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炎と白銀と〜聖夜の洋館の悲劇〜僕達の推理2  作者: シロクマシロウ子
第14章 迷い道の途中の戦い

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109 知らない話ばかり

ー登場人物紹介ー

※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー

大道正火斗だいどうまさひと・3年生。大企業財閥御曹司。

大道水樹だいどうみずき・正火斗の妹。2年生。

安西秀一あんざいしゅういち・部長2年生。親が大道グループ傘下企業役員。

浅倉奏衣あさくらかなえ・副部長2年生。中等部から正火斗に片想い。

桂木慎かつらぎしん・2年生。明るくフレンドリー。

神宮寺清雅じんぐうじきよまさ・1年生。ややお調子者?

椎名美鈴しいなみすず・1年生。真面目でしっかり者。

桜田風晴さくらだかぜはる・田舎の農業高校2年生。

真淵聖まぶちひじり・風晴の同級生。話すのが苦手。


華蔵理人かぐらりひと・華蔵家現当主。

華蔵透子(かぐらとうこ)・理人の妹。

山原海(やまはらかい)・華蔵家料理人。

冴木拓眞(さえきたくま)・華蔵家運転手。理人の同級生。

林有里子はやしゆりこ・白吹村役場職員。


◾️これまでのあらすじ

鳳翔院学園ミステリー同好会メンバーとN県白吹村の洋館で再会した風晴と聖。洋館当主の華蔵家には"白吹の呪い"があり、24日クリスマスパーティーの後、風晴、聖、冴木の3人が洋館から姿を消す。運ばれた洞窟から風晴と聖は救助されるが 冴木拓眞は殺害されていた。パーティーの調査を進める中、正火斗達は犯行の中心人物と思われる林夫妻を訪ねる。そこでは夫妻共に刺殺されていた…………!

 



 その日の夕食には久方(ひさかた)ぶりに華蔵透子(かぐらとうこ)の姿があり、みんなが喜んだ。

 夕食のメニューは青椒肉絲(チンジャオロース)小籠包(ショーロンポー)鶏白湯(トリパイタン)スープだった。

 理人(りひと)が食べ出し みんなが食べ始める。これも すっかり見慣(みな)れた光景(こうけい)だった。


 桂木(かつらぎ)


「中華か。じゃあ、山原(やまはら)さんはやっぱり林有里子(はやしゆりこ)さんのところかな」


 と言った。正火斗(まさひと)


「あの家には今夜は……戻らないんじゃないか。山原さんのところに林さんが行ってるんだろうな」


 と訂正(ていせい)する。風晴(かぜはる)()めくくりに


「良かったよな、付き合っている人が今いて」


 とまとめた。

 林有里子に話を聞きに行ったこの3人以外は知らない話だったので


「「「「「ええ─────────!?」」」」」


 とテーブルには声が上がる。

 水樹(みずき)


「山原さん彼女できたんだ」


 と驚愕(きょうがく)している。なんだか山原サン、スミマセン。


「でも本当に……今は()てくれたら助かることですよね」


 と椎名(しいな)だ。


「大変な中でだと存在が際立(きわだ)つでしょうね」


 これは浅倉(あさくら)


(うら)ましいです。……彼女」


 と神宮寺(じんぐうじ)だ。秀一(しゅういち)は特にコメント無しだった。(ひじり)もだ。

 理人は正火斗に


「明日は山原も来る確認はしてあるよ──(すべ)て予定通りに」


 と言っている。正火斗はうなずいている。

 それから彼は


「透子さんも明日はよろしくお願いします」


 と小さくだが 頭も下げた。

 透子もうなずいている。


 風晴は小籠包を口に入れながら その様子を見ていた。


 ついに明日────

 正火斗は一体(いったい)何をする気だろう。









 夕食後──正火斗は広間に場所を移した。

 それにはいつものミステリー同好会メンバーと風晴と聖以外に、理人と透子も加わった。


 洋館に来た初日のように みんながソファについている。正火斗は話し始めた。


「理人さんと数日前から話し合っていたんだ。うちのライカム社の天気予報サイトで"(かんなぎ)占い天気予報"として、コーナー受け持ってみないかと」


「え"!?」「うわっ」「マジのヤツ!?」


 あちこちから声が上がる。


「了承してもらったから、それを明日昼過ぎにこの洋館で発表することにしてあるんだ。プレスリリースは大袈裟(おおげさ)にはやらないが、ローカル局と地方新聞社は呼んである。それから役場職員には手伝いをお願いしてあった。林さんは来られないだろうが、とにかく白吹村内(しらぶきむらない)にはかなりのニュースになると思う」


「でもそれって……」


 秀一の顔は深刻(しんこく)だ。


「理人さんを──華蔵家当主の天気予報能力を、自分達のものだけにしようとしていた人達には完全な──()()になるんじゃ……。

 正火斗も理人さんも……大丈夫なの?」


 ミステリー同好会メンバーの一同の顔が(くも)る。理人が


「僕は多分 命までは狙われないと思うよ。生きてこそ価値(かち)があるからね、多分。正火斗くんの方がヤバいと思う。彼、完全にあおる気だから」


 理人は正火斗を指差(ゆびさ)した。正火斗は否定どころか うなずいた。


「透子さんと婚約話が持ち上がっていることにしてもらうし、彼女に好意(こうい)(しめ)してもらう段取(だんど)りだ」


 理人、透子、正火斗以外は目を丸くした。

 正火斗は(かま)わず進める。


「演技で、出来(でき)るところまででいいんです、透子さん。

 ただ、冴木(さえき)さんを殺した犯人には効果(こうか)は必ずあります。協力をお願いします」


 彼は改めて頭を下げた。透子は


「大丈夫です。皆様にも元気を頂きました。私もお役に立ちたいです。

 正火斗様、こちらこそ宜しくお願いします」


 と言い 彼女もまた礼をした。


 神宮寺は


「うわぁ、来た初日は最高に仲悪かったのに。いつの間にか強力タッグを」


 と言った。


 みんなも同じ気持ちだった。








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