#44 奏多ファンクラブ
「おはようござます主 」
そう、奏多の目の前から声がする。
その声の主は当然・・・・・・花蓮だ。
「俺の上で何してるんだい?」
「夜這いです。 もとい朝夜いですよ主」
「・・・・・・邪魔だ。 どけ。」
「朝這いしてますので、どきません。」
「そうか・・・・・・」
と、言いつつ花蓮を力ずくでどかす。
だけど、すぐに上に乗ってくる。
「なぜ戻ってくる?」
「朝這いですから。」
「それはもういい。 奏多は今から行かなくてはいけないところがあるんだ。 だから
どいてくれ。」
そう言うと、花蓮は ムスッ とした顔をしていたけど、どいてくれた。
奏多は『助かる』 と言い部屋を花蓮と出て行こうとした。
出ていく際にこよみに『どこに行くの?』 と言われたが奏多は
『ちょっとな・・・・・・』 と流して来た。
「それで、主 どこに行くのですか?」
「今日の試合を見に・・・・・・な。」
「別に観戦しなくても勝てるんじゃないですか??」
花蓮はそういった。 けれども、その言葉だと完全にフラグだ。
勿論、奏多はフラグを建てる気は毛頭なかったので
作り笑顔を作り花蓮に
「負ける時の事も考えなくちゃいけないだろ」
と言ったが、花蓮は『主 が負けるはずありませんっ!!!!!!』
フラグを建てまくってくる。
(花蓮はその言葉がフラグって気づいていってるのか?)
とも奏多は思ったが、花蓮に限ってそんなことは無い。 と思い、その考えていたことを
掻き消した。
「まぁ、一応の為だ・・・一応のため・・・」
花蓮は無言で頷く。
一応判ってくれたらしいので、奏多はホットする。
(まぁ、試合観戦以外にも目的があるからな・・・・・・)
心の中ではそう呟いている。
だけど、花蓮がうすうす気づいていることは奏多は知らない・・・・・
そんなことがありながらも、試合の観戦席へと移動していた。
試合会場に着くと
「「「「「「奏多君!!!!!」」」」」」
と、数名の女子が集まってくる。
奏多は動揺を隠しきれなかった。
「えっと・・・・・・誰?」
「「「「「「私たちは奏多君のファンです!!!!!!」」」」」」
「はい?!」
そう奏多は驚く。
それに対し花蓮はと言うと、どこか誇らしげに『やっと主 にファンクラブが・・・・・・』
と顔に書いてあった。
「えっと・・・・・・なんで僕のファンクラブ・・・・・・???」
奏多はきょとんとした顔で聞くと、女子たちは顔を見合わせ
『何言ってんのだろう?』 と言う表情を浮かべて居る。
そこで、一人の女子が口を開く。
「それは、勿論奏多君の強さに惹かれたので//////」
テレながら喋る。
それを見た奏多は、無言だった・・・・・・
(はい・・・? 俺、早く試合を見たいんだがどいてくれないかな・・・・・・)
最低なことを思っている。
いや、頭の回転が追い付いていないのだ。
奏多の無意識の中では(俺にファンなどあり得ない。)
そう思っている。
いわゆる、気づかないふり。 みたいなものだった。
世間的には現実逃避? 見たいなものだろうか? 意味的には真逆だったりするけど・・・・・・
「奏多君聞いてます?」
「あー、はいはい。 どうしました?」
謎に敬語になってしまっている。
「それで、奏多さんのファンクラブを作ろうと思っているんです!」
「俺のファンクラブ??」
「はい。 私たちはその一部です!」
「その・・・一部・・・?」
「「「「「「はい!」」」」」」
女子たちは笑顔で返事をする。
それに対して奏多は・・・・・・
(あれ? この方たちは何を言ってるの?)
混乱状態だった。 そして、咄嗟に出してしまった答えが・・・・・・
「勿論! 喜んで!」
女子たちは喜んでいる。 未だに内容をつかみ切れていない奏多。
そして、女子たちは嬉しそうにしながら帰っていく。
「・・・・・・何がしたかったの・・・・・・?」
奏多は誰ともなく呟く。
そして、数日後奏多のファンクラブが建てられ、壮絶な人気を得たのはまた別の話・・・・・・




