過去 蓮子編(花蓮との出会い)Ⅳ
二人が会話をしている中蓮子は怒りと恐怖で一杯だった。
蓮子は他の精霊たちと監禁されている中、男性恐怖症に掛ってしまっていた。
けれども、重度の男性恐怖症では無かったので、普通に会話をしたり触れ合ったりも
一応だが出来る。
だが、男性を見ると心の奥底から『きもい。』 と思ってしまう。
それも当然と言えば当然なのだが・・・・・・
そんな中、男と精霊はまだ言い合っている。
「だから助けてやるって!」
「嘘です! 男は全員嘘つきの塊です!!!!!」
「・・・・・・」
男はそれを言われると黙り込んでしまった。
精霊は『ほら! やっぱり嘘を付く気だったんだ!』 とでも言いたげな表情をしていた。
でも、男が黙った理由は"同情"しているのだった。
信じ切っていた主 に裏切られ、ここでいろいろなことをされていたことに。
男の中では『かわいそうだな・・・・・・』 と思っていて、精霊に手を伸ばした瞬間・・・・・・
「えいっ!」
後ろから声が聞こえたと同時に、頭に衝撃が走った。 気絶したりするまでの威力は無かったものの
脳みそが揺れて頭痛がする。
男は振り返ると・・・・・・
「何してましたの? 精霊たちの手錠を外すお仕事は? いつやりますの?」
「今でしょ! グヘッ?!」
男はドヤ顔交じりでそういうと、女は男の鳩尾目掛けで殴っていた。
それも渾身の威力で・・・・・・
「・・・・・・な・・にすん・・・・だ・・・・よ・・・・・・」
そう男は鳩尾を抑えて、口から出そうな液体を必死に堪えてそう言い放った。
「もう私がやります。 主 はそこで寝ててください。」
「寝るも何も・・・・・・お前に鳩尾を・・・本気で殴られたから・・・・・・
強制的に地面に寝かされているんですが?!・・・・・・」
「あ、やり過ぎましたね。 ですが後悔は微塵もありません。」
女は男を哀れな目で見ながらそう告げた。
「・・・後悔ぐらい・・・・・・いや、せめて哀れな目で見るのはやめてください。」
「嫌です。 私は主 に呆れ果ています。 大体いつになったらお仕事を真面目に
してくれるんですか? いっつも私に頼りっぱなしですよね? 隊長さんにも言われてるじゃない
ですか! 『お前は仕事が出来ない分、真面目にしてくれたらうれしいんだけどな』 と。
ですが、それを言われてから真面目に働くどころか、今までよりも酷くなってません?!
『い、いや、別にそんな・・・』 反論はダメです!・・・・・・・・・・・ 」
それから長い長い説教を食らったのは皆さんもお判りだろう・・・・・
説教が終わり、本当に女がすべてやってのけていた。
閉じ込められていた精霊たちの表情は拍子抜けで、何が起こっているのか判らない
とでも言いたそうだった。
「今から、君たちを解放する。」
「あなたたちは誰なんですか・・・・・・?」
「私たちは・・・・・・精霊騎士団。 とでも言っておきましょうか・・・・・・」
「「「「「「「せいれいきしだん・・・・・・?」」」」」」
精霊たちの声が重なる。
その発音からすると、どういう意味か判らないとでも言いたそうだった。
「精霊騎士団はな・・・グフッ?!?!?!」
「主 それは秘密事項のはずです。 人を弁えて発言してください。」
「・・・・・・・・だからって・・・鳩尾をこう・・・何度も何度も・・・
殴るのは・・・あかんだろ・・・」
「いえいえ。 主 にはこれくらいでは足りないくらいですし。
本当はもっとやってやりたい所なんですが、仮にでも主 は主 ですし。」
「最後のは・・・余計だ・・・俺はお前の正真正銘・・・主 だ・・・・・・」
最後にそういうが華麗にスルーされる・・・・・・
「ていう訳で、君たちを一旦精霊騎士団で預かり、完全に回復しきったら自由にする。
だから付いてきて貰えない・・・?」
「「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」」
だが、精霊たちは黙り込んでしまった。
『本当に付いて行っても良いのだろうか?』 『また裏切られるんじゃ・・・』
そんな気持ちが入り組んでいるからだ。 彼女 達は、主 に一度裏切られ、
酷いことをされている。
だから、本当に信用に値する相手なのかを慎重に見極める。
彼女 たちは『唯単に助けてくれたから信用する。』 そんな概念はとっくに捨てている。
その中で一人だけいきなり立ちだした精霊が居る。
それは・・・・・・
蓮子だった。
蓮子は徐に立ち上がり
「私は付いて行きます。 その男は信用に値しないけれど、貴方なら信用できるかもしれない・・・
だから、私は付いて行きたいです。」
そう言うと、女は急に男の方をむき出し『精霊たちに何をしたのか教えてほしいな~』
とでも言いたそうな目をしている。
※男は何もしていません。
けれども、男は二度も鳩尾を殴られて意識が朦朧としていた。
その目線には気づいてはいたものの、本当の事を言う気力が無かったのでその場で気絶を
したかのように完全に静止していた。
女は『はぁー・・・』 と大きなため息をつき、精霊たちに・・・・・・
「それで貴方たちはどうするの?」
と聞くと、ほかの精霊たちは声を揃えて言った。
「「「「「「私は・・・・・・」」」」」」




