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弱者だった俺が転生すると強者になっていた。  作者: 石立 諷太
トーナメント戦
37/52

#39 木戸聖夜VS《静寂の闇》桐生 香織Ⅳ (最終話)

桐生は聖夜目掛けて最高スピードで突っ込んでくる。

いきなりだったもので聖夜に躱すすべはない。

このままだともろに食らってしまう。 けれど、聖夜は・・・・・・


「それはとても危ない判断ですよ桐生先輩。」


その声は・・・・・・


桐生の真後ろから。

咄嗟に桐生は後ろに剣を振ろうとしたが、最高スピードで突っ込んだのが仇となった。


最高スピードで突っ込んでいる分、体にかかるGは相当なものだった。

なので、後ろに振り向くためにいつもより、少しのタイムラグが生まれる。

勿論それは、桐生にとって致命的なまでのタイムラグだ。


聖夜のほうが桐生が振り向くよりも早く背中に一閃。

それは深々と桐生の背中に深い刀傷を負わせた。

けれども・・・簡単には倒れてくれなかった。


斬られた後、渾身の力を振り絞って振り返り、聖夜に渾身の一撃を食らわせている。

だが、そこまで予想していた聖夜はやすやすと桐生の攻撃を防げた。


その攻防で吹っ飛んで行ったのは桐生だけだった。

観戦席で飽き飽きとみていた生徒たちは驚きを隠せない。

その反面、一部の生徒からは歓喜が湧き出ている。


「くあはっ!!! ゲホ・・・ ゲホ・・・」


桐生からは痛そうな声がする。


昔の聖夜ならいくら正式な試合と言っても、女の子を斬るのにはやはり抵抗がある。

たとえ、自分の成し遂げなくては行けない物と、女の子を斬らない。

それを天秤にかけても、やはり"女の子を斬らない" を優先してしまう。


それが、いつもの聖夜なら・・・・・・

けれども、聖夜のまえに立っているのは自分の全力を使って勝負をしている相手。

そんな同情をかけていては、相手に申し訳ないだろう。


いつしかそんな事を心に思い始めていた聖夜は、自分と本気で戦おうとしている相手を

斬り捨てずに勝とうとするなんて可笑しいのでは?

そんなことを奏多を見ているうちに考え始めていた。



だから、今でも何の罪悪感も無く斬れる・・・・・・

(まぁ・・・・・・そんなわけはないけどね・・・・・・)


勿論、罪悪感なしとは言い切れない。

罪悪感なしで斬り捨てる奏多には尊敬も覚える。 いつかは、あんな風になりたいな・・・

優しい心を忘れずに、どんな試合でも、相手でも本気で戦えるように・・・・・・


それは生まれて初めて思った感情。 誰かに追いつきたい。 〇〇みたいに戦いたい。

(そんな事を思えるようになったのは奏多のお陰だね・・・・・・ 今まで、周りには

明るく振舞っていた反面、復讐を心に誓って生きてきた・・・・・・ そんな虚しいだけの

人生を変えてくれたのは奏多だね・・・・・・ 本当にいい友達を持てたよ。)


そう本当に心から感謝する聖夜。

そんな深層に浸る聖夜。 だが、


「何ボーっとしてんのよ!!!!!!」

「っ???!!!」


と蓮子が言った瞬間・・・脇腹に痛みが走った。

痛みが走ったところを見てみると、桐生の剣が刺さっている。


けれども、桐生は離れたところで自分の治療に専念している。

ではなぜ聖夜の脇腹に剣が刺さっているのか・・・?


その答えはすぐに判った。

(投擲か・・・・・・)


桐生はボーっとしている聖夜目掛けて剣を投げた。

普段なら絶対に当たりはしないだろうが、今の聖夜はボーっとしていたのでやすやすと

当たる。


そんな事を考えての一撃だった。

勿論、その刃にはご丁寧に麻痺の魔法まで掛けられていた。

聖夜は最後の最後で油断をしたせいで負けた・・・・・・かに見えたが


「なに諦めてんのよ。 あそこまで私を手伝わせといて負けるなんて承知しないから」


蓮子はそう言い、剣から人の姿へと変わり聖夜に"キス"をした。

聖夜はいきなり何をされるかと思えば、さっきまで暴言を吐きまくっていた相手に

"キス"をしてきているのだ。


聖夜は大きく目を見開き、驚きに表情を歪めていた。

さっきまで四肢に力が入らなかったが、蓮子がキスをしてくると同時に、四肢に力が

みなぎり、体に回っていた麻痺の魔法が嘘かのように消えていった。


「なにがどうなったの・・・・・・?」

「ふん。 貴方となんて別にしたくは無かったけど特別よ。 ここまで私がしたのに負けるなんて

絶対に許さないんだから!!」


如何にもツンデレが言いそうな言葉を蓮子は言い放った。

蓮子が言っているのは要するに・・・・・・

"ここまで頑張って手伝ったのに、負けるなんて絶対に許さない。"

と言っている。


いや・・・・・・それは聖夜の頭の中だけのご都合解釈かもしれないが・・・・・・

なにはともあれ戦えるようになった聖夜は、


「桐生先輩・・・・・・すみません。 ボーっとし過ぎてました。」

「・・・・・・ここはラブコメをやるような場所では無いわよ。」

「・・・・・・」


先程の光景を見ていた桐生は頬を真っ赤に染めながら言った。

それに聖夜は少し恥じらいを覚えて、

(奏多はこんなのを毎日のように受けてたんだ・・・・・・ 流石奏多の精神力・・・

僕は見習わないといけないことが沢山だな・・・・・・)

そう思う。


そして、聖夜は桐生に一つの提案を持ちかける・・・・・・


「桐生先輩。 僕もそろそろ疲れてきましたので、次の一撃で終わりにしませんか?」


聖夜は桐生に"次の一撃に全身全霊をかけて、勝敗を決めませんか?"と持ち掛けていた。


「・・・・・・」

「先輩だって疲れ切っていますよね・・・・・・ 特に魔力とか・・・・・・」

「・・・・・・気づいていたのね。」

「いいえ。 つい先ほど気が付きました。 初めて会った時と魔力量が少しも変化していなかった

ので。」

「私もまだまだ未熟ですね・・・・・・ その勝負・・・引き受けましょう。」


聖夜が桐生との試合でふと疑問に思ったことは、初めて会った時から魔力が一切変わって

居ないことだった。

初めに膨大な魔力を使ったのにも関わらず、一切減らない。

本当にそんなチーターがいていい物か? と最初は思っていた。

けれども戦っているうちにうすうすと気付いて来ていた。


そして、確信を得たのは、蓮子と"キス"をしてからだ。

蓮子とキスをしたと同時に体の異常が回復した。 それで、桐生の方を見ると魔力が先ほどより

ガクン と落ちている。


そこでその魔法(トリック) に確信を得た。 と言う訳だ。


まさか桐生も初見で見破られるとは思ってもみなかっただろう。

(今年の一年生は化け物揃い・・・・・・ですか・・・・・・ 来年に期待ですね・・・)


そう思いながら桐生は周りに展開している漆黒のベールを解除した。

解除されると同時に、聖夜の視界もクリアになり、天井を見上げて言った。


「あ~! 久しぶりに眩しい光~!」


と歓喜している。※1.2時間ほどです


そんな光景を見ている観客は『なんだ? こいつ。 まだ試合中だぞ?』と言う目線で

聖夜を見る。

けれども、そんなことには気が付かない聖夜。


そうして、戦闘開始時の場所に戻り再び剣を構えた。


「これで、文句なしですよ? 木戸君。」

「はい。 判っていますよ。 この勝負は絶対に譲れません。」

「私もよ・・・ それで一つだけいいかな?」

「はい。 どうぞ。」

「なんでこの試合にこだわるの・・・・・・?」

「・・・・・・ 僕には成し遂げたいことがあります。 唯それだけのために今まで生きて

きましたので。」

「そう・・・・・・なんだ・・・」

「でも。 今は違います。 いい親友に出会えて、心から思いました。 この人に追いつきたい。

そう初めて思えたのです。 そしていつかは超えて見せます。」

「・・・いい友達に恵まれて良かったね・・・・・・」

「はい。」

「でも、ごめんね。 私も負けるわけにはいかないから・・・・・・」

「判っています。 僕も全力でお相手させて頂きます。」


聖夜と桐生はお互いの顔を見て、すこし微笑み剣に残っている魔力を注ぎ込んだ。

(これは一撃の勝負・・・・・・木戸君には悪いけど、勝たせてもらう!!)

(この一撃にすべてを掛ける! そして桐生先輩に勝つ!!)


2人の気持ちは交差する。 そして、審判が気を利かせたのか開始と同じ音を鳴らしてくれている。

なったと同時に聖夜と桐生は疾走した。 互いの全力を掛けて・・・・・・


聖夜は左下から一閃。 桐生は右上から一閃。

互いの剣が重なった瞬間・・・・・・

(あ・・・・・・負けた・・・・・・)


持っていた剣を落としてしまい、致命傷を食らってしまった。

審判は近寄ってきて片方の意識を確かめに行く・・・・・・


だが意識は完全に飛んでいた。


『きまったぁぁぁぁぁ!! 死闘に死闘を繰り広げた大接戦! 勝者は!

1年A組 木戸 聖夜選手!!!!!!!!!!』


『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!』


これはこれで、奏多と生徒会長のバトルほどの声援が送られた。

そして奏多は・・・・・・


(まさか、あれまで一回使っただけで使えるようになるとは・・・・・・ 聖夜を敵に

回したら勝てる気がしないな・・・・・・)


そう。 聖夜は、奏多と模擬戦を行った際、奏多が使った"相手の剣のみに直接衝撃を

送り、相手の剣を落とす"それを大事な試合だというのに、なんの躊躇いも無く使った。


それに奏多は感心していて、

(俺も聖夜みたいに強く・・・・・・ そして、姉ちゃんを止める・・・・・・

これが、俺の変えない野望。)



そして、会場にかかってある結界が解除されると・・・・・・


「お見事です。 悔しいですが、負けは負けです。 それと・・・最後の技はなんなのですか?」

「あれですか? あれは友人の使った技を使っただけですよ。」

「はい・・・? じゃあ、木戸君は大事な試合に友達の技を見様見真似でしかも初めて使った。

ということですか??」

「えぇ・・・・・・まぁ、そうなりますね・・・・・・」

「大した度胸です。 私ならそんあ無茶はしませんですね・・・・・・」

「アハハハ・・・・・・」

「でも、ありがとうございました。 次は私が勝ちますよ♪」

「いえ。 次も僕が勝たせていただきます。」


そういうと二人は一緒に笑いだし、とても試合の後だとは思えない二人だった・・・・・・


応募に間に合いそうになかったので、連続投稿します。


家庭の用事のため月、火曜は休載させて頂きますm(__)m

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