ」
全員が風晴を問うように不思議な顔で見た。
彼の方もみんなを見渡した。
「今回ってもっと気軽な集まりなんだと思って来たんだ。正火斗も受験も終わってるし……オレ、普通にスケートやスノボして遊ぶんだって思ってた」
これには水樹が意見した。
「私が確かに聖に言ったものね、そう」
水樹は本当にプランを組んでいたが駄目になったのだ。行方不明事件に殺人事件、聖が足を怪我したこともある。
「こういう謎解きに走り回るのもミステリー同好会って感じで悪くもない。オレも冴木さんや金森さんのために解決したいから。
でも時間があってやることが無いなら──オレはみんなと遊びたい!!」
風晴はハッキリ言った。理人は笑い出してる。聖はニコニコだ。
桂木も言った。
「分かる分かる相棒、オレ達全然 遊べてないもんな」
秀一と浅倉は考え込んでいる。
「遊ぶって言ってもな……。僕、トランプなら一応 持って来てるけど」
「どこかに出るのも構わないけど、この時間からだともうこの辺は閉まっているんじゃなの?」
風晴は首を大きく左右に振った。
「洋館の出た先でやろう!! ──雪合戦!!」




