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炎と白銀と〜聖夜の洋館の悲劇〜僕達の推理2  作者: シロクマシロウ子
第13章 迷路の奥へ

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104 すれ違い交錯する

ー登場人物紹介ー

※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー

大道正火斗だいどうまさひと・3年生。大企業財閥御曹司。

大道水樹だいどうみずき・正火斗の妹。2年生。

安西秀一あんざいしゅういち・部長2年生。親が大道グループ傘下企業役員。

浅倉奏衣あさくらかなえ・副部長2年生。中等部から正火斗に片想い。

桂木慎かつらぎしん・2年生。明るくフレンドリー。

神宮寺清雅じんぐうじきよまさ・1年生。ややお調子者?

椎名美鈴しいなみすず・1年生。真面目でしっかり者。

桜田風晴さくらだかぜはる・田舎の農業高校2年生。

真淵聖まぶちひじり・風晴の同級生。話すのが苦手。


山原海(やまはらかい)・華蔵家料理人。

赤沢幸太郎(あかざわこうたろう)・新しい華蔵家運転手。

林有里子はやしゆりこ・白吹村役場職員。

葉崎達哉はざきたつや・25年前からの行方不明者。

金森香世かなもりかよ・葉崎達哉の実姉

 




 赤沢幸太郎(あかざわこうたろう)と正火斗、風晴、桂木は洋館に戻って良いことになった。

 警察達はそれどころでは無くなったのだろ。きっと金森(かなもり)家の捜索と金森香世(かなもりかよ)への事情聴取(じじょうちょうしゅ)が始まる────


 赤沢の車に行くと (すで)に後部座席にいた風晴が


「正火斗、金森さんが……」


 と言った。

 あの若い警官は大声だったし やり取りは車のドアが開けっぱなしだった。彼の耳にも届いたのだとは(さっ)しがつく。

 風晴の顔は蒼白(そうはく)だった。

 無理もない。

 金森香世は風晴と聖には恩人だった。彼女が風晴にくれたホッカイロで 聖は洞窟で眠っていても助かった。

 聖が無事(ぶじ)でいなければ、風晴は立ち直れないほど打ちのめされただろう。


「大丈夫 ──ひっくり返す」


 自分の言葉で 彼の(ひとみ)には確かに光が(とも)った。

 ただ信じてうなずく その姿に

 温かいものと冷たいものが同時に巻き起こるようで、判別(はんべつ)もならない。




 信頼(しんらい)も (きずな)も 欲しくない



 彼から向けられる感情も

 彼に起こされる感情も

 何も無くていい



 (あや)うい友情の上を綱渡(つなわた)りしているような感覚に(おちい)




 ただその上を行け



 決して()ちるな



 堕ちる先を考えるな









 帰りの車中では、車のデジタル時計はすでに午後2時近くを表示していた。


 赤沢を含めた4人は昼食をどうするか話し合った。

 林有里子は両親が殺されてしまい、恋人の山原海(やまはらかい)を呼び出しているかもしれない。

 つまり洋館に戻っても専属(せんぞく)料理人がいない可能性が高い。勿論(もちろん) 臨時(りんじ)の誰かがいるだろうし、風晴は作ろうかとも申し出た。

 だが腹の()具合(ぐあい)もそれぞれではないかとなり───結局(けっきょく)、コンビニエンスストアに寄ることになった。


 風晴が車を降りて


「大道正火斗がコンビニって……なんだか似合わないな」


 と ふと(つぶや)いた。


「確かに。イメージじゃないかも」


 と桂木も少し笑みを浮かべた。正火斗自身はそこで


「行くけど。……都内じゃあまり入らないな」


 と言ったので、風晴は"お付きの人"が行くんだろうと気が付いた。秘書や……ボディガードなのかもしれない。


 雲の上の人の生活をしているなぁ


 と風晴は思った。









 桂木にはLINEが届いていた。

 椎名からで──今日2回目だった。


 1回目は午前中に


 "それぞれ頑張りましょう!

  桂木先輩達も気をつけて

  行って来て下さい!"


 と言うもので

 応援スタンプ付きだった。

 2回目はついさっきで


 "ニュースを見ました

  大丈夫ですか?"


 と文字だけだった。


 "大丈夫"


 と返信しようとして


 "オレも桜田も大丈夫

  もうすぐ帰れそう"


 と(あわ)てて文章を変えた。



 椎名は本当に良い子だ

 心配して連絡をくれた

 でも本当に知りたいのは桜田のことだろう

 好きなんだから



 桜田のことを知らせてあげられて良かった



 桂木はそう思った。






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